マツダ・B型エンジンとは直列4気筒搭載車種特徴歴史

マツダB型エンジン搭載車種と特徴

この記事で分かること

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B型エンジンの基本構造

直列4気筒で1.1L〜1.8Lの排気量を持ち、SOHCとDOHCの2タイプが存在する設計思想

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主な搭載車種

ファミリアやロードスター、オートザムレビューなどマツダの小型車に幅広く採用

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技術的な特徴

バルブクラッシュを起こさない設計やタイミングベルト方式など信頼性の高さが魅力

このページの目次

マツダB型エンジン搭載車種と特徴

マツダB型エンジンの基本スペックと直列4気筒の構造

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マツダ・B型エンジンは、マツダによって1987年から2005年まで製造された直列4気筒ガソリンエンジンです。排気量は1.1L（B1型）から1.8L（BP型）まで幅広くラインナップされており、小型車から軽スポーツカーまで多様な車種に対応できる設計となっています。このエンジンはファミリアをはじめとするマツダの小型車の他、OEMを通じてフォードやキアの車種にも供給され、国際的に活用されました。
参考）マツダ・B型エンジン - Wikipedia

B型エンジンの最大の特徴は、SOHCとDOHCの2タイプが用意されている点です。SOHC（Single OverHead Camshaft）は1本のカムシャフトで吸気バルブと排気バルブの両方を制御する方式で、構造がシンプルで軽量かつ燃費に優れています。一方、DOHC（Double OverHead Camshaft）は2本のカムシャフトを持ち、吸気用と排気用を独立して制御できるため、高回転域での出力向上に有利な設計です。
参考）DOHCやSOHC、直噴エンジン…それぞれのメリットやデメリ…

代表的なバリエーションとしては、1.6LのB6型が挙げられます。B6型はSOHC 8バルブ、SOHC 16バルブ、DOHC 16バルブの3種類が存在し、出力は73PSから130PSまで幅広く設定されました。特にDOHC 16バルブ仕様のB6-ZE型は、7代目ファミリアやファミリアアスティナに搭載され、130PS/7,000rpmの最高出力と14.0kg・m/5,500rpmの最大トルクを発揮しました。
参考）マツダB型エンジンとは - わかりやすく解説 Weblio辞…

マツダB型エンジン搭載の代表的な車種一覧

B型エンジンが搭載された代表的な車種として、まず挙げられるのが初代および2代目ロードスター（NA型・NB型）です。初代ロードスター（NA型）には1.6LのB6-ZE型が搭載され、軽量なFRレイアウトと相まって優れた運動性能を実現しました。その後のマイナーチェンジでは1.8LのBP-ZE型へと排気量がアップし、130PS/6,500rpmの最高出力と16.0kg・m/4,500rpmの最大トルクを発揮するようになりました。
参考）マツダロードスター｜世界で最も売れたの2シーター小型オープ…

7代目ファミリアにもB型エンジンが幅広く採用されています。B6型（1.6L）が主力エンジンとして搭載され、SOHCからDOHCまで多様なグレード展開がなされました。特にGT-Rグレードには高出力なDOHC仕様が搭載され、スポーティな走りを実現していました。また、カペラにもB6型のSOHC仕様が搭載され、73PS/5,500rpmを発揮するバージョンが採用されました。
参考）「手放してしまったら後悔すると思う」手に入れて23年、今なお…

オートザムレビューには1.5LのB5-MI型が搭載されました。このエンジンはSOHC 16バルブ仕様で、88PS/6,500rpmの最高出力と12.0kg・m/4,000rpmの最大トルクを発揮し、当時のマツダが展開していたオートザム販売チャネルの主力車種を支えました。
さらに、フォード・フェスティバにもB型エンジンが採用されています。フェスティバはマツダが開発し、韓国の起亜自動車が主に生産を担当してフォードの販売網で展開された車種で、後にファミリアやロードスターにも搭載される新開発のB型エンジンを初めて採用した車種としても知られています。
参考）【ヨーロピアンなマツダの祖…？】フォード・フェスティバを解説…

初代・2代目ロードスター（NA型・NB型）：B6-ZE型、BP-ZE型などを搭載
7代目ファミリア（BG型）：B6型の各種バリエーションを搭載
オートザムレビュー：B5-MI型（1.5L SOHC 16バルブ）を搭載
フォード・フェスティバ：B型エンジンを初採用した車種

B型エンジンのバルブクラッシュを起こさない設計思想

B型エンジンの技術的な特徴の一つとして、タイミングベルトが切れてもバルブクラッシュが起きない設計が挙げられます。通常、タイミングベルトが切れるとピストンとバルブが衝突してエンジンが致命的なダメージを受けることがありますが、B型エンジンはそのような事態を回避できる構造となっています。これは、ピストンとバルブの位置関係が綿密に設計されており、ベルトが切れてバルブが自由落下してもピストンと干渉しない「非干渉型設計」を採用しているためです。
この設計思想により、万が一タイミングベルトが切れてもエンジン本体への深刻なダメージを最小限に抑えることができ、ベルト交換のみで復旧できる可能性が高まります。高回転まで回すスポーツ走行においても、この安全マージンは大きな安心材料となっており、B型エンジンの信頼性を支える重要な要素となっています。
参考）『先日、ユーノス・ロードスター(94年式ノーマルMT車)..…

タイミングベルトの交換時期については、一般的に10万kmまたは10年が目安とされています。B型エンジンを搭載したロードスターやファミリアでも、この基準に従って定期的なベルト交換が推奨されており、適切なメンテナンスを行うことでエンジンの長寿命化が期待できます。マツダ車の公式メンテナンス情報でも、乗用車の場合は100,000km走行時にタイミングベルトの交換が推奨されています。
参考）タイミングベルトの交換時期や交換費用の相場について解説 - …

カムシャフトの駆動にはコグドベルト（タイミングベルト）方式が採用されており、メンテナンスの容易さと静粛性のバランスが図られています。タイミングチェーン方式に比べると定期交換が必要ですが、その分エンジン騒音が小さく、スムーズな回転フィーリングが得られるメリットがあります。

マツダB型エンジンのメンテナンス性と耐久性の評価

B型エンジンは優秀なエンジンとして高い評価を受けています。整備工場の実例では「オーソドックスな造りで故障が少ない優秀なエンジン」と評価されており、シンプルな構造が長期的な信頼性に寄与しています。実際に、プラグやプラグコードを交換した際には「さすが堅牢なB型エンジンのパーツ」とコメントされるなど、部品の耐久性も高く評価されています。
参考）プラグ関連のメンテナンス - NBロードスターアーカイブ

メンテナンスに関しては、定期的なプラグ交換やプラグコード交換が推奨されています。ロードスターNB型のメンテナンス事例では、ロングライフタイプのイリジウムプラグに交換することで、エンジンの静粛性向上やトルクアップ、レスポンス改善が体感されたという報告があります。これらの基本的なメンテナンスを適切に行うことで、B型エンジンは20万km以上の走行も十分に可能です。
参考）さすがB型エンジン♪ZCから続く歴史と実績がここまでとは☆｜…

オイル管理も重要なポイントです。劣化したエンジンオイルを使い続けると、タイミングベルトを含むエンジン内部部品の劣化を早める原因となります。定期的なオイル交換を心がけることで、B型エンジンの持ち味である耐久性を最大限に引き出すことができます。
参考）タイミングベルトの寿命は？交換時期や交換費用、長持ちさせる方…

実際のユーザーからは、適切なメンテナンスを行えば200,000km以上の走行も可能であるという声が多く聞かれます。C型やF型、K型といった他のマツダエンジンと比較しても、B型エンジンはエンジンノーマル状態で20万km走行後もカタログ値とほぼ同等の性能を維持できる点が「奇跡とも言える」と評価されています。
参考）『MAZDAのアクセラスポーツに乗っているのですが、何万..…

B型エンジンから見るマツダの技術力とOEM展開

B型エンジンは単にマツダ車だけでなく、OEM供給を通じてフォードやキアといった海外メーカーの車種にも搭載されました。特にフォード・フェスティバは、マツダが開発したボディにB型エンジンを搭載し、韓国の起亜自動車で生産されてフォードブランドで販売されるという国際的な協業プロジェクトの象徴的な車種でした。
参考）「さすがに奥さんはまだ乗るの？と呆れていますがhref="https://nosweb.jp/nostalgichero/articles/detail/8584" target="_blank">https://nosweb.jp/nostalgichero/articles/detail/8584amp;hellip…

この時期のマツダは、フォードとの資本提携関係を活用しながら小型車プラットフォームと基幹エンジンを共有する戦略を展開していました。B型エンジンはその中核を担う存在であり、マツダの技術力が国際的に認められていたことを示しています。エンジンカムカバーにフォードの刻印が入るなど、ブランド間での差別化も図られていました。
参考）「バブルが生み出したマツダ入魂の一台!?」ファミリアの兄弟車…

技術的な観点からは、B型エンジンの設計思想は後のマツダエンジン開発にも受け継がれています。直列4気筒のコンパクトな設計、SOHCとDOHCの使い分けによる幅広い用途対応、そして高い信頼性と耐久性といった要素は、現代のマツダエンジンにも共通する特徴です。
参考）https://www.mazda.com/content/dam/mazda/corporate/mazda-com/en/pdf/innovation/monozukuri/technology/tech-review/2016/giho_all2016.pdf

また、B型エンジンは1987年の登場から2005年の生産終了まで18年間にわたって製造され続けました。この長期間にわたる生産実績は、基本設計の優秀さと市場ニーズへの適合性を物語っています。特に初代ロードスターに搭載されたB6-ZE型は、軽量FRスポーツカーのエンジンとして高い評価を受け、マツダのスポーツカー開発における重要な礎となりました。
参考）内燃機関超基礎講座