カーテンを閉めたまま走ると、普通車で反則金6,000円+違反点数1点が科されます。
車中泊用カーテンを自作することの最大の魅力は、コストの大幅な削減にあります。市販の車種専用カーテンは1枚あたり数千円〜1万円以上になることも珍しくありません。一方、100均の突っ張り棒・カーテンクリップ・生地を組み合わせれば、全窓カバーしても1,500円〜3,000円前後で仕上げることが可能です。
遮光性にこだわってニトリの遮光カーテンを使ったとしても、先述の通り材料費トータル9,000円程度に収まります。市販の専用品は品質が高い分、車によっては「そもそも販売されていない」ケースもあるため、自作が唯一の選択肢になることも少なくありません。
自作のもう一つのメリットは、自分の車のサイズや形状にぴったり合わせられることです。セダン・ミニバン・軽バン・SUVなど、窓の形が千差万別な中で、既製品では隙間が生じがちです。自作なら「RAV4のリアウィンドウ」「ハスラーのスライドドア」など、車固有の形状に合わせてカットできます。隙間なし、が基本です。
デメリットとして挙げるとすれば、完成度の見た目が市販品に及ばない場合があること、生地や取り付け金具の選定に多少の知識が必要なことです。ただし、後述するように取り付け方法を正しく選べば、初心者でも1〜2時間で完成します。これは使えそうです。
市販品と自作品の差を整理すると、こんな感じです。
| 項目 | 自作 | 市販専用品 |
|------|------|-----------|
| コスト | 1,500円〜 | 5,000円〜 |
| フィット感 | 任意調整可 | 車種次第 |
| 遮光性 | 生地次第 | 高い |
| 取り付け難度 | 低〜中 | 低 |
| 見た目 | やや劣る場合あり | きれい |
材料選びが自作カーテンの出来を大きく左右します。以下に主要な材料と選び方をまとめます。
まず「カーテン生地」の選択が最重要です。生地には大きく分けて2つの選択肢があります。遮光性を最優先するなら黒色の「遮光カーテン生地」、コストを最優先するなら100均の薄手布でも対応できます。ただし、外から車内のシルエットが透けて見えると目隠しの意味をなさないため、少なくとも「遮光1級相当」を意識しましょう。ニトリで1枚2,000円程度のカーテンを購入すると、縫製がしっかりしていて扱いやすいです。
取り付け用の「突っ張り棒」は、ダイソーなどで1本110〜220円で購入可能です。窓枠の幅に合わせて伸縮するタイプを選べば、車種を問わず使えます。Bピラー(前後座席間の柱)に押し当てるかたちで固定するため、車に穴を開ける必要が一切ありません。
「面ファスナー(マジックテープ)」方式では、幅1〜2cmの粘着式面ファスナー(フック面のみ使用)を窓枠の外周に貼り付け、そこにループ状の布地を直接くっつけます。工程がシンプルかつ縫製不要で、不器用な方でも失敗しにくい方法です。布地は「トイニット」のように伸縮性があり面ファスナーにくっつく素材を選ぶのがコツです。
その他の必要材料をリストアップすると。
- ダブルクリップ(6〜8個セット):ポールをピラーに固定するために使用
- 金属製洗濯クリップ:テールゲートなど特殊な箇所の固定に使用(ペンチで形を調整)
- パーツクリーナー(シリコンオフ):面ファスナーを貼る前の窓枠の脱脂処理用
- カーテンクリップ:突っ張り棒に布を吊るすためのリング状クリップ
材料の多くは100均で揃えられるので、まずダイソーやセリアで一通り見てみるのがおすすめです。
参考までに、ホンダアクセスの公式ブログでは、RAV4での自作事例を写真付きで詳しく解説しています。車種ごとのピラーの使い方や材料の選定が具体的に紹介されていて、参考になります。
車中泊カーテンの自作方法を写真付きで詳しく解説(Honda公式)。
車中泊でカーテンを使うと快適に! 100均、ニトリアイテムを使った自作方法を紹介 | かえライフ
自作カーテンの取り付け方は大きく3つに分かれます。それぞれの手順と特徴を解説します。
① 突っ張り棒方式(最もポピュラー)
最もシンプルな方法です。手順は以下の通りです。
1. 窓の幅を測り、対応サイズの突っ張り棒を用意する
2. 突っ張り棒にカーテンクリップを通し、生地を吊り下げる
3. ピラー(柱)に棒の両端を押し当てて固定する
4. 長さが余る場合は裾上げテープでカットする
作業時間は慣れれば1本あたり約5分。後部座席のサイドウィンドウ2枚 + リアウィンドウ1枚で計3本が必要になるのが一般的です。突っ張り棒が突っ張るには、両サイドに押し当てる「壁」が必要なので、ピラーレス車(Aピラーがほぼないデザインの車)では別の方法を検討してください。
② 面ファスナー(マジックテープ)方式
縫製不要で不器用さんに向いた方法です。手順は以下の通りです。
1. 脱脂スプレー(パーツクリーナー)で窓枠の外周を拭いて汚れと油分を除去する
2. 粘着式面ファスナー(フック面)を窓枠外周に貼る
3. 面ファスナーにくっつく素材の生地(トイニット等)を窓より少し大きめにカットして貼り付ける
脱脂を怠ると面ファスナーの粘着力が落ちて、1ヶ月もしないうちに剥がれてきます。脱脂が条件です。生地は窓より若干大きめにカットしておいて、貼り付けてから余った部分をカッターで切り落とすのがコツです。
③ ピラー+ダブルクリップ方式
磁石も吸盤も効かない車(最近のSUVに多い)向けの方法で、金属ピラーにダブルクリップを差し込み、そこにポールを引っかけます。ポールにカーテンを通した後、クリップをBピラー・Cピラーに差し込む順番が作業のコツです。取り外しも1〜2秒で完了するため、走行前に外すのが習慣になります。
裁縫不要の面ファスナー方式の詳細な手順は、CAMP HACKの記事で豊富な写真とともに解説されています。
縫製不要の自作カーテンDIY方法(CAMP HACK)。
ざっくり寸法で大丈夫!不器用でも失敗しない「車中泊用カーテン」の自作方法 | CAMP HACK
ここが最も重要なポイントです。車にカーテンをつけること自体は違法ではありませんが、「どこに」「どんな状態で」取り付けるかによって、明確に違反になります。
道路交通法第55条第2項では、「運転者の視野を妨げる乗車または積載」を禁じており、これがカーテン取り付けに適用されます。具体的に違反になるのは以下の場面です。
- 運転席・助手席の窓(フロントサイドガラス)にカーテンを取り付けたまま走行する
- カーテンが閉じた状態でフロントガラスの一部を覆う
- 後部座席のカーテンを閉じたまま走行し、バックミラー・後方視界を妨げる
反則金は普通車で6,000円、大型車で7,000円、違反点数は1点です(乗車積載方法違反)。佐賀県警や富山県警も公式サイトで注意喚起を行っています。
つまり違反になるのは「走行中」に限られます。停車して眠る車中泊のシーンでは、全窓にカーテンを閉めても法的な問題はありません。走行前に必ず外す、が原則です。
リアウィンドウへのカーテン取り付けは法律上違法ではなく、閉めたまま走行しても問題ないとされています。ただし後方視界が下がるため、安全のためには開けたまま走行する習慣をつけると良いでしょう。
違反と法律の解説について詳しくはこちら(佐賀県警察本部の公式案内)。
カーテン等を付けた状態での運転は交通違反です! | 佐賀県警察本部
走行中にカーテンを取り付けたまま走るリスクを防ぐため、着脱が素早くできる突っ張り棒方式やピラー+クリップ方式を選ぶのは合理的な判断です。面ファスナー方式は取り外しに少し手間がかかるため、前席まわりには向きません。取り付け方式ごとに設置場所を使い分けると便利です。
多くの人がカーテンを「目隠し専用」として使っていますが、素材を工夫するだけで断熱・防寒効果も得られます。これが意外と盲点です。
一般的に車中泊では、窓から体感温度が下がる最大の要因が「冷輻射(冷えた窓面からの放射冷却)」です。断熱シェードを超簡単DIYした場合、シェードを付けない窓と比べて車内温度が最大10℃近く変わるとも言われています。カーテン一枚でこの差が出るなら、素材選びを真剣に考えるべきです。
素材ごとの特徴を整理すると。
| 素材 | 遮光性 | 断熱性 | 重量 | コスト感 |
|------|-------|-------|------|---------|
| 遮光ポリエステル | ◎ | △ | 軽 | 低〜中 |
| フリース | ○ | ◎ | やや重 | 低 |
| アルミシート | △ | ◎ | 軽 | 低 |
| 遮光+アルミ二重 | ◎ | ◎ | やや重 | 中 |
フリース素材は冬の車中泊で特に効果的です。ハスラーを使った車中泊者が「寒い時期の冷気対策にフリースでカーテンを作った」という事例も多く見受けられます。フリースは面ファスナーに非常によくくっつく素材でもあるため、面ファスナー方式のカーテンには相性抜群です。
アルミシートは断熱効果が高い一方で遮光性が低く、光を通してしまいます。そのため「アルミシートを内側に、遮光布を外側に」という二重構造にするのが最も効果的です。市販品でいえばホンダ純正の「プライバシーシェード」がこの構造に近い設計になっています。
断熱素材のアルミシートと布の二重構造DIYについて詳しくはこちら。
【DIY】簡単!ハイクオリティーな車中泊用シェードの作り方 | Honda
さらに見落とされがちな点が「結露対策」です。断熱性の低いカーテンだと窓ガラスとカーテンの間に温度差が生じ、結露が起きやすくなります。結露が繰り返されると、カーテン生地にカビが生え、最悪の場合はカーテン自体を作り直す手間と出費が発生します。痛いですね。フリースやアルミシートを窓側に配置することで、窓とカーテン間の温度差を縮めて結露を抑制できます。結露対策が条件です。
冬の車中泊に最適な素材の組み合わせは「外側:遮光ポリエステル(黒色)+内側:フリースまたはアルミシート」です。この二重構造にすることで、遮光・断熱・結露防止の三役をカーテン1枚に集約できます。コストも、どちらの素材も100均やホームセンターで数百円から手に入るため、余分な出費なしで快適性を大きく向上できます。

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