埼玉県警で活躍する70系ランドクルーザーパトカーは、1998年頃から現在まで四半世紀近くにわたって第一線で活動を続けている驚異的な車両です。この長期運用の背景には、ランドクルーザーの卓越した耐久性と信頼性があります。
さいたま市の鉄道博物館で開催された警察車両イベントでは、この古参パトカーが現役バリバリの状態で展示され、多くの来場者の注目を集めました。車体には「察警県玉埼」の文字が誇らしげに掲げられ、長年の使用にも関わらずピカピカの状態を保っています。
この車両が長期間現役を続けられる理由として、以下の要因が挙げられます。
埼玉県警では、この70系ランクルを山岳救助活動にも投入しており、「コイツじゃなきゃ!」という現場の声が長期運用を支えています。
2025年から本格運用が開始されたランドクルーザー250パトロールカーは、従来のプラドに代わる新世代の警察車両として注目を集めています。ネクスコ・パトロール関東が導入したこの車両は、高速道路の安全を守る新たな相棒として期待されています。
ランクル250パトロールカーの主要スペックは以下の通りです。
車両寸法
特別装備の詳細
従来のプラドと比較して、ランクル250は室内空間が拡大され、長時間の巡回業務でも隊員の疲労軽減に配慮された設計となっています。また、積載性の向上により、緊急時の救助機材や交通規制用品をより多く搭載できるようになりました。
高崎事業所では2025年4月から実際の運用を開始しており、隊員からは「走破性、耐久性、積載性すべてにおいて優れている」との高い評価を得ています。
2025年の千葉県警年頭視閲式で披露されたランドクルーザー300の覆面パトカーは、従来の警察車両とは一線を画す特殊仕様車両として大きな話題となりました。この車両は「遊撃車」として分類され、特殊な警備任務に投入されています。
覆面仕様の特徴
この覆面ランクルパトカーは、警視庁でも同様の仕様で運用されており、要人警護や特殊事案への対応に活用されています。岸田首相(当時)の演説会場でも、この車両が警備に駆けつけた実績があります。
防弾ガラスの採用は、近年の治安情勢を反映した装備強化の一環で、従来のパトカーでは対応困難な危険な状況での活動を可能にしています。また、外見上は一般的なSUVと変わらないため、潜入捜査や秘匿性を要する任務にも適用できる利点があります。
運用上の特徴
首都高速道路で使用されるランドクルーザーパトロールカーは、他の車両とは比較にならない過酷な使用条件下で運用されています。総延長300kmを超える首都高速の担当ルートを日々パトロールするため、年間7〜9万kmという驚異的な走行距離を記録しています。
走行実績の詳細
これらの車両は、走行距離50万km超えでも現役として活動を続けており、ランドクルーザーの耐久性を証明する生きた証拠となっています。首都高速道路サービスでは、これらの使用済み車両を海外向けに中古車として販売しており、海外市場でも高い評価を得ています。
海外での評価ポイント
中古車業者によると、これらの首都高仕様ランクルは業者オークションでも人気が高く、特に海外のバイヤーからの需要が旺盛だといいます。50万km超えの走行距離にも関わらず、適切な価格で取引されているのは、ランドクルーザーブランドの信頼性の高さを物語っています。
全国の警察署におけるランドクルーザーパトカーの導入状況は、地域の特性や任務内容によって大きく異なります。山間部を抱える県警では山岳救助用として、都市部では交通取締りや緊急展開用として、それぞれ異なる仕様で運用されています。
地域別導入状況
今後の展望として、各警察署では以下の傾向が見られます。
技術革新への対応
環境配慮型への移行
特に注目すべきは、2025年7月に群馬県で開催される「群馬パーツショー2025」でのランクル250パトロールカーの展示予定です。この展示を通じて、一般市民にも警察車両の進化と技術革新が紹介される予定となっています。
また、各メーカーとの連携により、警察専用装備の標準化や、次世代パトロールカーの共同開発も進められており、ランクルパトカーの未来はますます明るいものとなっています。これらの取り組みにより、国民の安全と安心を守る警察活動がさらに効率化・高度化されることが期待されています。