2023年7月に発売されたこのプラレール版カートレインは、メーカー希望小売価格5,500円（税込）で展開されています。EF65型電気機関車の1118号機のレインボー塗装をモデルにしており、その鮮やかな配色は商品棚でも一際目立つ存在です。6両編成というボリュームのある構成により、他のプラレール車両との連結や様々なレイアウト遊びに対応できます。
このカートレインの最大の特徴は、トミカとの組み合わせで遊べるという点です。貨車部分（4両）にはそれぞれ別売のトミカを1台ずつ搭載でき、最大4台のトミカを運搬することが可能です。電池はいたってシンプルで、単2形アルカリ乾電池1本で動作するため、お子さんのいるご家庭でも電池管理が容易です。スイッチをOFFにすれば手転がし遊びもできるため、電池を使わない遊び方も選べます。
提供元となるタカラトミーは、JR北海道とJR東日本の商品化許諾を取得しており、正式な車両情報を基にした商品開発がなされています。ただし、本製品の編成は架空の設定になっており、実在する運行形態とは異なる点は留意が必要です。
プラレールの走行メカニズムはシンプルながら奥深く設計されています。このカートレイン商品では1スピードの電動走行となっており、加速度や複数速選択などは搭載されていません。しかし、この単純な構造こそが、幅広い年代のユーザーに対応できる理由でもあります。
動力源となる単2形乾電池は、本体の電源スイッチ部分に装着されます。古いタイプの動力ユニットを採用しているため、一部の新型プラレール車両に搭載される「のせかえシャーシ」には対応していません。つまり、他のシャーシへの付け替えはできないということです。しかし、逆にいえば、このシンプルさが長年の運用でも安定した走行を実現させている要因ともいえます。
走行時に重要になるのが、トミカの搭載バランスです。貨車ごとに異なるトミカを乗せる場合、車重のバランスによって走行特性が変わる可能性があります。小型のトミカと大型のトミカを混在させると、わずかですが走行スピードや加速感に差が生じることがあります。これは、家庭用レイアウトでのリアルな操車遊びを実現する要素として、実は非常に興味深い点です。
トミカの搭載方法はシンプルですが、楽しさを最大化するには工夫が必要です。各貨車には側面がクリアパーツで透視できる設計になっており、トミカを乗せた状態でもその様子が見える構造となっています。ただし、注意点が1つあります。車高のある大型トミカ（SUVやトラックなど）の場合、貨車の蓋が完全に閉まらない可能性があります。
搭載時のコツとしては、まず貨車のカバーを外し、その内部空間にトミカを丁寧に置くことです。走行中の揺動で転倒しないよう、トミカが貨車内で動かないように軽く固定するか、あるいは走行性能を優先してあえて固定しないという選択肢もあります。複数のトミカを異なる貨車に乗せる場合、均等に分散させることで走行の安定性が向上します。
また、プラレールのレール上で走行させる際、貨車の連結状態によって運動性能が変わります。全4台のトミカを搭載した状態で走行させるのと、1台だけ搭載した状態では、実際に走行スピードが異なって感じられます。この重量感覚の変化こそが、プラレール遊びをより奥深いものに進化させる要素なのです。
カートレインという名称は、「カー」と「トレイン」を組み合わせた造語であり、自動車運搬列車を意味しています。日本国有鉄道（国鉄）の時代から運行されていたこの列車は、新車輸送や自動車の広域流通を支える重要な輸送手段でした。かつてはJR各社によって複数のカートレイン列車が運行されており、東京と北海道を結ぶ「カートレイン北海道」が特に有名です。
カートレイン北海道は、東京の恵比寿駅から北海道の白石駅間で運行され、主に機関車と電源車を含む24系客車4両とワキ10000形の貨車9両で編成されていました。この列車が目指していたのは、乗客と自動車を同時に同じ列車で運ぶという、当時としては革新的な輸送形態でした。昼間は乗客を運び、夜間は自動車を運ぶという効率的なシステムは、物流と旅客輸送の融合を象徴するものでした。
しかし、時代とともに道路網の整備や航空輸送の発展により、カートレイン列車の運行数は減少していきました。自動車の個別輸送や高速道路での陸送が主流となり、やがてカートレイン列車そのものが姿を消していったのです。プラレール版のカートレインは、このような歴史的背景を持つ実在の列車への敬意を込めた商品化といえるでしょう。
検索上位にはない独自の視点として、カートレイン プラレールを活用した物流シミュレーション遊びという角度が挙げられます。通常のプラレール遊びは「列車が走る」という単純な楽しさに重点が置かれていますが、カートレイン商品の場合は「輸送」という概念を遊びに組み込める可能性を秘めています。
例えば、複数のプラレール駅セットを用意し、A駅からB駅への「自動車輸送ミッション」を設定するという遊び方が考えられます。どのトミカを何台運ぶか、どのルートで運ぶか、途中でトミカを積み替えるか、といった物流戦略的な思考が必要になります。これは、お子さんの思考力や計画性を養う知育玩具としての側面をも引き出すことになります。
さらに、高架レール（別売）を活用して立体的なレイアウトを構築し、上下複数段のカートレイン運行を実現することも可能です。下段ではカートレイン本体を、上段では他のプラレール車両を走らせるという、都市の立体交通網をシミュレートする遊び方も想定できます。このような応用的な遊び方は、公式のプラレール情報では詳しく紹介されていないケースが多く、ユーザーの創意工夫に委ねられている領域です。
また、カートレイン本体とトミカの組み合わせを記録に残すという、「図鑑化」の楽しみも生まれます。所有する全トミカとカートレイン貨車の組み合わせ写真を撮影し、そのデータベースを作成するというコレクター的な楽しさです。SNSやブログでこのような組み合わせ画像を共有するコミュニティが形成されつつあり、個々のユーザーが独自の遊び方を発見・発信する動きが活発化しています。
このカートレイン商品の購入を検討する際に重要なのは、別売品との組み合わせです。基本パッケージにはレールが含まれていないため、プラレール遊びを開始するにはレールセットが必須です。初心者向けのレールセットであれば数千円程度で入手可能ですが、トータルの導入コストを事前に計算しておくことが重要です。
さらに、トミカの所有状況も検討対象になります。最大4台のトミカを搭載できるのが本商品の魅力ですが、すでにトミカを複数所有している場合と、これからトミカを揃える予定の場合では、必要な追加投資額が大きく異なります。トミカの形状によっては貨車に搭載できないケースもあるため、事前に搭載可能なトミカのリストを確認することが望ましいです。
メーカー希望小売価格は5,500円ですが、実販売価格は販売ルートや時期によって変動することが多いです。オンラインショップ（楽天市場やAmazonなど）とおもちゃ量販店では価格競争が行われており、タイミングによっては10～20％程度の割引で入手できる可能性もあります。限定生産でない通常商品ですが、人気度によっては品薄になる可能性も想定されるため、購入予定がある場合は早めの検討をお勧めします。
電池についても、単2形アルカリ乾電池という形式が重要です。家庭に常備していない場合が多い電池規格であるため、購入時に合わせて電池も入手しておくと、購入直後から遊び始められます。単2電池は100円ショップでも販売されていることが多いため、コスト面でも大きな負担にはならないでしょう。
タカラトミー公式ページ - プラレール EF65 カートレイン商品情報
https://www.takaratomy.co.jp/products/plarail/new/2307.htm
本商品の基本仕様、搭載機能、付属品の詳細が記載されており、トミカ搭載方法の注意事項も確認できます。
プラレール鉄道ファンサイト - カートレイン北海道レビュー記事
https://platetsu.com/plarail_train/jr/hokkaido/cartrain_hokkaido
実在したカートレイン列車の歴史や、編成構成、運行区間などの詳細情報が記載されています。プラレール版との比較で、実物の構造理解が深まります。
