現行マツダ3は2019年5月の発売から2025年時点で約6年が経過しています。市場ではフルモデルチェンジに関する様々な憶測が浮上しており、「2026年以降に生産終了」「2030年代に延期される可能性」といった複数の予測が混在している状況です。マツダ公式の情報や決算説明会での発表から、2026年～2027年以降にフルモデルチェンジが実施される可能性が最も有力視されています。
ただし、マツダ自動車は今後の商品導入スケジュールの優先順位を明確にしており、スモール商品群（MAZDA3が属するFF・コンパクトカーセグメント）よりも、新開発のFRプラットフォームを採用するラージ商品群（CX-60、CX-80など）のプレミアム化を重視する戦略を取っています。この経営方針が、マツダ3フルモデルチェンジの時期を遅延させる要因となっている可能性が指摘されています。
2025年2月20日に公開された商標登録「MAZDA 3e」は、フルモデルチェンジ後継モデルにおける電動化対応を示唆する重要な情報です。欧州市場で既に販売中のBEV「MAZDA 6e」の命名規則に倣うと、「MAZDA 3e」はBEV（電池電動車）であることが想定されます。
注目すべき点は、中国の長安汽車との提携によって生産される「MAZDA EZ-6」が「MAZDA 6e」の姉妹車種である実績から、「MAZDA 3e」においても同様の国際共同開発の可能性が示唆されていることです。この戦略により、開発コストを抑制しながら電動化対応を実現するアプローチが採られる可能性が高まっています。
同時に、商標登録には「MAZDA CX-6e」「MAZDA CX-5e」「MAZDA 2e」も含まれており、マツダの電動化ラインアップが総合的に拡大される方向性が鮮明です。
次期マツダ3への新型エンジン搭載が予想される中でも、特に注目されているのは「SKYACTIV-Z」という新世代ガソリンエンジンの搭載可能性です。複数の自動車メディアの予測では、2027年頃に「SKYACTIV-Z」を搭載する新世代マツダ3がデビューするシナリオが想定されています。
現行型に搭載される1.5L・2.0L SKYACTIV-Gエンジンに比べ、新世代の「SKYACTIV-Z」は燃費効率と出力バランスのさらなる向上が期待されています。また、マイルドハイブリッド「e-SKYACTIV」シリーズも継続採用される可能性が高く、環境性能と走行性能の両立が進化する見込みです。
ディーゼルエンジンに関しては、現行型で採用されているSKYACTIV-D 1.8の継続採用が最有力視されている一方で、欧州市場でのディーゼル需要の縮小に伴い、グローバル展開では縮小される可能性も検討されています。
現行マツダ3が採用する「魂動（こどう）デザイン」は、日本の美意識を追求した独自のデザイン哲学として高く評価されています。次期モデルではこの「魂動」テーマがさらに深化されることが予想されており、複数の予想レンダリング（予測CGデザイン）がSNSで公開されています。
これら予想CGの共通特徴として、現行モデルの「曲面と光の映り込みを活かした美しさ」をさらに洗練させ、より「引き算の美学」を徹底させる方向性が示唆されています。セダンとファストバック（ハッチバック）のボディタイプに関しても、それぞれの個性がより鮮明に表現される可能性が高まっています。
同時に、ジャパンモビリティショー2025での出展テーマ「走る歓びは、地球を笑顔にする」と連動し、次期マツダ3には環境配慮と走行楽しさの両立を視覚的に表現するデザイン進化が組み込まれる見込みです。
現行マツダ3のフルモデルチェンジが予想より遅れ気味となっている背景には、マツダの経営戦略における2つの重要な判断があります。第一に、ラージ商品群（CX-60、CX-80などの新FRプラットフォーム搭載車）のプレミアム化と利益率向上を最優先する方針が明確に示されていることです。
第二に、登場から6年経過した現行型であっても、商品改良と特別仕様車の投入により市場対応力を維持できるという経営判断があります。実際に、2023年4月の年次改良、2024年10月・2024年12月の商品改良・新機種追加など、段階的な商品更新により販売継続戦略が成功しています。
この経営方針により、MAZDA3は少なくとも2026年までは現行型ベースでの販売継続が確実視されており、大規模なフルモデルチェンジの優先順位が相対的に低下している状況です。
電動化時代への対応と既存ラインアップの最適化を同時に進めるマツダの経営戦略から、マツダ3の次世代展開は単なるモデルチェンジではなく、グローバル市場での位置付け再構築を伴う大規模なプロジェクトとなることが明らかです。予想される2026年～2027年のフルモデルチェンジ時期に向けて、消費者の関心がさらに高まることが予想されます。
参考情報：マツダ3の最新フルモデルチェンジ情報
新型【MAZDA3】フルモデルチェンジいつ？2026～2027年以降の予想
参考情報：マツダ3のフルモデルチェンジ遅延背景
新型「マツダ3」登場が遠のいてしまった2つの理由とは？
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