ランサーエボリューション最終モデルとして2015年8月に発売されたファイナルエディションは、新車価格429万8400円(消費税込)で1000台限定販売されました。この特別仕様車は、シリーズ最高の313馬力・429Nmを発生する改良型2.0リッターMIVECターボエンジンを搭載。ハイパフォーマンスパッケージが標準装備され、高性能サスペンション、ブレーキシステム、専用タイヤを備えています。
2024年のオートモビルカウンシルで展示販売されたファイナルエディション中古車は、チタニウムグレーにブラックマイカルーフの2トーンカラーを採用して1025万円の価格で販売され、開場から1時間未満で売約済みとなるほどの人気を集めました。市場では現在、ランエボの中古価格は138万円から759万円の幅広い範囲で取り扱われており、グレードや年式、走行距離によって大きく変動しています。
ランサーエボリューションX(CZ4A)ファイナルエディションの主要スペックは、排気量1998ccの直列4気筒DOHC16バルブICターボエンジンで、最高出力313ps(230kW)/6500rpm、最大トルク43.7kg・m(429N・m)/3500rpmを発揮します。全長4495mm、全幅1810mm、全高1480mmのボディサイズで、5名乗車が可能な4ドアセダンレイアウト。
次期型ランサーエボリューション11の予想スペックは、全長4510mm、全幅1850mm、全高1450mm、ホイールベース2660mmの寸法が予測されており、2.0L直列4気筒ターボエンジン搭載で出力300PS、トルク43.0kgmの発生が想定されています。48Vマイルドハイブリッドシステムと組み合わされた場合、モーター最高出力13.6PSが追加される予定です。
ランサーエボリューションの最大の特徴であるS-AWC(Super All-Wheel Control)は、三菱独自の電子制御4WDシステムで、左右輪のトルク配分と制動力を統合制御することにより、究極の操縦性を実現しています。AYC(アクティブヨーコントロール)機能により、ブレーキを片輪に作用させることで旋回性能を飛躍的に向上させています。
システムは、ドライバーのステアリング操作やペダル入力を先読みし、車両が意図したラインをトレースできるよう常時監視・制御を実施。AUTO・SNOW・GRAVEL の3つのドライブモードを用意し、路面状況に応じた最適な駆動力配分を自動で選択します。雪上走行ではSNOWモードで後輪への駆動力配分を事前に増加させ、前輪スリップを防止。悪路ではGRAVELモードでトラクション性能を重視した高い走破性を発揮します。
ランサーエボリューションX ファイナルエディションのエクステリアでは、専用ダーククロームメッキグリルを採用し、グロスブラック塗装のバンパーセンター、エアアウトレット、専用エンブレムを装着。ボディカラーは、ルーフがブラックとなる2トーンカラーを新たに設定し、スポーツセダンとしての威圧感を高めています。
次期型ランサーエボリューション11のデザイン予想では、三菱の統一デザイン哲学「ダイナミックシールド」をスポーツモデル向けにチューニング。より低重心なプロポーションと拡大された開口部により、ハイスペックエンジンの冷却効率を向上。ボンネットには伝統的なエアアウトレットを継続採用し、エボリューションシリーズのアイデンティティを継承しながら、ワイドフェンダーと専用エアロパーツで高速域での安定性と走行性能を両立させるプランが立案されています。
2015年のファイナルエディション販売終了後、ランサーエボリューション復活への要望は業界内でも極めて強く、2017年の三菱自動車株主総会において益子社長が「ランエボの再開発に挑戦したい」と公式発表。この発言により、スポーツカーファンのみならず、投資家からも復活への期待が急速に高まりました。
2024年から2025年にかけての復活可能性が業界関係者から示唆されており、EVコンセプトカー「e-エボリューション」(2017年東京モーターショー発表)やPHEVコンセプト「エンゲルベルクツアラー」(2019年ジュネーブモーターショー発表)の開発を通じて、三菱は次世代ランエボの技術基盤を着実に構築してきました。複数のメディアやレンダリングアーティストによる予測では、従来の高性能エンジンに48Vマイルドハイブリッド技術を組み合わせたハイブリッドモデルの可能性が高いとされています。
排ガス規制の厳格化に対応しながら、ランエボが培ってきた操縦性能とパフォーマンスを次世代の環境技術と融合させることで、真のスポーツセダンとしての復活が実現される見通しです。世界ラリー選手権での栄光や、漫画「頭文字D」を通じた文化的影響力も手伝い、新型ランエボの登場は日本のスポーツカー市場全体を活性化させる触媒となる可能性を秘めています。
ランサーエボリューション11の詳細予想スペック、48Vマイルドハイブリッド技術の搭載予想、次期型プラットフォーム情報が詳しく解説されています。
ファイナルエディションの2024年展示販売での市場反応、1000万円超えの成約事例、三菱の技術力を示すモータースポーツ参戦の歴史が記載されています。

ニューカー速報プラス 第22弾 MITSUBISHI LANCER EVOLUTION FINAL EDITION (CARTOP MOOK)