ビュイックセンチュリーとはアメリカ高級自動車の象徴

ビュイックセンチュリーは1936年から続くGMのプレミアムモデルで、「銀行員のホットロッド」と呼ばれた初代から現在の中国専用ミニバンまで進化を遂げています。その歴史と魅力を知りたくありませんか?

ビュイックセンチュリーとは

ビュイックセンチュリーの特徴
🚗
高級ブランドの象徴

GMのキャデラックに次ぐプレミアムブランド

「銀行員のホットロッド」

上品な外観に高性能エンジンを搭載

🌏
約90年の歴史

1936年から現代まで続く名車系譜

ビュイックセンチュリーの誕生と名称の由来

ビュイック・センチュリー(Century)は、英語で「世紀」「100年間」を意味する言葉から名付けられた、GMのビュイックディビジョンで製造・販売されていた高級乗用車です 。初代モデルは1936年に登場し、ビュイックのシリーズ60の後継車種として位置づけられました 。
参考)ビュイック・センチュリー - Wikipedia

 

「センチュリー」という名称は、ゼネラルモーターズがビュイックブランドで先に使用を開始し、後にトヨタ自動車が同名車を発表することとなりました 。この名前は時代を超えて愛され続ける車を目指す意味が込められており、実際に約90年という長い歴史を持つ車名として定着しています 。
参考)【連載全18話】第18話 ビュイック・センチュリー & トヨ…

 

ビュイックはGM内でキャデラックに次ぐプレミアムブランドとして位置づけられ、センチュリーはそのミドルクラスを代表する重要なモデルとなりました 。
参考)2ページ目 - アメリカの3大自動車メーカー“ビッグスリー”…

 

初代ビュイックセンチュリーの革新的特徴

1936年から1942年まで製造された初代ビュイックセンチュリーは、自動車史において画期的な存在でした 。この車の最大の特徴は、より短いホイールベースのビュイック・スペシャルをベースにしながら、ビュイック最強の8気筒エンジンを搭載した点にあります 。
参考)ビュイックセンチュリーとは - わかりやすく解説 Webli…

 

エンジンスペックは圧倒的で、5.2L 直8エンジンが165hpを発揮し、95mphで走り続ける能力を備えていました 。これに対してベースとなったスペシャルは3.8Lエンジンで93hp程度の出力だったため、センチュリーの性能の高さが際立っています 。
この驚異的な性能により、初代センチュリーは「🏦銀行員のホットロッド」という愛称で呼ばれるようになりました 。上品で保守的な外観を持ちながら、内に秘めた圧倒的なパワーが、まさに銀行員のような紳士が乗るスポーツカーという意味で付けられたこの愛称は、現在でも自動車愛好家の間で語り継がれています。
戦時中の1942年モデルイヤー途中で生産が打ち切られるまで、センチュリーの累計生産台数はビュイック全体のおよそ10%にとどまりました 。

戦後復活と2代目ビュイックセンチュリーの進化

戦中・戦後のブランクを経て、1954年にビュイック・センチュリーは2代目として復活しました 。この復活劇は、ビュイックが自社ラインアップに高性能車を与える意向のもとに実現されたものです 。
2代目の基本コンセプトは初代と同じで、小型軽量なビュイック・スペシャルのボディに最大最強のエンジンを搭載する方針を継承しました 。搭載されたのは5.3L V8エンジンで、1954年には200hp、1955年には236hp、1956年には255hpと年々パワーアップし、モデル末期の1957年と1958年には6.0Lエンジンに換装され300hpにまで向上しました 。
この時期の特徴として、初代にはなかったステーションワゴンモデルがラインアップに追加されたことが挙げられます 。また、1957年から1958年にかけてはGM唯一のハードトップステーションワゴン「センチュリーキャバレロ」が設定され、現在でも希少なクラシックカーとして高い価値を持っています 。
興味深いエピソードとして、1955年にカリフォルニア州高速警察が一般向けには用意されなかった特製の2ドアセダンを大量発注したという記録が残っています 。
1959年、センチュリーはインビクタに改名され、一度その名前は消えることになりました 。

日本導入時のビュイックセンチュリー商標問題

ビュイック・センチュリーの日本導入には興味深い商標問題が存在しました 。本国アメリカでは「センチュリー」として販売されていた3代目以降のモデルですが、日本市場への導入時に大きな障壁となったのが、トヨタ自動車が既に「センチュリー」の商標権を取得していたことでした 。
参考)ビュイック・リーガル・エステートワゴン (Buick Reg…

 

この商標権の問題により、日本ではビュイック・センチュリーを「リーガル」の名称で販売することになりました 。しかし、これは実際には本国でのセンチュリーと同じ車両であり、ベースとなるリーガルの上級仕様として位置づけられていたモデルでした 。
参考)ビュイック・リーガル - Wikipedia

 

特にエステートワゴン(ステーションワゴン)は日本で大きなブームを巻き起こし、「ウッディワゴン」として親しまれました 。ヤナセが正規インポーターとして輸入していた時代もあり、映画などにもよく登場する馴染み深い存在となりました 。
このような経緯により、日本の自動車愛好家の間では「ビュイック・リーガル」として知られているモデルの多くが、実際には本国では「センチュリー」として販売されていたという、やや複雑な状況が生まれています 。

現代のビュイックセンチュリー中国専用ミニバンモデル

2022年11月、ビュイック・センチュリーは全く新しい形で復活しました 。GMの中国現地合弁会社である上海通用が発表した新型センチュリーは、従来のセダンとは全く異なる超高級ミニバンとして生まれ変わりました 。
参考)中国の「センチュリー」のライバルは「レクサスLM」だった!?…

 

新型センチュリーのボディサイズは圧倒的で、全長5230mm×全幅1980mm×全高1867mm、ホイールベース3130mmという大型サイズを誇ります 。これはトヨタ・アルファードよりもひと回り大きく、かつて日本で販売されていたグランエースと同等の車格です 。
参考)【中国】斬新「センチュリー“ミニバン”」に注目! “アルファ…

 

このモデルは中国の富裕層や政財界リーダーなど「新時代の上級ユーザー層」をメインターゲットに据え、3列シート6人乗り、3列シート7人乗り、さらに2列シート4人乗り仕様まで用意されています 。
参考)超高級「href="https://kuruma-news.jp/post/910915" target="_blank">https://kuruma-news.jp/post/910915quot;ミニバンhref="https://kuruma-news.jp/post/910915" target="_blank">https://kuruma-news.jp/post/910915quot;センチュリー」がスゴい! 豪華インテリア…

 

エクステリアデザインは、ビュイックの新世代デザイン言語「PURE Design」に基づいており、特徴的な逆L字型LEDヘッドライトと一文字型テールライトが採用されています 。内装には「走るスイートルーム」と称される豪華な装備が満載され、中には「プラネタリウム」機能まで搭載された仕様も存在します 。
参考)超高級! 斬新「センチュリーhref="https://kuruma-news.jp/post/834645" target="_blank">https://kuruma-news.jp/post/834645quot;ミニバンhref="https://kuruma-news.jp/post/834645" target="_blank">https://kuruma-news.jp/post/834645quot;」がスゴイ! href="https://kuruma-news.jp/post/834645" target="_blank">https://kuruma-news.jp/post/834645quot;全長…

 

ビュイック・センチュリーの詳細な歴史と各世代の特徴
トヨタ・センチュリーとの名称比較と自動車史における意義