新型ランドクルーザーFJは、全長4,575mmというシリーズ最小のボディサイズを実現しました。ランドクルーザー250から比べると全長で350mm、全幅で125mm小型化されており、日本の狭い道路環境でも扱いやすい設計になっています。最小回転半径は5.5mと、ランクル250の6.0mと比較して0.5m小さく、都市部での駐車場での取り回しが格段に向上しています。
全高1,960mmという高さを確保することで、室内空間の広さと力強いデザインを同時に実現。ランクル300やランクル250では全高が1,925mm程度であるのに対し、35~40mm高いFJは、キャビンの広さと視界の良さで優位性を持っています。このバランスの取れた寸法設計が、「小型ながら本格的」というFJのコンセプトを具現化しています。
参考リンク:ランドクルーザーシリーズ全4モデルの詳細比較ガイドでは、実際の使用環境別に各モデルの選択ポイントが詳しく解説されています。
旧型のFJクルーザーと新型ランドクルーザーFJを比較すると、興味深い違いが見えてきます。旧型FJクルーザーの全長は4,635mm、全幅は1,905mmでしたが、新型ランクルFJは全長60mm短く、全幅50mm狭くなっています。これは意図的な設計変更で、日本の道路環境への最適化を図ったものです。
全高はFJクルーザーの1,840mmから1,960mm へと120mm高くなり、新型は室内空間に余裕を持たせました。特に全幅の50mm削減は、日本の駐車スペース(標準2,000mm)に対する配慮を示しており、実用的な改善と言えます。ホイールベースもFJクルーザーの2,690mmから2,580mmへと短くなり、オフロードでの機動性が大幅に向上しています。
ランドクルーザーFJのホイールベース2,580mmは、ランクル250の2,850mmと比較して270mm短い設定です。この短さは単なるコンパクト化ではなく、走行性能に大きな影響を与えています。短いホイールベースにより、最小回転半径5.5mという優れた旋回性を実現し、狭い山道やUターンが困難な場所での機動性が飛躍的に向上しています。
オフロード走行時には、ホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)が向上し、ランクル70シリーズと同等のレベルを確保しました。短いホイールベースにより、アプローチアングル(前輪が障害物に接触しない最大角度)とデパーチャーアングル(後輪が障害物に接触しない最大角度)も最適化され、岩場や急斜面での走破性が強化されています。
前後オーバーハングも最小限に設計されたため、凹凸のある悪路でバンパーを擦りにくく、修理コストの削減にもつながります。この設計的工夫により、「街では扱いやすく、山では本格的」という、ランクルFJの双面性が実現しています。
ランドクルーザーシリーズ4モデルの寸法を横並びで比較すると、各モデルの立場が明確に見えてきます。以下の表は、購入検討時の重要な判断基準となる情報を集約しています。
| スペック | ランクルFJ | ランクル70 | ランクル250 | ランクル300 |
|---|---|---|---|---|
| 全長 | 4,575mm | 4,890mm | 4,925mm | 4,965mm |
| 全幅 | 1,855mm | 1,870mm | 1,980mm | 1,980mm |
| 全高 | 1,960mm | 1,920mm | 1,925mm | 1,925mm |
| ホイールベース | 2,580mm | 2,730mm | 2,850mm | 2,850mm |
| 最小回転半径 | 5.5m | 6.3m | 6.0m | 5.9m |
| 乗車定員 | 5人 | 5人 | 5~7人 | 5~7人 |
ランクルFJは全長・全幅で最小ですが、全高はランクル70と同等レベルを保っています。これは室内居住空間の確保と、力強い外観設計の両立を目指した結果です。ホイールベースの短さも目立ち、最小回転半径5.5mはランクル300の5.9mに近い水準で、都市部での実用性に優れています。
新型ランドクルーザーFJのポジショニングを理解するには、トヨタの他SUVとの比較が有効です。トヨタRAV4(新世代)の全長は4,600mm、全幅1,855mm、全高1,680mmで、ランクルFJは全幅は同一ながら、全長が25mm短く、全高が280mm高い設定になっています。
カローラクロスの全長4,455mm、全幅1,825mm、全高1,620mmと比べると、ランクルFJはRAV4とカローラクロスの間に位置するサイズです。しかし室内高さが大きく異なり、ランクルFJの1,960mmという全高は、単なるSUVではなく、本格的なオフローダーとしての構成を示しています。
ランクルFJの高い全高とホイールベースの短さは、オンロード性能を損なわずにオフロード適応性を高める設計思想を反映しています。RAV4やカローラクロスなどの都市型SUVとは異なり、ランクルシリーズの伝統である「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」という信頼性を継承した配置になっているのです。
参考リンク:トヨタの複数SUVモデルを詳細に比較した専門記事では、価格帯や機能面での違いも詳しく解説されています。
ランドクルーザーFJが採用するラダーフレーム構造は、寸法設計の自由度に大きく影響しています。ラダーフレーム構造は、左右2本のメインフレーム(サイドメンバー)を複数のクロスメンバーで結合し、梯子状の骨格を形成するシステムです。この構造により、路面からの衝撃をフレームが直接吸収し、ボディへのダメージを最小限に抑えることができます。
ランクルFJでは、このIMVプラットフォームをベースに、床下へのブレース追加とボディの高剛性化を実施しました。コンパクトなボディサイズでありながら、ランクル70同等のホイールアーティキュレーションを実現できたのは、このラダーフレーム設計とそれに基づく強化策があるからです。フレームが柳の枝のようにしなることで、サスペンションマウント部やボディへの衝撃を和らげ、車両自体を長く保たせる効果があります。
パートタイム4WDシステムとの組み合わせにより、悪路走行時の低速トルク性能も十分に確保されました。短いホイールベースと堅牢なラダーフレーム構造の相乗効果が、ランクルFJを「小型だが本格的」なオフローダーにしているのです。
最小回転半径5.5mというランクルFJの数値は、実際の使用環境では大きな利点になります。日本の平均的な駐車枠は、幅2,000mm×奥行き5,000mm程度で、ランクルFJの全幅1,855mmは余裕を持って収まります。最小回転半径5.5mは、3車線道路での比較的緩いカーブでの進路変更や、駐車場内での小回りが容易であることを意味しています。
対比的にランクル250の最小回転半径6.0m、ランクル70の6.3mと比較すると、0.5~0.8m短いFJは、Uターンが困難な狭い交差点での回避操作や、山道での連続ヘアピンカーブでも優位性を発揮します。都市部での取り回し性の良さは、購入後の実用性に直結する重要な要素です。
ランドクルーザーシリーズの中でもランクルFJだけが、小型SUVに匹敵する旋回性を備えながら、本格的なオフロード走破性を両立させた稀有なポジションにあるのです。この最小回転半径の短さは、「街でも山でも」というコンセプトを最も端的に表現した数値と言えるでしょう。

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