スズキビターラ日本発売2025年夏予定BEV世界戦略車

スズキ初のBEV「eビターラ」が2025年夏に日本発売予定。新開発プラットフォーム「HEARTECT-e」採用で電動4WD「ALLGRIP-e」搭載。エスクードとの違いや価格、スペックは?

スズキビターラ日本発売

スズキeビターラ日本発売の全貌
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2025年夏発売予定

スズキ初のBEV世界戦略車として欧州、インド、日本で順次展開

新開発プラットフォーム

BEV専用「HEARTECT-e」採用で電動4WD「ALLGRIP-e」搭載

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高性能バッテリー

61kWhの大容量バッテリーでFFと4WDをラインアップ

スズキビターラ発売時期と市場戦略

スズキが2024年11月にイタリア・ミラノで発表した「eビターラ」は、同社初となるバッテリーEV(BEV)の量産モデルとして、2025年夏頃から日本を含む世界各国で順次発売される予定です。この新型eビターラは、スズキのBEV世界戦略車第1弾として位置づけられており、2025年春よりインドのスズキ・モーター・グジャラート社で生産を開始します。

 

発売スケジュールを詳しく見ると、まず欧州市場から展開が始まり、続いてインド、そして日本市場へと順次導入される計画となっています。日本国内では2025年度中の発売が予定されており、一部の情報では2025年10月頃の発売も示唆されています。

 

興味深いのは、この新型eビターラがトヨタにも「アーバンクルーザー」としてOEM提供されることが発表されている点です。これにより、ブランドを横断して電気自動車の魅力をアピールする戦略的なモデルとなることが期待されています。

 

スズキビターラ新開発プラットフォーム技術

新型eビターラの最大の特徴は、BEV専用に新開発されたプラットフォーム「HEARTECT-e」の採用です。このプラットフォームは、軽量な構造、高電圧保護、ショートオーバーハングによる広い室内空間を実現しており、従来のガソリン車用プラットフォームからの転用ではない、完全な新規開発となっています。

 

メインフロアの設計では、フロア下メンバーを廃止することで電池容量を最大化する工夫が施されています。この技術により、61kWhという大容量バッテリーの搭載が可能となり、十分な航続距離を確保しています。

 

電動4WDシステム「ALLGRIP-e」の搭載も注目すべき点です。このシステムは、悪路での走破性のみならず、よりパワフルな走りを提供する設計となっており、スズキが長年培ってきた4WD技術の電動化版として期待されています。

 

スズキビターラデザインと装備仕様

新型eビターラのデザインは、「High-Tech & Adventure」をテーマに、BEVの先進感とSUVの力強さを併せ持つ、冒険心を刺激する力強い佇まいを実現しています。エクステリアは大径タイヤとロングホイールベースを特長とした存在感のあるデザインとなっており、従来のスズキ車とは一線を画す洗練された仕上がりです。

 

ボディサイズは全長4275mm×全幅1800mm×全高1635mmとなっており、これはフロンクスよりもひとまわり大きいサイズ感です。特に注目すべきは、おそらくスズキ初となる19インチホイールの採用で、タイヤサイズは225/50R19となっています。

 

アルミとホイールキャップを組み合わせた空力重視のホイールデザインは、BEVらしい先進性を表現しており、従来のスズキデザインから大幅にレベルアップした仕上がりとなっています。クラムシェルボンネットなど、エスクードらしさを残している部分もあり、ブランドの継続性も感じられる設計です。

 

スズキビターラとエスクード比較分析

多くの人が疑問に思うのが、新型eビターラと従来の「エスクード」との関係性です。ビターラという名称は、日本で長らく主力SUVとして販売していた「エスクード」の海外モデルで用いられていた名前です。しかし、新型eビターラは単純なエスクードのEV版ではありません。

 

最も大きな違いは、新型eビターラがBEV専用の新開発プラットフォーム「HEARTECT-e」を採用している点です。これは現在販売されているエスクードとは全く異なる新規開発車であることを意味しています。パワートレインも電動4WD「ALLGRIP-e」を搭載し、従来のガソリンエンジンとは根本的に異なるアプローチを取っています。

 

デザイン面でも、新型eビターラは「Emotional Versatile Cruiser」をコンセプトとした全く新しいデザイン言語を採用しており、エスクードの延長線上にあるモデルではなく、スズキの新たな電動化戦略を体現するモデルとして位置づけられています。

 

スズキビターラ価格予想と市場競合力

新型eビターラの価格については、まだ正式な発表はありませんが、スズキの鈴木俊宏社長が「適正価格で勝負する」と発言していることから、一般消費者が購入しやすい価格帯での展開が期待されています。

 

BEVコンパクトSUV市場では、テスラ モデルYやヒョンデ IONIQ 5、日産アリアなどが競合として挙げられますが、これらのモデルは400万円から600万円台の価格帯となっています。スズキが「適正価格」を謳うことから、300万円台後半から400万円台前半での価格設定が予想されます。

 

61kWhという大容量バッテリーを搭載し、電動4WD「ALLGRIP-e」を備えながらも、スズキらしいコストパフォーマンスの高さを実現できれば、BEV市場での競争力は十分に期待できるでしょう。特に、トヨタへのOEM提供も決まっていることから、量産効果による価格競争力の向上も見込まれます。

 

また、政府のEV購入補助金制度を活用すれば、実質的な購入価格はさらに抑えられる可能性があり、BEV普及の一翼を担うモデルとして注目されています。スズキが長年培ってきた軽自動車での価格競争力を、BEV市場でも発揮できるかが成功の鍵となりそうです。