試乗車として使われたホンダ車は、新車より10〜20%安く買えると知られています。でも、こんな事実を知っていますか?
試乗車を買うと、売るとき「2オーナー車」扱いになり査定額が数万円単位で下がります。
ホンダの試乗車は、新車登録から6ヶ月〜1年ほどで中古車として販売されます。車両価格は一般的に新車価格の10〜20%引きになるケースが多く、たとえば新車価格200万円のフィットなら160〜180万円程度で購入できるイメージです。これは確かに魅力的な数字ですね。
ただし、注意すべき点があります。試乗車であっても、購入時には自動車取得税・自賠責保険・登録費用・諸手続き費用などがかかります。これらを合算した「支払総額」で比較すると、新車との差額が思ったより小さくなるケースがあるのです。
「車両価格が安い」と飛びつく前に、諸費用の総額確認が条件です。ディーラーに行く際は、必ず支払総額の内訳を書面で提示してもらいましょう。費用の内訳が曖昧なまま進めてしまうと、後から想定外の出費が発生することになります。
さらに、試乗車は原則として大きな値引き交渉が難しい点も覚えておきましょう。一般の中古車販売では値引き交渉がある程度通りますが、ディーラー直販の試乗車の場合、すでに中古車相場を踏まえた価格設定になっているため、さらなる値引きは期待しにくい状況です。車両価格が安い分、値引き余地は少ないと思っておくのが賢明です。
| 購入方法 | 車両価格目安 | 値引き交渉 | 諸費用 |
|---|---|---|---|
| 新車 | 定価 | 10〜20万円程度可能 | 通常どおり |
| 試乗車(ディーラー) | 新車比10〜20%引き | ほぼ難しい | 通常どおり |
| 試乗車(中古車専門店) | ディーラーより安い傾向 | 交渉余地あり | 店舗による |
参考:試乗車の購入メリット・デメリットや値引き事情をわかりやすく解説しています。
試乗車の購入はやめた方がいい?メリット・デメリットや出回る時期 | norico
試乗車落ちのホンダ車が市場に出回るタイミングは、大きく2パターンあります。1つ目は「新車登録から6ヶ月〜1年後」、2つ目は「フルモデルチェンジ・マイナーチェンジのタイミング」です。特に2つ目は狙い目です。
ホンダでは2023年にN-BOXがフルモデルチェンジを行い、旧モデルの試乗車が一斉に市場へ流れました。このようなモデル切り替え時期には、比較的状態の良い試乗車が一気に出回ります。これは使えそうです。
ただし、人気車種の試乗車落ちはすぐ売れる、という現実があります。N-BOXやフィットはホンダの販売台数上位常連モデルで、試乗車落ちとして出た瞬間に問い合わせが殺到することも少なくありません。欲しい車種が決まっているなら、ディーラーや中古車情報サイトをこまめにチェックする習慣をつけておきましょう。
また、軽自動車の試乗車(N-BOXなど)は普通車より流通量が多いという特徴があります。軽自動車のディーラー店舗数が多く、それぞれが試乗車を保有しているためです。一方、フィットやヴェゼルのような普通車・SUV系は相対的に台数が少なくなります。狙う車種によって探し方の戦略を変えるのが得策でしょう。
参考:ホンダ公式の展示・試乗車検索ツールで全国のホンダ販売店の試乗車在庫を確認できます。
試乗車の走行距離は一般的に数百km〜5,000km程度です。一般的な車の年間走行距離が8,000〜10,000km前後であることを踏まえると、試乗車の走行距離は「1年の走行量の半分以下」であることが多い計算になります。走行距離の少なさは魅力的です。
ただし、走行距離の「少なさ」だけを理由に安心してはいけません。試乗車には不特定多数のドライバーが短距離で乗り込むため、急加速・急ブレーキが繰り返されていることがあります。短距離走行の連続はエンジンに負担をかけやすく、タイヤやブレーキパッドの摩耗も通常より進んでいるケースがあるのです。部品の状態確認が必須です。
車検残期間についても確認が必要です。試乗車は公道走行のため新車登録時に車検を取得しており、販売時点ですでに半年〜1年が経過しています。つまり、新車として登録されてから購入するまでの期間分、車検の残存期間が短くなっています。購入してすぐに車検費用が発生するケースもあるため、車検残期間は必ず確認しましょう。
実際に店舗に行った際のチェックポイントをまとめました。
また、購入前に必ず試乗するようにしましょう。「試乗車を買うために試乗する」という行為は一見おかしく感じるかもしれませんが、現状の走行状態を自分の目と体で確かめることは、後悔のない購入につながります。
ホンダの新車メーカー保証は、初度登録日から一般保証が3年・6万km、特別保証が5年・10万kmです。試乗車は新車登録済みですが、初度登録から3年以内であれば、名義変更と所定の手続きを行うことでこのメーカー保証を継承することができます。つまり、保証が条件です。
ただし、保証継承には「購入後、ホンダディーラーで点検を受ける」という手続きが必要です。これを怠ると、残存保証期間があっても保証が無効になってしまいます。購入時にディーラーへ「保証継承の手続きを忘れずにお願いします」と一言確認しておくのが賢明です。
試乗車を中古車専門店で購入した場合は、保証継承の手続きを自分でホンダディーラーに持ち込んで行う必要があります。ディーラー経由で購入した場合は、ディーラーが代行してくれることが多いですが、念のため確認しましょう。
メーカー保証が終了した後も安心して乗り続けたい場合は、ホンダの延長保証「マモル」の加入を検討する価値があります。マモルはメーカー保証終了後も同等内容の保証を延長して提供するサービスで、万一の故障時に修理費用の自己負担を大幅に抑えられます。
保証継承のリスク(手続き漏れで保証無効)を避けるためには、購入後すぐにディーラーへ連絡を取るのが最善策です。
参考:ホンダのメーカー保証内容・継承手続きの詳細はホンダ公式で確認できます。
試乗車落ちの車を購入すると、自分は「2番目のオーナー」になります。これは多くの人が見落としているデメリットです。売却時に「ワンオーナー車」として売れなくなるのです。これは痛いですね。
中古車市場では、ワンオーナー車(初度登録から一貫して同じオーナーが所有していた車)は整備・使用履歴が追いやすいため、評価が高くなる傾向があります。同じ年式・走行距離・車種でも、ワンオーナー車とそうでない車では査定額に差が出ることがあります。
たとえば、走行距離3万km未満の高年式ホンダ車でも、オーナーが変わっているというだけで査定評価が下がるケースがあります。具体的な金額差はモデルや状態によって異なりますが、数万円単位で差が生じることは珍しくありません。3〜5年後に売却を考えているなら、この点は要考慮です。
つまり、「試乗車を安く買えた分、売却時に損をする可能性がある」という構造があるわけです。結論は「乗り潰す予定の人に向いている」ということです。車を長く乗り続けるつもりであれば気にする必要はありませんが、数年以内に乗り換えを予定している方は、購入前にこのトレードオフを頭に入れておきましょう。
また、試乗車は「グレードやカラーを選べない」という制約もあります。ホンダのディーラーが試乗車として用意するのは、上位グレードや人気カラーが多い傾向にありますが、自分の希望する仕様ではないことが多いです。「ボディカラーにこだわりたい」「特定のオプションを付けたい」という方には、正直なところ試乗車購入はあまり向いていません。
参考:試乗車落ちのデメリットやワンオーナー車との違いについて詳しく解説されています。
試乗車の購入は本当にお得?メリット・デメリットやチェックポイントを解説 | NEXTAGE
ここまで読んできた方であれば、「試乗車はお得だけど、条件によっては向き不向きがある」ということが理解できたはずです。最後に、ホンダの試乗車購入で後悔しないために特に意識してほしい、あまり語られない独自の視点をお伝えします。
まず、「ディーラーに掲載される前に情報が流れている」という現実を知っておきましょう。ホンダのディーラーで試乗車が売りに出る際、ネットへ掲載される前に常連客や来店歴のあるお客様へ優先的に案内されることがあります。チラシやWebに出た時点では、すでに成約済みのケースもあるのです。試乗車を狙うなら、定期的にディーラーへ顔を出して「試乗車が出たら教えてください」と一言伝えておくのが、最も確実な方法のひとつです。
次に、「試乗車の走行履歴は意外と分かる」という点です。車検証には初度登録年月日と現在の走行距離が記録されています。また、整備記録簿(メンテナンスノート)にはオイル交換・点検の履歴が残っていることが多く、どのような管理がされていたかを確認するヒントになります。整備記録簿は必ず確認しましょう。
さらに、「ホンダCars直販か中古車専門店かで価格と保証が変わる」という選択肢の違いも見逃せません。ホンダCars(正規ディーラー)から購入する場合は、価格がやや高めですが保証継承や整備の信頼性が高いです。一方、中古車専門店ではディーラーより安い価格で見つかることがありますが、保証継承の手続きを自分で行う必要があります。どちらが自分に合っているか、価格と安心感のバランスで判断しましょう。
最後に全体を整理しておきましょう。ホンダの試乗車購入は「高年式の人気車種を早期に・安く手に入れたい」人にとって有効な選択肢です。ただし、支払総額・車検残・保証継承・売却時の査定という4つの視点を必ずセットで確認することが、後悔しない購入の鍵になります。
参考:ホンダのメーカー保証延長サービス「マモル」の詳細は公式ページで確認できます。