かつて営業車や配送用のバンとして、街中で見かけることはあっても「自家用車として乗る」という選択肢は少なかったプロボックス。しかし、近年のアウトドアブームや車中泊文化の拡大にともない、この商用バンが「かっこいい」と評価される存在へと変わりました。
その理由は、プロボックスのシンプルながら洗練されたデザインにあります。2002年の販売開始以来、ロボットのような丸みのあるレトロフォルムは、ペールトーン系のボディカラーと組み合わせるとSUVテイストへと進化します。また、オールペイント、リフトアップ、マッドタイヤといったカスタムパーツが豊富に流通するようになったことで、個性的な愛車に仕上げやすくなったのです。
トヨタ販売店の話によると、プロボックスはハイエースに比べて「運転感覚が乗用車に近い」という点が大きなメリット。背が低いため立体駐車場も利用でき、横風にも強く高速道路の長距離移動も安心です。こうした実用性とデザイン性の両立が、プロボックスが「かっこいい車」として認識される背景にあります。
プロボックスのカスタムシーンにおいて、最も人気の高い二大要素が「リフトアップ」と「オールペイント」です。これらのカスタムを施すことで、プロボックスは見違えるほどに魅力的なアウトドア車へと変身します。
従来のプロボックスカスタムは2インチのリフトアップに195/14インチの大径タイヤを装着するのが主流でしたが、近年は4インチという大胆なリフトアップ量を採用するカスタム店も増えています。この4インチアップ（約10cm）により、ホイールハウスとボディのバランスが大幅に改善され、より力強い見た目を実現します。
オールペイント施工では、元の白いボディを艶消しやマットカラーへ変更するケースが多く見られます。特に人気なのが、ケスウィックグリーン、サンドベージュ、セージグリーンといった落ち着いた単色塗装です。フロントエンブレムの穴埋めやフロントバンパーの黒パーツを同色でペイントすることで、統一感の取れたハイセンスなプロボックスが完成します。
これらのカスタムは単なる外観の変更にとどまりません。カスタム専門店では、サスペンションのバネレートやショックアブソーバーの減衰を純正を上回るようセッティングし、リフトアップ後も元々の走行性能を保つよう工夫しています。結果として、コーナーリング時のロールやふらつきが抑制され、直進安定性や路面の凹凸への対応も維持されるのです。
プロボックスのカスタムに初めて挑戦する方のために、複数のカスタム専門店ではお得なパッケージを用意しています。例えば、「ライトセット」と呼ばれる3パーツ組み合わせは、リフトアップ、カラーリング、ライトの施工をセットで765,160円（税込）とお手軽な価格点で提供されています。
このようなセット割引が実現する背景には、複数の作業を同時に行うことで、脱着作業を一度で完結させ、効率化を図るという工場側のメリットがあります。結果として、個別に施工するより大幅にコストダウンが実現され、ユーザーにとって非常に魅力的なオプションとなっているのです。
セット内容は「リフトアップ＋タイヤ・ホイール交換」「カラーリング」「ヘッドライトやポジションライト交換」など、複数の組み合わせから選択可能。自分の予算とこだわりに応じて、理想のプロボックスカスタムプランを組み立てることができます。
注目すべき点は、新車プロボックスをベースにこれらのカスタムを施したパッケージも登場していることです。新車なら車検が2年有効で、メーカー保証も付帯するため、安心してカスタム車を楽しめます。
プロボックスが注目を集めるもう一つの理由が、車中泊仕様へのカスタムです。商用バンとして設計されたプロボックスの荷室は、スペース効率を最大化するための工夫が随所に施されており、これが車中泊に驚くほど適していることが判明しました。
全長4,245mmのコンパクトボディに対して、最大積載量は2名乗車時で400kgを実現。リアシートはクッション性が少なく、折りたたむと完全なフラットな荷室になります。この特性により、大人2人が並んで眠れるスペースが確保でき、アウトドア愛好家やキャンパーから高く評価されています。
ハイブリッド車も2018年からラインアップに加わり、優れた燃費性能で長距離走行にも対応。キャンプや釣り、DIYなど、幅広いレジャーで活躍します。車中泊仕様の場合、ベッド用マットの敷設、照明設備、ポータブル冷蔵庫の搭載など、快適性を高めるカスタムが組み合わせられます。
プロボックスのカスタムにおいて、ホイールとタイヤの選択は外観の印象を大きく左右する重要な要素です。人気なのは、マッドブラック塗装のホイールに、TOYO「オープンカントリーR/T」などのホワイトレタータイヤを組み合わせるパターンです。
リフトアップ施工時には、キャンバーボルトを同時に取り付け、タイヤの角度を調整することが重要です。リフトアップによってフロントタイヤがポジティブキャンバー（逆八の字）になるのを補正することで、長期的なタイヤの偏摩耗を防ぎ、走行安定性を保つことができます。
タイヤサイズの選択も重要で、リフトアップ量に応じた適切なサイズを選ぶことで、ホイールハウスとボディのバランスが取れた美しいシルエットが実現します。太めのマッドタイヤを装着することで、プロボックスの優しい見た目がグッと引き締まり、より「かっこいい」印象へと変身するのです。
参考：プロボックスのリフトアップとタイヤ選択について詳しく解説しているショップの情報
プロボックスカスタムの定番リフトアップ3インチ・4インチについて
参考：新車プロボックスのカスタムパッケージについて
新車プロボックスカスタムパッケージの詳細情報
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