オービス看板とは、高速道路や一般道のバイパスなどで見かける「速度取締中」「自動速度取締機設置路線」といった予告看板のことです。これらの看板は自動速度違反取締装置(オービス)が設置されている区間を事前にドライバーに警告するために配置されています。しかし、その色や文言は全国で統一されておらず、地域による違いが多く存在するのです。
看板の色がなぜ地域ごとに異なるのかを理解することは、車を運転する人にとって非常に重要です。統一されていない理由には、法的な根拠がないことと、各地域の警察本部が独自に設置基準を定めていることが関係しています。
全国のオービス看板には驚くほどの色のバリエーションが存在します。北海道では黄色の看板に黒字で「自動速度取締路線」と記載されているのに対し、関東地方では青色の看板に白字で「自動速度取締機設置路線」と表記されています。
さらに地域による表記方法の多様性は看板のデザインにも反映されています。山陽地方では白色の看板に赤字と緑字で「スピード落とせ 速度自動取締機設置路線 ~県高速道路交通警察隊」と表記され、沖縄県では「SPEED CHECK」という英語も併記されるなど、地域による特色が明確に出ています。これらの看板設置において全国で統一された決まりがないという事実は、多くのドライバーに知られていません。
固定式オービスの予告看板は通常、オービスの設置位置から500メートル手前、1キロメートル手前、2キロメートル手前に設置されるのが代表的です。しかし、この設置距離についても地域によって異なることがあり、全国統一の基準が存在しないのです。
オービス看板が設置されている理由は、単なる事前警告ではなく、より重要な法的理由に基づいています。その主要な目的は「ドライバーや同乗者のプライバシー権や肖像権の保護」にあります。
過去に行われた裁判では、オービスの撮影を巡って「自動速度監視装置による速度違反車両運転者及び同乗者の容ぼうの写真撮影の合憲性」が問われたことがあります。その裁判の判決では、「自動速度監視装置により速度違反車両の運転者及び同乗者の容ぼうを写真撮影することは、憲法13条に違反しない」という判定が下されています。
しかし、この判決が下される過程の中で、オービスの予告看板が撮影についての透明性確保とドライバーの権利保護に役立つという認識が深まりました。事前に看板でオービスの存在を知らせることにより、撮影されることについてのドライバーの予見可能性が高まり、プライバシー侵害の程度が軽減されるという考え方です。
実際には、予告看板があることでドライバーが減速し、事故の発生を未然に防ぐ効果も大きいとされています。速度超過による事故防止という交通安全の観点からも、オービス看板は重要な役割を担っているのです。
固定式オービスと異なり、移動式オービスの場合は看板設置に関する扱いが大きく異なります。移動式オービスとは、日産のキャラバンやトヨタのハイエースといったワンボックスカーの後部に取締装置を搭載した機動性の高い設備のことです。
移動式オービスの手前に設置される看板は、固定式オービスに比べて簡単に持ち運びができるような簡易的なものであることが多く、設置場所も道路の路肩や歩道、中央分離帯など様々です。なかには看板のサイズが小さいものも存在し、どこにあるか気付けないこともあります。
移動式オービスが予告看板なしで運用されることが多い理由は、設置場所が都度変わるためです。SNSやサイトで告知することもありますが、固定式オービスほど統一された看板設置ルールが存在しないのです。
オービス看板の設置に関して、多くのドライバーが疑問に思うのは「なぜ複数の看板が設置されているのか」という点です。固定式オービスの場合、予告看板はオービスの位置から500メートル手前、1キロメートル手前、2キロメートル手前に設置されるのが一般的とされています。
しかし「一般的」というのは地域によって異なる可能性を示唆しています。実際には全国で統一された決まりがなく、各都道府県警察や警察署の判断に任されているという現実があります。複数の看板を配置する理由は、遠くからでもオービスの存在に気付いてもらうための配慮と考えられます。
設置距離が複数段階に分かれているのは、段階的に速度を落とすようにドライバーを誘導する効果もあります。500メートル手前の看板で気付かなかったドライバーでも、1キロメートル手前や2キロメートル手前の看板によって最終的には注意を払うようになるという設計になっています。
現在、全国のオービス看板の色や表記方法が異なっているという事実は、統一に向けた議論の対象になっています。ドライバーの視点からは、統一されたデザインの方が運転中の認識が容易になり、安全運転につながるという意見もあります。
一方で、各地域の独自性を保ちながら、地元の文化や特性を反映させた看板デザインを維持したいという立場もあります。例えば沖縄県の英語併記は観光客への配慮であり、こうした地域特性の尊重も重要な要素です。
法的には、オービス看板の設置について統一のルールが定められていないことが、このような多様性を生み出しています。今後、交通安全のさらなる向上を目指す中で、全国統一のデザイン導入についての議論が進む可能性があります。
ただし、各警察本部が地域の実情に基づいて設置基準を決定できるという現在のシステムは、柔軟な対応を可能にしているという側面も持っています。新しいオービスの機種が導入される際や、道路状況が変わった際に、迅速に対応できる利点があるのです。
オービス看板の統一化については、まずは全国のドライバーが現在の多様性について認識を深めることが重要です。自分が走行する地域のオービス看板の色や表記方法を理解することで、より安全で注意深い運転が実現するでしょう。
オービス看板の重要性を理解するには、オービスの撮影基準を知る必要があります。固定式オービスの場合、一般道では30キロメートル以上の速度超過、高速道路では40キロメートル以上の速度超過があれば撮影されるというのが定説です。
しかし移動式オービスの場合は異なり、15キロメートルの超過でも撮影されたという事例が存在します。この撮影基準の違いは、オービス看板の意味合いにも影響を与えています。移動式オービスの簡易的な看板であっても、「速度超過を防ぐ」という本来の目的に変わりはないのです。
撮影の瞬間は赤か白のストロボが、昼夜問わずはっきりと認識できるくらいの明るさで光ります。このフラッシュが点灯することで、運転者は速度違反をしたことがほぼ確実に分かるようになっています。オービス看板を無視して速度超過をすれば、この強烈なフラッシュを経験することになるでしょう。
オービスで撮影された場合、撮影後1週間から3ヶ月以内に警察から呼び出し状が郵送されます。この通知を受け取ったドライバーは、速度違反の事実と向き合うことになります。オービス看板が提供する事前警告は、このような後続する処分を避けるための重要な情報源なのです。
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速度違反 - オービスの全てがわかる - 速度超過基準と撮影についてオービスの撮影基準や種類、速度超過時の処分について包括的に記載されています。

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