ホンダ・zは1970年10月20日に初代モデルが発売され、軽自動車初のスペシャルティカーとして自動車市場に新しい風を吹き込みました。当時好評だった「NIII360」をベースに開発され、360ccでありながらクーペスタイルを目指した意欲的なモデルでした。初代zは若者を中心に高い支持を得て、わずか4年間の販売期間ながら堅実な販売を記録しました。
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1998年には27年ぶりに2代目ホンダ・zが復活しますが、初代とはコンセプトも機構面もまったく異なるSUVタイプの4WD車として生まれ変わりました。2代目は軽自動車規格の改訂に合わせて登場し、3代目ライフと共に「K・ムーバー」シリーズとして展開されました。しかし販路で広く人気が浸透することはなく、2002年に排ガス対策を実施せず生産終了となりました。
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初代ホンダ・zの最大の特徴は、独特のエクステリアデザインにありました。ノーズを低めてヘッドライトの間にグリルを突き出すシルエットは、前年に登場した日産フェアレディZにも通じるスポーティなスタイルでした。サイドビューではリヤウインドウを小さく、Cピラーを太くして力強いシルエットを生みだし、ルーフエンドの処理も独特でした。
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リヤエンドのハッチゲートのデザイン処理が特に印象的で、周囲を黒い樹脂フレームで囲ったハッチゲートが潜水用ゴーグルのような形状をしていたことから「水中メガネ」の愛称で親しまれました。このユニークなデザインは多くのファンの間で評判となり、そのままホンダ・zの代名詞となりました。車内は航空機のコックピットのような雰囲気を持ち、当時のホンダ車に共通する飛行機風の計器類のデザインが印象的でした。
参考)https://www.weblio.jp/wkpja/content/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BBZ_%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BBZ%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81
2代目ホンダ・zの最大の特徴は、「UM-4(UNDERFLOOR MIDSHIP 4WD)」と名付けられた革新的なプラットフォームでした。エンジンを横置きにフロア下中央よりやや後ろ側に配置し、ビスカスカップリング式センターデフによって前後輪を駆動するシステムで、まさにスーパーカーで採用されるような贅沢な設計でした。この機構はもともと軽トラック「アクティ」の4WDを改良したものでしたが、ホンダは4人の乗員と荷物のためのスペース確保と鼻先の軽いシャープなハンドリング、そして4WDによる悪路踏破性をすべて満足させるためと主張していました。
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エンジンは縦置きレイアウトを採用し、前後に伸びたドライブシャフトをそのままプロペラシャフトにして4WD化するという画期的な構造でした。ミッドシップレイアウトにより前後重量配分50:50の理想的な配分を実現し、優れた走行性能と操縦安定性を達成しました。エンジンなどをフロア下に押し込んだことで、軽自動車の限られた全長を室内長に充てることができ、広い居住空間と高い運動性能を両立させることができました。
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初代ホンダ・zは1971年に「NEW HONDA Z」として2シリーズ8機種が発売されました。ダイナミックシリーズは36馬力のブラックトーンでスポーティな感覚の4タイプ、ゴールデンシリーズは31馬力のシルバートーンでソフトな感じの4タイプで構成されていました。最上級グレードには5速MTが用意され、スペシャリティカーらしい俊足ぶりをアピールしました。パワートレインは360cc直2空冷エンジンと、4速MTおよび3速ATの組み合わせでした。
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2代目ホンダ・zのパワートレインは、660cc直3 SOHCエンジン、およびインタークーラー付きターボ仕様の2種類のエンジンと4速ATの組み合わせでした。エンジンは直列3気筒で、ターボ仕様では最高出力64ps/6000rpm、最大トルク9.5kg-m/3700rpmを発揮しました。新車価格は111万円から135万円の設定で、当時の軽自動車としてはやや高めの価格設定でしたが、凝った設計の割には抑えられていました。全高1675mmという背高シルエットの角張った3ドアのSUVスタイルで、4人の乗員と荷物のためのスペースを確保していました。
参考)Z/ホンダ|スペック詳細 - みんカラ
現在のホンダ・z中古車市場では、平均価格が39.7万円で、最安価格20.0万円から最高価格75.0万円までの範囲で取引されています。年式別では1998年から2001年のモデルが主流で、中古車価格は20万円から75万円程度となっています。査定買取価格相場は、1998年モデルで1.9万円から9.5万円、2001年モデルで2.1万円から22.7万円程度です。
参考)https://www.goo-net.com/catalog/HONDA/Z/market/
中古車購入時の最も重要な注意点は、エンジン内部の状態確認です。オイル交換をサボっているとエンジン内部にスラッジがたまり、エンジンが焼付いてしまう危険性があります。軽自動車でも15万km走行していてもエンジンの中がキレイなものもあれば、5~6万kmでもスラッジやオイル焼けで中が汚いケースもあるため、購入前に必ず確認することが重要です。ミッドシップ4WDという特殊な機構のため、整備工場の選定も慎重に行う必要があります。
参考)https://www.honda.co.jp/auto-archive/z/2002/SP/concp.html
ホンダ・zの維持費は、軽自動車であることから比較的抑えられた水準になります。自動車税は軽自動車の区分で年間10,800円、重量税は車検時に2年分で6,600円程度が標準的です。車検基本費用は40,000円から55,000円程度を見込む必要があり、自賠責保険は2年契約で約20,000円となります。
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燃費に関しては、2代目ホンダ・zの実燃費は10km/L前後が一般的で、ターボモデルでは若干燃費が落ちる傾向があります。年間8,000km走行した場合のガソリン代は、レギュラーガソリン140円/Lで計算すると約112,000円程度になります。合計すると年間の維持費は約15万円から20万円程度となり、一般的な軽自動車と同等の水準です。ただし、ミッドシップ4WDという特殊な機構のため、メンテナンス費用が通常の軽自動車より高くなる可能性があります。
参考)https://kakaku.com/item/70100210531/
GAZOOのホンダZの詳細解説ページ - 名車特集として1970年代と1998年モデルの両方について詳しい情報が掲載されています
Honda公式アーカイブのZページ - メーカー公式の歴代Zのカタログ情報と中古車情報が確認できます
ベストカーWebのホンダZ特集記事 - UM-4機構の詳細な解説とミッドシップSUVとしての特徴が分かりやすく紹介されています
Honda公式のZスペシャルページ - 2代目ZのUM-4機構について詳細な技術解説とコンセプトが掲載されています

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