トヨタクロスバンギア特徴及び内装と価格

新型ミニバン・SUVを融合させた革新的なトヨタクロスバンギアの、Bピラーレス大開口スライドドア、6パターンシートアレンジ、最新パワートレイン、そして予想価格は一体どうなっているのでしょうか?
トヨタクロスバンギア基本情報
🚗
クロスバンギアのコンセプト

ミニバンの快適性とSUVのタフネスを融合させた次世代キャブワゴン

📏
ボディサイズ

全長4695mm × 全幅1820mm × 全高1855mm

👥
乗車定員・室内空間

6人乗り3列シート / 室内長2965mm × 室内幅1550mm × 室内高1340mm

トヨタクロスバンギア 特徴及び内装と価格

トヨタクロスバンギアのボディデザインと外観特性

トヨタクロスバンギアは、2023年のジャパンモビリティショーで初披露されたコンセプトカーで、SUVとミニバンの両立という新ジャンルの提案です。外観は、角張ったカクカクとしたフォルムが特徴的で、マットブラック系のバンパーやフェンダーを組み合わせることで、力強いSUVらしい印象を実現しています。

 

ボディサイズは、全長4695mm、全幅1820mm、全高1855mmとノア・ヴォクシーと同程度の現実的なミニバンサイズに設計されながらも、オフロード性能を備えた堂々とした見た目を両立させています。この独特のエクステリアデザインが、ミニバンとSUVを欲する消費者の双方から強い注目を集めている理由の一つです。

 

SUVらしい力強さと、ファミリーカーとしての親しみやすさを同時に表現したボディデザインは、従来の自動車カテゴリーの枠を超えた新しい提案として高く評価されています。

 

トヨタクロスバンギアのBピラーレス大開口スライドドア機構

トヨタクロスバンギアで最も革新的な特徴が、Bピラーを完全に排除した前後スライドドアです。通常のスライドドア車では、ドア開口時にも車体中部に存在するBピラール(ドア枠の支柱)が残りますが、クロスバンギアではこれを完全に排除することで、前後ドアを同時に開けると遮るものがない広大な開口部が出現します。

 

この設計により、自転車やキャンプ用品、釣り竿といった大型かつかさばる荷物の積み下ろしが劇的に簡単になります。従来のミニバンやSUVでは困難だった大型レジャー用品への対応力が、圧倒的に向上しています。さらに、スライドドアは両側に配置されているため、乗降時の利便性も家族全員にとって格段に高まり、特に子どもやお年寄りのアクセスが容易になります。

 

このBピラーレス構造は、意匠登録済みの技術で、トヨタ車体による独自開発です。通常のスライドドア車に見られる車体中部のレール部分を巧妙に隠す工夫が施されており、美しくシンプルな見た目を損なわないデザイン上の配慮も施されています。

 

トヨタクロスバンギアの多機能6パターンシートアレンジ

クロスバンギアの内装における最大の特徴が、利用用途に応じて6つのパターンに変化する多彩なシートアレンジ機構です。通常のミニバンは座席配置が固定的ですが、クロスバンギアでは極めて高い自由度を実現しています。

 

助手席には回転機能を備え、2列目シートと向き合う対面配置が可能です。家族や友人とのドライブ中でも、停車時には互いに向き合ってのコミュニケーションが取れるため、長時間ドライブでの退屈さを大幅に軽減します。また、2列目シートはシートバックを倒すとテーブルとして機能し、車内での食事や作業スペースとして活用できます。

 

特に注目すべきは、3列目シートにもスライド機能が装備されている点です。デリカD:5やセレナに採用されているスライド機能により、足元スペースを自由に調整でき、乗客の快適性を大幅に向上させます。室内高がノア・ヴォクシーより65mm低い制約があるものの、この有効室内長の拡大で補補する実用的な設計思想が反映されています。

 

フロア設計もフラットなベース構造を採用し、ロングスライドレールが配置されているため、シートの移動がスムーズで、段差による乗り降りの負担も最小化されています。

 

トヨタクロスバンギアの最新パワートレインと燃費性能

クロスバンギアに搭載されるパワートレインは、トヨタ最新のTNGAプラットフォーム由来の最先端技術です。ガソリンエンジン仕様には、直列4気筒2.0リッター「Dynamic Force Engine」が採用され、出力は169ps、最大トルク20.9kgmを発生します。このエンジンは、高速燃焼技術と可変制御システムにより、世界トップレベルとなる熱効率41%を達成し、従来型エンジンと比べて低回転から高回転まで全域でトルク性能が向上しています。

 

ハイブリッド仕様には、直列4気筒1.8リッター+電気モーターを搭載します。エンジン出力は98ps、14.5kgm、フロントモーターは95ps、18.9kgm、そして4WD車にはリアモーターとなC41ps、8.6kgmを追加。このリアモーター技術により、100km/h以上の領域でもアシスト機能が作動し、より積極的な走行性能を実現しています。

 

駆動方式はFF(前輪駆動)と4WD(4輪駆動)から選択可能です。ハイブリッド車の燃費性能は、SUV車としては優秀であり、カローラクロスハイブリッド車の参考値として、WLTCモード最大26.4km/Lという実績があります。クロスバンギアは、さらに室内空間の広さを実現しながらも、同等か以上の燃費性能を追求する設計となっています。

 

トヨタクロスバンギアの予想価格と市販化時期

クロスバンギアの市販化に向けた動きが相次いでいます。2024年3月には、トヨタ車体が意匠登録を特許庁に申請済みで、市販化への確度が着実に高まっています。市販化時期は2025年から2026年初頭が有力視されており、2025年11月に開催されるジャパンモビリティショーでの新型車発表に期待が集まっています。

 

予想価格帯は、350万円から450万円の範囲に設定される可能性が高いです。これは、ベースとなるノア・ヴォクシーの上級グレードより高い価格帯ながらも、直接的な競合モデルとされるデリカD:5(相場430万円台)の価格帯を意識した戦略的な価格設定と考えられます。

 

グレード別の予想価格構成としては、エントリーグレードの2.0リットルガソリン・FF駆動で350万円~380万円、ミドルグレードの1.8リットルハイブリッド・FF/E-Four搭載で400万円~430万円、最上級グレードの2.0リットルハイブリッド・FF/E-Four搭載で440万円~460万円といった階層が予測されています。ハイブリッド技術の採用により、ランニングコストの削減効果も期待でき、長期的な購入コストを鑑みると優れた選択肢となりえます。

 

トヨタクロスバンギアとライバル車種との比較ポイント

クロスバンギアの最大の競合モデルは、菱デリカD:5です。デリカD:5は既に市場で確立された立場を有するミニバン・SUV融合モデルですが、クロスバンギアはいくつかの優位性を備えています。

 

まず、Bピラーレス構造による開口部の大きさはクロスバンギアが圧倒的に優れており、大型荷物の積み下ろしでは大きなアドバンテージがあります。デリカD:5では従来型のスライドドアを採用しているため、この点でクロスバンギアが革新的です。

 

次に、室内の広さです。クロスバンギアはノア・ヴォクシーを凌駕する室内長(160mm大きい)と室内幅(80mm広い)を実現しており、3列目のスライド機能とも相まって、乗車快適性において優位に立っています。シートアレンジのバリエーションもクロスバンギアが6パターンと豊富です。

 

一方、デリカD:5は既に複数回のマイナーチェンジを経ており、市場でも熟成されたモデルです。価格面でも既存ユーザーのサポート体制でも、当面の間はデリカD:5が優位です。しかし、クロスバンギアが市販化されれば、新しいテクノロジーとユニークなデザインにより、新規購入者からの強い支持を集めることが予想されます。

 

トヨタ・ノア/ヴォクシーとの比較では、クロスバンギアはノア・ヴォクシー以上の室内空間を提供し、SUVとしてのスタイリング性能も備えています。ただし、価格帯はクロスバンギアの方が高くなる見込みであり、「できるだけ安く家族向け車を求める」層には、ノア・ヴォクシーが依然として最適選択肢となります。

 

参考:トヨタ車体公式サイト
https://portal.toyota-body.co.jp/
参考:クロスバンギアの市販化時期と価格情報に関する詳細
https://asia-cars.co.jp/xvangear
参考:Bピラーレス大開口ドアの技術解説とシートアレンジ詳細
https://kuruma-news.jp/post/854018