キーレスエントリー スマートキーの違いと選び方

車の鍵をより便利にするキーレスエントリーとスマートキーには、どのような違いがあるのでしょうか?仕組みや機能の差から、電池交換やセキュリティ面まで徹底解説します。あなたの愛車に最適な鍵はどちらでしょうか?

キーレスエントリー スマートキーの基本

この記事で分かること
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キーとスマートキーの違い

ドア開閉やエンジン始動の仕組みを比較。それぞれの特徴を理解できます。

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電池交換と緊急時対応

電池切れ時の対処法や交換手順を詳しく解説します。

🛡️
セキュリティと盗難対策

イモビライザーなどの盗難防止機能と注意点をご紹介します。

キーレスエントリーとスマートキーの違いとは


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キーレスエントリーとスマートキーは、どちらも車の鍵を便利にするシステムですが、操作方法に大きな違いがあります。キーレスエントリーは「キーレスエントリーシステム」と呼ばれ、リモコンのボタンを押すことでドアの施錠・解錠を行います。一方、スマートキーは「スマートエントリーシステム」を搭載しており、鍵をポケットやカバンに入れたままでも、ドアに近づく・触れるだけで操作が可能です。
参考)キーレスエントリーとスマートキーの違い

エンジンの始動方法にも明確な差があります。キーレスエントリーでは、ドアの開閉はボタン操作で行えますが、エンジン始動には従来通り鍵穴(キーシリンダー)にキーを差し込んで回す必要があります。対してスマートキーは、車内で鍵を携帯していれば、ブレーキを踏みながらエンジンスイッチ(プッシュスタートボタン)を押すだけでエンジンが始動します。
参考)車のスマートキーって何?キーレスとの違いを比較!使い方と注意…

つまり、キーレスエントリーは「ボタンを押して遠隔操作する鍵」であり、スマートキーは「鍵を取り出さずに車を操作できる鍵」という点が最大の違いです。スマートキーは、キーレスエントリーのさらに進化版と考えるとわかりやすいでしょう。
参考)車のスマートキーとは?キーレスとの違いや使い方について詳しく…

スマートキーの仕組みと電波通信

スマートエントリーシステムは、車とスマートキーが微弱な電波を互いに送受信することで機能します。車とスマートキーが一定距離(約半径0.5~1m以内)に入ると、車が電波を発信し、スマートキーがこれを受信します。続いてスマートキーが車に向けて電波を発信し、車がこの電波を受信することで、ドアの開錠・施錠やエンジンの始動が可能になります。
参考)キーレスエントリーの仕組みを解説!リモコンから飛ぶ電波の秘密

車両側には「車内LFアンテナ」(約125kHzの周波数帯)と「車内RF受信機」(約312.125MHzの周波数帯)などの装置が備わっており、異なる周波数を使用することでセキュリティを高めています。これらの電波は非常に弱いため、スマートキーを持った人が車から離れていても反応することはなく、見知らぬ人に車を操作されるリスクは低くなっています。​
キーレスエントリーの信号方式には「赤外線式」と「電波式」の2種類があります。初期のシステムでは赤外線式が採用されていましたが、リモコンを受信部に正確に向ける必要があり、障害物があると反応しない弱点がありました。現在は電波式が主流となり、より広範囲で確実な操作が可能になっています。
参考)キーレスエントリーとは?徹底解説

キーレスエントリーのリモコン操作方法

キーレスエントリーは、リモコンのボタンを押すことで車のドアを遠隔操作するシステムです。ボタンを押すと電波信号が車両に送信され、車両の受信機が暗号化されたコードを受け取ります。車両側のECU(電子制御ユニット)が受信したコードと車両の内部データを照合し、コードが一致するとECUがドアロックを解除する信号を送信します。​
キーレスエントリーは、従来の物理的な鍵よりも操作が簡単で、荷物で手がふさがっている時や雨の日でも快適に使えます。ただし、エンジンの始動には鍵穴にキーを差し込む必要があるため、完全なハンズフリー操作ではありません。この点が、プッシュスタート機能を持つスマートキーとの大きな違いとなっています。​
リモコンキーは、手に持って操作する必要があるため、紛失のリスクがスマートキーよりもやや高くなります。しかし、シンプルな構造のため電池寿命が比較的長く、コストも抑えられるというメリットがあります。​

スマートキーのメーカー別呼称と歴史

スマートキーの名称は、自動車メーカーによって異なります。トヨタは「スマートエントリー&スタートシステム」、日産は「インテリジェントキーシステム」、ホンダは「Hondaスマートキーシステム」と呼んでいます。スズキは「キーレススタートシステム」、スバルは「キーレスアクセスシステム」、三菱は「キーレスオペレーションシステム」、ダイハツは「キーフリーシステム」、マツダは「アドバンストキーレスエントリー&スタートシステム」という名称を採用しています。​
世界初のスマートキーは、1993年に発売されたシボレー・コルベットに搭載されました。当時は「パッシブ・キーレスエントリー・システム」と呼ばれていました。1998年にはメルセデス・ベンツSクラスに「キーレス・ゴー」として採用され、2000年以降から軽自動車にも標準装備が始まりました。​
技術の進化とともに、盗難防止機能とデザイン性を兼ね備えた車両も登場しています。外からドアノブの鍵穴が見えない設計の車も増えており、スマートキーは単なる便利機能から、車のセキュリティとデザインの重要な要素へと進化しています。​

キーレスエントリーとスマートキーの価格と普及状況

キーレスエントリーは、スマートキーの一世代前のシステムとして広く普及しました。現在では多くの車種で標準装備となっており、低価格帯の車両でも採用されています。一方、スマートキーは高級車を中心に導入が始まりましたが、技術の進歩とコストダウンにより、軽自動車を含む幅広い車種で標準装備となっています。​
スマートキーの複製や追加作成には、キーレスエントリーよりも高い費用がかかります。紛失した場合、車を購入した店舗で作成を依頼すると平均2万円程度の費用が発生します。予備のスマートキーを複製する場合も、1万円以上の出費が必要です。この点は、キーレスエントリーと比較してスマートキーのデメリットといえるでしょう。​
近年では、スマートキーが新車の標準装備となるケースが増加しており、キーレスエントリーのみを搭載する新車は減少傾向にあります。消費者の利便性への期待が高まる中、今後もスマートキーの普及はさらに進むと予想されます。​

両システムに共通するメカニカルキーの重要性

スマートキーには、緊急時に備えて「メカニカルキー(エマージェンシーキー)」と呼ばれる従来型の金属製キーが内蔵されています。電池切れや電子システムの不具合でスマートキーが反応しない場合でも、メカニカルキーを使って物理的にドアを解錠できます。
参考)https://sakaelock.jp/blog/case/smartkey/p17997/

メカニカルキーは、通常スマートキーのストラップ部分に収納されており、レバーを操作することで取り出すことができます。ただし、一部の車両ではメカニカルキーが収納されていないケースもあるため、購入時に確認することが重要です。万が一メカニカルキーがない場合は、鍵の専門業者に依頼して作成してもらうことができます。
参考)スマートキーにエマージェンシーキーが収納されていない!|広島…

最近の車両では、デザイン性を重視して鍵穴がドアノブの目立たない場所に配置されていることがあります。いざという時に慌てないよう、事前に鍵穴の位置を確認しておくことをおすすめします。メカニカルキーは、電子システムに依存しない最後の砦として、非常に重要な役割を果たしています。
参考)スマートキーが作動しない時、ドアはどうやって開ける? エンジ…

軽自動車におけるキーレスとスマートキーの選択

軽自動車でもスマートキーの搭載が一般的になってきました。従来は高級車にのみ採用されていたスマートキーですが、技術の進歩により軽自動車にも標準装備されるモデルが増加しています。スマートキーは、荷物が多い時や天候が悪い時でも手を使わずに車に乗り込めるため、特に利便性を重視するドライバーに人気です。​
軽自動車を選ぶ際には、キーレスエントリーとスマートキーのどちらが装備されているか確認することが大切です。予算を抑えたい場合はキーレスエントリーのみの車種を選ぶという選択肢もありますが、長期的な利便性を考えるとスマートキー搭載車を選ぶメリットは大きいでしょう。​
また、スマートキーには車内を遠隔操作で温めたり冷やしたりする機能が搭載されているモデルもあります。冬場の寒い日や夏場の暑い日には、エンジンを遠隔操作で始動させることで、乗車前に快適な車内環境を整えられます。このような付加機能も、スマートキーの大きな魅力といえるでしょう。​

電池交換時期と交換方法の実践ガイド

スマートキーの電池寿命は、使用状況にもよりますが約1~2年です。自動車メーカーの多くが1~2年間隔での電池交換を推奨しています。作動距離が不安定になったり、ボタンを押してもインジケーターが点灯しない場合は、電池切れのサインです。
参考)スマートキーの電池交換しても反応しない場合は?原因や対策方法…

電池交換は自分で行うことができます。まず、スマートキー側面のレバーを操作してメカニカルキーを取り出します。次に、メカニカルキーが入っていた穴にマイナスドライバーを差し込んでカバーを開けます。カバーに傷が付かないように、ドライバーに布を巻くことをおすすめします。
参考)Hondaスマートキーの取り扱いと電池交換

電池を取り外し、新しいボタン電池(多くの車種でCR2032)に交換します。電池の+と-を間違えないよう注意してください。カバーを確実に取り付けないと、耐水性能の低下や故障の原因となりますので、しっかりと閉めましょう。不安がある場合は、ディーラーや時計店、カメラ店で交換してもらうこともできます。​
スマートキーの電池交換について、より詳しい手順と注意点が解説されています。

電池切れ時の緊急対応手順

スマートキーの電池が切れても、車を動かすことは可能です。まず、スマートキーからメカニカルキーを取り出し、運転席側のドアの鍵穴に差し込んで解錠します。ドアの持ち手周辺に鍵穴がある場合が多いですが、最近の車では目立たない位置に配置されていることもあります。​
エンジンの始動も可能です。電池切れでエンジンがかからない理由は、車がスマートキーの存在を認識できないためです。この場合、スマートキーをエンジンボタンに近づけながらボタンを押すことで、車がスマートキーの情報を拾い、通常通りエンジンが始動します。
参考)スマートキーが反応しない原因は4つある!万一のときの対処法を…

ホンダ車の場合、ギアをパーキングに入れ、ブレーキを踏みながらメーカーエンブレムをスイッチに当て、スイッチの点滅を確認してから再度操作するという手順になります。メーカーによって対処方法が異なるため、事前に取扱説明書で確認しておくことをおすすめします。いざという時に慌てないよう、普段から手順を把握しておくことが大切です。​
Hondaスマートキーの電池交換と緊急時の対処法について、メーカー公式の詳細な情報が掲載されています。

電池寿命を延ばす効果的な保管方法

スマートキーの電池寿命を延ばすには、適切な保管方法が重要です。電子レンジやパソコンなど電磁波を発する家電のそばに保管すると、誤作動を引き起こし頻繁に電波を発するため、電池の消耗が早まります。スマートキーは電子機器から離れた場所に置くことで、無駄な電池消費を防げます。​
多くのスマートキーには「節電モード」が搭載されています。通常時は節電モードに設定し、車を使用する時だけ通常モードに戻すことで、電池寿命を大幅に延長できます。この方法は、電池の節約だけでなく、後述するリレーアタックと呼ばれる盗難リスクからも車を守ることにつながります。​
冬場は電池の電圧が低下しやすいため、特に注意が必要です。交換用のボタン電池を携帯しておくと、出先での電池切れにも対応できます。家電量販店やコンビニ、100円ショップでも購入できますので、予備を用意しておくと安心です。​

イモビライザーによる盗難防止機能

イモビライザーは、車両盗難を防止するための電子的なセキュリティシステムです。車本体と鍵にそれぞれ登録されているIDが一致した時のみエンジンが起動する仕組みで、由来は"immobilize(動かなくする)"という英単語です。鍵に組み込まれた「トランスポンダ」というICチップと車両側の装置が、ワイヤレスで通信してIDを電子的に照合します。
参考)イモビライザーキーとは?仕組みや特徴、合鍵複製について解説!

数百万通りにもなる高度に暗号化されたIDのコピーは不可能に近く、車両の盗難防止には非常に高い効果があります。自動車の盗難が多かったEU諸国では1990年代後半にイモビライザーの搭載が義務化され、その後車両の盗難件数が半減するという大きな防犯効果を挙げています。日本国内では2000年頃から多くの車種でイモビライザーが標準装備されるようになりました。​
イモビライザーは、従来のピッキング(特殊工具による鍵穴の不正解錠)や、別の鍵を加工して無理やり鍵穴を回すといった手口に対する強力な抑止力となります。たとえ犯人がドアロックを破って車内に侵入できたとしても、正規のIDコードを持つキーがなければエンジンを動かすことができず、短時間での乗り逃げを大幅に困難にします。
参考)イモビライザーの仕組みとは?盗難防止システムの最新動向 │ …

リレーアタックへの対策と注意点

スマートキーの普及に伴い、「リレーアタック」と呼ばれる新しい盗難手口が問題となっています。リレーアタックとは、車とスマートキーの電波を第三者が読み取り、ドアを開錠してエンジンを始動させる手法です。犯人は特殊な装置を使ってスマートキーの電波を中継し、あたかも正規の鍵が車の近くにあるかのように車を騙します。
参考)スマートキーを利用したリレーアタックの手口とは?大切な車を守…

リレーアタックによる盗難被害を防ぐには、スマートキーと車の送受信を第三者に拾われない工夫が必要です。盗難防止アイテムとして、スマートキーを保管する電波遮断ポーチが販売されています。このポーチにスマートキーを入れることで、外部からの電波を遮断し、リレーアタックを防ぐことができます。
参考)家の駐車場で車を盗まれる事例が多発!スマートキーの防犯対策は…

また、前述の節電モードを活用することも有効な対策です。節電モードでは電波の発信が抑えられるため、リレーアタックのリスクを減らすことができます。自宅の駐車場でも油断せず、スマートキーを玄関先に放置せず、電波遮断ポーチに入れて保管するなどの対策を講じましょう。​
トヨタ公式サイトでは、リレーアタックによる車両盗難に対する応急対策が詳しく解説されています。

ペースメーカー使用者への配慮事項

スマートエントリーシステムが使用する微弱な電波は、ペースメーカーに悪影響を及ぼすリスクがあります。独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の調査によると、スマートキーシステムのアンテナ部との距離が22cm以上離れていれば、双方が干渉するリスクは低いとされています。​
ペースメーカーとスマートエントリーシステムとの間では、他にも注意すべき事項がいくつか存在します。スマートエントリーシステムの車に乗る・乗らないに関わらず、ペースメーカーを使用している方や同乗者にペースメーカー使用者がいる場合は、事前に詳細を確認することが重要です。​
スマートキーを使用する際は、ペースメーカー使用者との距離に十分注意し、車のアンテナ部(ドアハンドル周辺など)に長時間近づかないようにすることが推奨されています。医療機関や自動車メーカーの指示に従い、安全に配慮した使用を心がけましょう。​

キーレスエントリーとスマートキーの使用上のトラブル防止策

スマートキーを使用する際は、いくつかの注意点を意識することでトラブルを防げます。まず、運転者がスマートキーを常に携帯することが重要です。エンジンをかけた後、鍵を持った人が車から離れると、エンジンが停止し警告アラームが鳴ります。エンジンが停止すると、スマートキーが車に戻り認識されるまで再始動できません。​
車内に人を残したまま鍵所有者が車を離れて自動ロックがかかると、車内に振動が加わり盗難防止アラームが鳴り響くリスクもあります。スマートキーは運転者のみが所有するように注意し、同乗者に預けないようにしましょう。また、エンジン始動後に鍵を車内に残したままでいると、見ず知らずの人に乗り逃げされるリスクも出てきます。​
スマートキーの紛失も大きなトラブルの一つです。JAFロードサービスの報告によると、キーの閉じ込みトラブルは年間約15万件も発生しています。鍵を意識しない時間が増えたことで、車内に鍵を閉じ込めてしまうケースが多発しています。車を降りる際は必ずスマートキーを携帯しているか確認する習慣をつけましょう。​

スマートキーとキーレスエントリーの未来の展望

技術の進化とともに、スマートキーはさらに高度な機能を搭載するようになっています。現在では、スマートフォンと連携して車を遠隔操作できるシステムも登場しています。スマートフォンアプリで車の位置を確認したり、エアコンを遠隔操作したりすることが可能になっています。​
また、顔認証や指紋認証など、生体認証技術を取り入れたシステムも研究開発が進んでいます。将来的には、物理的な鍵を持ち歩く必要がなくなり、運転者の生体情報だけで車を操作できる時代が来るかもしれません。セキュリティ面でも、より高度な暗号化技術やAIを活用した不正アクセス検知システムが導入されることが期待されています。

 

キーレスエントリーは徐々に姿を消し、スマートキーが標準となる流れは今後も続くでしょう。しかし、電子システムに依存しすぎることなく、メカニカルキーのような物理的なバックアップ手段を残すことも、安全性の観点から重要です。技術の進歩と安全性のバランスを保ちながら、より便利で安心なカーライフが実現されていくことが期待されます。​

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