セリカGT-FOUR WRC制覇と魅力

1990年代のWRCで黄金時代を築いたトヨタ・セリカGT-FOURは、なぜ今も根強い人気を誇るのでしょうか?その輝かしい歴史からスペック、中古車購入時の注意点まで、セリカGT-FOURの全てを徹底解説します。あなたはこの伝説的なラリーマシンの魅力を知っていますか?

セリカGT-FOUR歴史と魅力

セリカGT-FOUR 3つの魅力
🏆
WRC栄光の歴史

日本メーカー初のドライバーズ&マニュファクチャラーズタイトルを獲得し、世界ラリー選手権で圧倒的な強さを見せつけました

圧倒的パフォーマンス

2.0Lターボエンジンとフルタイム4WDの組み合わせで最高出力255馬力を実現し、卓越した走行性能を誇ります

🎯
希少価値と人気

1999年の生産終了以来、コレクターズアイテムとして高い評価を受け、中古車市場でも高値で取引されています

セリカGT-FOUR誕生の歴史


HJ64 1/64 トヨタ セリカ GT-FOUR (ST205) JDM STYLE スーパーレッド IV 完成品
トヨタ・セリカGT-FOURは1986年10月に初代ST165型として誕生しました。 当時トヨタが本格参戦を開始したWRC(世界ラリー選手権)に向けたホモロゲーション取得のためのモデルとして開発され、トヨタ初となるベベルギア式センターデフを持つフルタイム4WDシステムと、3S-GTE型直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載していました。
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初代ST165型は最高出力185馬力を発揮し、1988年からWRCの実戦に投入されました。 エンジンにターボを装着して出力を高め、トヨタ初のフルタイム4WDを導入したGT-FOURは、バブル全盛期の映画『私をスキーに連れてって』で雪上を縦横無尽に走り回ったことで一躍有名になりました。
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1990年には、カルロス・サインツ選手が日本メーカーとして初めてWRCドライバーズタイトルを獲得する快挙を成し遂げました。 これはトヨタのみならず日本の自動車メーカーとしても初の偉業であり、90年代のWRCにおける日本車黄金時代の幕開けとなったのです。
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セリカGT-FOUR歴代モデルのスペック比較

セリカGT-FOURは3世代に渡って進化を遂げました。 初代ST165型(1986-1989)は最高出力185馬力でWRC参戦のために生まれたスペシャルモデルでした。 1987年のマイナーチェンジでセンターデフの手動デフロックがビスカスカップリングによる差動制限に変更されています。
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各世代のスペック比較

世代 型式 期間 最高出力 最大トルク 特徴
初代 ST165 1986-1989 185ps 24.5kgm WRC参戦開始モデル
2代目 ST185 1989-1993 225ps 31.0kgm ダブルタイトル獲得
最終型 ST205 1994-1999 255ps 32.0kgm 最強スペック

2代目ST185型(1989-1993)は1989年9月に登場し、最高出力225馬力にパワーアップしました。 インタークーラー付きターボチャージャーを装備した3S-GTE型エンジンは、リッター当たりの出力で100馬力を超える高性能エンジンとなりました。 1993年にはエボリューションモデル「GT-FOUR RC(ラリーコンペティションの略)」が投入され、マニュファクチャラーズタイトルを獲得しました。
参考)セリカGT-FOUR

最終型ST205型(1994-1999)は、先代より30馬力アップした255馬力を実現し、トルクも32.0kgmに達しました。 ターボチャージャーの強化や吸排気系の見直しにより、特に中回転域から高回転域にかけて一気にターボがブーストし、盛り上がる加速感を体験できるモデルとなりました。
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セリカGT-FOUR WRCでの輝かしい戦績

セリカGT-FOURの最大の魅力は、WRCでの圧倒的な強さです。 ST165型は1988年から実戦投入され、1990年にカルロス・サインツ選手が年間4勝を挙げて日本メーカー初のドライバーズタイトルを獲得しました。 この快挙により、当時WRCで最強であったランチア・デルタの牙城を崩し、トヨタは強豪チームの仲間入りを果たしました。
参考)セリカ 歴代 人気モデルとその魅力を徹底解説

1991年にはカルロス・サインツ選手が年間5勝を挙げるものの、僅差でタイトル獲得とはなりませんでした。 しかし1992年には2度目のドライバーズタイトルを獲得し、1993年にはトヨタの悲願であったマニュファクチャラーズタイトルを、ST185型のエボリューションモデル「GT-FOUR RC」とユハ・カンクネン選手によって成し遂げました。
参考)セリカGT-FOUR

ST185型GT-FOUR RCは、ベースモデルに対して全幅を55mm拡大し、メタルタービンの採用や水冷式インタークーラーへの変更など、WRCを勝ち抜くための多くのアイテムが投入されていました。 1993年と1994年にはセリカGT-FOURのトヨタがマニュファクチャラーズタイトルを連覇し、日本車としてWRCで初めてメーカーとドライバーに年間タイトルをもたらしました。
参考)トヨタ・セリカGT-FOUR(ST205)に試乗。ファミリー…

1995年にはアフリカの過酷なサファリラリーで、藤本吉郎氏がST185型セリカGT-FOURを駆って日本人初優勝を成し遂げるという偉業も達成しました。
参考)1995年サファリラリー優勝車「トヨタセリカGT-FOUR」…

トヨタGAZOO公式サイトでは、セリカGT-FOURのWRC参戦の詳細な歴史と、1990年代の日本車黄金時代について貴重な写真とともに紹介されています。

セリカGT-FOUR現在の人気と評価

1999年の生産終了以来、セリカGT-FOURは「ターボエンジン×フルタイム4WD」というパッケージを持つ最後のセリカとして、クルマ好きやコレクターから注目を集めています。 現在では希少なコレクターズアイテムとして高い評価を受けており、中古車市場でも高値で取引されています。
参考)GT−FOUR(セリカ)の買取相場・査定価格

中古車買取実績を見ると、1998年式で走行距離131,000kmの個体が242.6万円で取引されたケースや、1994年式で走行距離89,153kmの個体が168.6万円の高値をつけた事例があります。 特にST185型やST205型は25年以上経過しても100万円以上の価格で取引されることが珍しくありません。
参考)GT−FOUR RC(セリカ)の買取相場・査定価格

現在もVintage Club by KINTOなどのサービスで、1994年式のセリカGT-FOUR ST205型をレンタカーとして借りることができ、その走りを体験することが可能です。 世界ラリー選手権で大活躍した、現在WRCに参戦するヤリスWRCの祖先にあたるモデルとして、その歴史的価値も評価されています。​
30年間ST205セリカに乗り続けているオーナーも存在し、購入価格よりも維持費がかかる可能性があっても、その魅力に惹かれ続ける愛好家が多いのがセリカGT-FOURの特徴です。
参考)『昔からの憧れで200系セリカgt fourに乗ろうと思..…

セリカGT-FOUR燃費と実用性

セリカGT-FOURの燃費は、カタログ値で10・15モード10.6km/Lとなっていますが、実際の走行では街乗り8~10km/L、高速道路で10km/L程度が一般的です。 2.0Lターボエンジンとフルタイム4WDの組み合わせという特性上、燃費性能は現代の基準からすると決して良好とは言えません。
参考)【セリカGT-FOUR】維持費はいくらかかる?年間コストや車…

燃料タンク容量は68Lと比較的大容量で、無鉛プレミアムガソリンを使用します。 満タンで約500~600kmの走行が可能ですが、スポーツ走行を楽しむ場合はさらに燃費が悪化する傾向があります。
参考)https://spectank.jp/nen/001110699.html

維持費については、年間50万円前後を見込む必要があります。 内訳としては、自動車税が2.0Lクラスで年間39,500円、任意保険料は年齢や等級により大きく変動しますが年間10~20万円程度、車検費用は2年ごとに15~25万円程度が目安となります。 また、部品の入手が難しくなっている点や、4WD+ターボという構造上の整備コストの高さも考慮する必要があります。​
実用性の面では、ファミリーカーとしても使えそうな程度の居住性を持ち、3ドアクーペながら後席も備えています。 ただし、旧車に乗る覚悟として、定期点検をサボらず異音に気づいたら即座に相談するという姿勢が、トラブル防止のカギとなります。​

セリカGT-FOUR中古車購入の注意点

セリカGT-FOURの中古車購入では、生産終了から25年以上経過しているため、車両のコンディションを慎重に確認する必要があります。 特に注意すべき壊れやすいポイントとして、タービンの劣化やブロー、4WD関連のトラブル(デフ・トランスファー)、エンジンマウントのへたりが挙げられます。
参考)https://ameblo.jp/skselect/entry-12838312984.html

メンテナンス面では、ゴム類の劣化が進行しており、ラジエーターサポートのゴム切れや変形、タイロッドエンドブーツの破れなどが発生しやすくなっています。 ラジエーター本体が問題なくても、サポート部品の交換が必須となるケースが多く見られます。
参考)https://www.goo-net.com/pit/blog/list?selectBrand=1010amp;selectCar=10101020amp;p=2

オイル管理については、エンジンオイルは高品質な10W-60などの粘度の高いオイルを使用し、定期的な交換が必要です。 また、MTオイルやデフオイルも定期的な交換が推奨され、オイル漏れがある場合は早急な処理が必要となります。 ドレンボルトが荒れている場合はオイルパン側の修正も必要になることがあります。​
部品供給については、トヨタ純正部品は一部入手可能ですが、生産終了から時間が経過しているため入手困難な部品も存在します。 購入前にディーラーや専門ショップで、必要になりそうな部品の供給状況を確認しておくことをおすすめします。
参考)https://cartune.me/notes/ci19q7Q9wV

足回りの点検では、スーパーストラット式サスペンションの複雑な構造に起因する部品交換の必要性がしばしば発生します。 購入前には専門店で下回り各部の点検と締め付け状態の確認を依頼し、予想される修理費用を把握しておくことが重要です。​
グーネットの中古車購入ガイドでは、セリカGT-FOURを含むセリカシリーズの選び方や、年式による違い、チェックポイントについて詳しく解説されています。

タミヤ 1/24 スポーツカーシリーズ No.133 トヨタ セリカ GT-FOUR プラモデル 24133