中古車市場におけるミライースの価格相場は、年式やグレード、走行距離によって大きく異なります。2017年5月発売の現行型(2代目)は25~179万円の幅広い相場を形成しており、一方の初代(2011年9月~2017年5月販売終了)は9~98万円となっています。最も人気があるのは現行型で、スマートアシストIIIを標準搭載していることから中古車市場でも需要が高い傾向です。
グレード別では、エントリーグレードのB"SA III"で基本車両価格が86万円に対し、中古市場では39~95万円程度で取引されています。一方、最上級グレードのG"SA III"は132万円の新車価格に対し、中古では39~149万円での取引例が見られます。この価格差は、購入当時の販売時期、前オーナーの使用方法、整備履歴の有無などが複合的に影響しています。
走行距離はミライースの中古価格において最も重要な要素のひとつです。カーセブンの買取実績から見ると、1万km未満の低走行車は5~94万円、1万~3万km未満でも5~110万円の価格帯が見込めます。5万km以内の低走行車は同年式の平均的な走行距離を持つ車両に比べて、10~20万円程度の上乗せ価格が期待できる傾向にあります。
一方、10万kmを超える多走行車でも、ミライースの実用性の高さから一定の需要が存在し、3~20万円程度の買取価格がつく傾向があります。ただし、この価格帯ではワンオーナー、禁煙車、整備記録簿の完備といった条件が評価を大きく左右します。タイミングベルトやウォーターポンプなどの主要部品交換履歴があれば、年式や走行距離の不利を補い、査定額を押し上げる要因になります。
年式による価格相場の変動パターンは明確です。2024年現在、2020年式は平均90万円前後、2019年式は80~90万円、2018年式は70~80万円、2017年式は60~70万円程度で推移しています。コストと性能のバランスを重視すると、5~7年落ち(2017~2020年式)の購入が最も有利とされています。この世代は、スマートアシストIIIが標準搭載され、燃費性能35.2km/L(JC08モード)を実現した現行型であり、価格も十分に下がっているからです。
一方、2014年7月以降の初代モデルは35.2km/Lの燃費を実現した高効率モデルとなっており、現在でも9~74万円の相場形成があります。燃費性能にこだわるなら、初代では2014年7月以降のモデルを選択することが重要です。ただし、年式が新しくなるほど中古価格も高くなるため、ガソリン代の削減効果で価格差を相殺できるかを計算してから購入判断することが賢明です。
グレード別の選択は、中古車購入において実は見落とされやすい要素です。B"SA III"は法人・商用利用を想定したグレードで、後席ドアの電動ウィンドウやUVカットガラス、キーレスエントリーが省略されており、装備が最小限に抑えられています。個人向けで最もシンプルなL"SA III"は、基本装備を備えつつ手頃な価格を実現しており、多くのユーザーに選ばれています。
中古市場でニーズが高いのはX"SA III"で、装備と価格のバランスが取れたモデルとして、平均相場よりも高めの取引価格が続いています。最上級グレードのG"SA III"は、チルトステアリング、後席ヘッドレスト、電動格納式ミラーなど快適装備が充実しており、安全運転に必要な適切なドライビングポジションを確保できます。
一般的に見落とされる点として、全グレードに標準搭載されるスマートアシストIIIの重要性があります。これは衝突被害軽減ブレーキに歩行者検知機能を備えた先進安全装備で、万一の事故時のリスク軽減に大きく寄与します。中古車購入時には、この装備搭載の有無を必ず確認することが、後悔のない購入判断につながります。
ミライースは「第3のエコカー」として軽量化とエンジンの高効率化にこだわった設計が特徴で、初代は30km/L、その後の改良により33.4km/L、現行型で35.2km/Lと段階的に燃費性能を向上させてきました。中古車購入時に燃費性能を重視する場合、旧型でも2014年7月以降のモデル選択が必須条件となります。
年間走行距離が多いユーザーであれば、現行型の35.2km/L(JC08モード)を実現した車両に多少高い価格を払うことで、ガソリン代の削減を通じた実質的なコスト削減が可能です。例えば、年間1万km走行時のガソリン代を計算すると、30km/L車との燃費差による年間節約額は数千円程度となり、購入価格の差分を相殺するには相当の距離走行が必要になる点を見落とすべきではありません。
一方、低走行ユーザーや年間走行距離が限定的な場合は、価格的に割安な初代の高燃費モデルでも十分な選択肢です。整備記録簿が完備されており、小まめなオイル交換が行われている個人売却の初代高燃費モデルは、価格と実用性のバランスが優れています。相場が上がりにくい時期(新型発表直後など)を狙うことで、さらに割安な購入が実現できる可能性があります。
中古車のダイハツ「ミライース」モデル別相場と正しい買い方の詳細解説グレード別の装備内容差、年式による燃費性能の段階的向上、整備記録簿の重要性など、ミライース選びに必要な情報が詳しく解説されています。
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ミライースのグレードの違いを徹底比較!おすすめの選び方B"SA III"からG"SA III"までの全グレードの装備内容の詳細比較、グレード選択のコツ、中古市場での人気の差などが解説されており、購入前の検討材料として有用です。