矢印信号における転回(Uターン)は、赤信号が点灯している状況下で、右折を示す青色の矢印信号が点灯しているときに、右折ではなくUターンを実行する行為を指します。平成24年(2012年)4月1日より、道路交通法施行規則が改正され、新たに認められるようになった走行方法です。
かつて、右折可を示す矢印信号が点灯しているときに転回を行うと、信号無視として取り扱われていました。しかし、実際の交通現場では、転回を望むドライバーが本信号の青色を待つ間、交差点内で停止しなければならず、これが後続の右折車両の流れを阻害する要因となっていました。こうした交通渋滞の問題と、より安全な状況でのUターン実行を実現するため、法令の改正が行われたのです。
現在、転回禁止の規制がない交差点に限り、右折矢印信号の点灯中にUターンを実行することが法的に許可されています。これは原動機付自転車や自転車を除く車両が対象です。ドライバーは、この仕組みを正しく理解し、安全確認を徹底することが求められます。
矢印信号が効果的に機能するためには、その設置位置が統一されていることが重要です。交差点に設置される矢印信号の配置には、一定の原則が定められており、ドライバーが瞬時に正確な指示を読み取れるようになっています。
横型の信号機では、青信号の真下に左折可の矢印、黄信号の真下に直進可の矢印、赤信号の真下に右折可(および転回可)の矢印が設置されるのが基準です。縦型の信号機の場合も同様の位置関係が保たれます。この統一された配置により、ドライバーは信号機の色と矢印の位置を同時に認識し、迅速に判断できる仕組みになっています。
ただし、五差路や六差路のような複雑な交差点では、斜め方向を指した矢印信号が追加で設置されることがあります。また、本信号の青色がまったく点灯せず、矢印信号の表示のみで判断する交差点も存在します。こうした例外的な配置では、ドライバーの注意力がより一層必要になります。矢印信号の転回を実行する際には、周囲の矢印や標識を十分に確認し、対向車や歩行者の動きに細心の注意を払うことが安全運転の基本です。
右折矢印信号で転回が認められるようになった一方で、新たな危険が生じているという指摘もあります。特に複雑な信号配置の交差点では、転回車と他の方向への進行車が同じ車線に向かう可能性があり、衝突のリスクが高まっています。
一例として、右矢印と同時に直交道路の左矢印が点灯する交差点では、転回車と左折車が同じ進行方向に向かうことになり得ます。多くのドライバーが「矢印信号が出ているときは、他の交通は止められている」と認識しているため、油断しやすくなるのです。右折レーンでの転回実行中、または左折レーンからの左折進行中、双方の運転者が注意を怠れば、衝突事故に至る危険があります。
さらに、矢印信号が消える際の本信号の切り替わりが都道府県や交差点によって異なることも問題です。指針では、矢印消灯時に本信号が黄色から赤色に順次切り替わる流れが想定されていますが、実際には矢印が消えた直後に交差道路側がいきなり青信号に変わるケースもあります。転回中の車がまだ交差点を完全に通過していない状態で、相手方の車両が進み始め、衝突事故が発生する危険性があるのです。
転回を実行する際は、必ず対向車の有無を確認し、歩行者や自転車にも注意を払い、交差点内での停止線や標識を見落とさないようにしましょう。また、周囲の複数の車両の動きを予測し、最悪の状況でも対応できる心持ちで運転することが重要です。
矢印信号で転回が可能になったことで、重要な落とし穴が生まれました。転回禁止標識が設置されている交差点では、右折矢印が点灯していても転回してはならないという点です。このルールを見落とすドライバーが後を絶たず、違反切符を切られるケースが多く存在します。
転回禁止の標識は、一般的に交差点の手前や周辺に設置されます。標識には「転回禁止」と明記されており、赤い円と白い矢印で構成される視覚的な警告です。しかし、ドライバーが矢印信号に注意を奪われている間に、この標識を見落とすことは珍しくありません。特に、複数の標識や交通情報が密集している交差点では、見逃す危険がより高くなります。
転回禁止の規制がある場所での違反行為は、本来の道路交通法違反として罰せられます。違反金や反則金だけでなく、保険等級の低下にも影響します。したがって、矢印信号で転回する前に、交差点周辺の標識を十分に確認することが法的リスク回避の最優先事項です。右折レーンに入る段階から、転回禁止標識の有無を意識的にチェックするクセを付けることが、安全かつ法令遵守の運転につながります。
日本国内では、矢印信号の点灯タイミングや消灯時の信号切り替わり方法が、都道府県ごとにまちまちであるという実態があります。この不統一は、ドライバーに混乱をもたらし、交通事故のリスクを高める一因となっています。
指針では、左折可と直進可の矢印が消灯した後に右折可の矢印が点灯される流れが示されていますが、交差点によっては矢印が別々のタイミングで点灯したり、すべての矢印が同時に点灯したりするケースもあります。また、本信号のランプの中に矢印が組み込まれたタイプも存在し、設置位置や形状そのものが異なる信号機も少なくありません。転回を実行するドライバーにとって、このような変動性は瞬時の判断を難しくします。
特に転回に関しては、矢印が消える瞬間に本信号がどのように変わるかが重要です。安全に転回を完了するためには、交差点を完全に通過する前に対向車が動き始めないことが必須条件ですが、信号の切り替わり方が予測しにくければ、この条件が満たされない可能性が高まるのです。交通安全と効率化の両立を実現するため、矢印信号を含む信号体系の全国統一化が急務とされています。
参考リンク:矢印信号の基本ルールと改正内容について、道路交通法施行規則第4条および別表第一の二に基づいた正確な規定が確認できます。
JAF Mate - 右折矢印信号でのUターンに関する交通ルール解説
参考リンク:矢印信号の役割と種類、設置位置の標準ルール、および都道府県ごとの信号運用の実態と問題点について詳しく説明されています。

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