免許取得後3年経っていても、19歳なら高速タンデムで捕まります。
高速道路でのバイク二人乗り(タンデム)は、2005年(平成17年)4月1日に道路交通法が改正されるまで、全面禁止でした。それ以前は「高速道路=タンデム不可」が常識だったわけです。解禁から20年が経ちましたが、いまだに条件を正確に把握していないライダーは少なくありません。
高速道路でのタンデム走行に必要な条件は、大きく2つあります。
| 条件の種類 | 高速道路 | 一般道路 |
|---|---|---|
| 運転者の年齢 | 20歳以上 | 制限なし |
| 免許取得からの期間 | 普通二輪または大型二輪を通算3年以上 | 通算1年以上 |
| バイクの排気量 | 125cc超(126cc以上) | 50cc超(51cc以上) |
年齢と免許年数の「どちらか一方」では足りません。両方同時に満たすことが条件です。
たとえば16歳で普通自動二輪免許を取得し、免許歴が3年を超えていたとしても、まだ19歳であれば高速道路でのタンデムは法律上できません。反対に、20歳を超えていても免許取得から3年が経っていなければ、条件は満たせないのです。これが「条件の2つの壁」です。
また、排気量にも注意が必要です。一般道では50cc超のバイクであれば2人乗り自体は可能なのに対して、高速道路では125cc超(126cc以上)でなければ走行できません。ひとくちに「二人乗りOKのバイク」といっても、一般道で使えても高速はNGというケースが出てきます。これは知らないと痛いですね。
さらに、バイク自体が「乗車定員2名」として登録されている必要があります。車検証または軽自動車届出済証の「乗車定員」の欄が2名と記載されていることを、出発前に確認しておく習慣をつけましょう。
NEXCO中日本|自動二輪車の二人乗りで高速道路を通行できますか?(高速道路の公式FAQ)
「通算3年以上」というルールには、知られていない計算ルールがあります。
普通二輪免許(小型限定を含む)を持っていた期間は、合算して3年にカウントできます。たとえば、AT小型限定普通二輪免許を2年間持っていて、その後、普通二輪免許にステップアップした場合、ステップアップの瞬間から累計2年がカウントされます。残り1年を普通二輪免許で乗れば、合計3年として高速タンデムが解禁されるということです。
「普通二輪にアップグレードした瞬間から3年カウントが始まる」と思い込んでいる人が多いですが、それは誤りです。免許歴の計算は通算ということですね。
ただし注意点があります。一般道のタンデムに使える「1年」と、高速道路のタンデムに使える「3年」は、どちらも「普通二輪または大型二輪を受けていた期間の通算」です。原付免許(50cc以下)の保有期間は含まれません。計算の起点になるのは、あくまでも普通二輪免許(または大型二輪免許)の取得日です。
具体的な例を挙げると、以下のようになります。
年齢と免許年数のタイミングが噛み合わないケースも多いです。自分の状況を一度整理しておくことをおすすめします。
MOTOLOGS|バイクタンデムの基礎知識・高速道路での2人乗り(免許通算の詳しい解説あり)
条件を満たさずに高速道路でタンデム走行をした場合、適用されるのは「大型自動二輪車等乗車方法違反」です。
| 罰則の種類 | 内容 |
|---|---|
| 違反点数 | 2点 |
| 反則金 | 1万2千円 |
| 刑事罰(罰金) | 10万円以下 |
反則金は1万2千円が条件です。ただし、それだけで終わりではありません。
反則金を支払えば行政処分のみで済む場合もありますが、10万円以下の罰金刑という刑事罰が科される可能性もあります。これは前歴や状況によって変わりますが、「1万2千円払えばそれで終わり」とは限らないということです。
また、違反点数は2点です。前歴がない状態でも、6点以上で免停30日となります。他の違反と重なって合計6点を超えると、タンデム違反のその日に免停処分を受ける可能性もあります。点数の積み重ねに注意が必要ですね。
さらに、禁止区間に進入した場合も別途「大型自動二輪車及び普通二輪車二人乗り通行禁止違反」が適用されます。「条件は満たしているから大丈夫」と思っていても、走る道が禁止区間であれば違反です。条件と区間の両方をクリアして初めて、合法のタンデムが成立します。
違反が不安な場合、自分が保有する免許の取得日を運転免許証の「取得年月日」欄で確認し、それが3年以上前かどうかチェックするのが最もシンプルな確認方法です。
ニリーン|バイクの二人乗り違反はバレる?罰則は?捕まったら免停?(罰則の詳細解説)
「高速道路での二人乗りは2005年に解禁された」という話は知っていても、首都高速道路の一部区間がいまも二人乗り禁止であることを知らないライダーは多いです。
首都高速は全長178.6kmのうち約34.5%、つまり61.6kmもの区間が現在もタンデム禁止エリアとして残っています。全体の3分の1以上が禁止区間という事実は、意外と知られていません。
禁止されている主な路線は以下のとおりです。
禁止の理由は、都心部に急カーブが多く二人乗り状態での走行リスクが高いと判断されているためです。首都高を使ったツーリングやドライブを計画するなら、事前に禁止区間を必ず確認しておきましょう。
出発前にルートを確認する方法として、首都高の公式サイトが最も信頼できます。地図PDFも公開されているので、ルートを計画する際に一度確認する習慣をつけておくと安心です。
首都高速道路株式会社|自動二輪車の二人乗り規制(禁止区間の一覧・地図あり)
条件と区間を確認したうえで、次に重要なのが装備と走り方の知識です。タンデム走行は1人で乗るときとは車体の挙動がまったく異なります。それを理解していないと、高速道路という高速環境での危険につながります。
まず装備について整理します。
走り方のコツとして特に重要なのが、同乗者の体重移動の問題です。
高速道路では二人乗りでの加速時、同乗者は体が後方に置いていかれるような感覚になります。反対にブレーキ時は前に押し出されます。この「タイムラグ」が車体を不安定にさせる原因です。同乗者は体重移動を意図的に行わず、グラブバーまたはタンデムベルトをしっかり握り、ライダーと密着した「荷物になりきる」姿勢が基本です。
コーナリング時に同乗者が内側や外側に体を傾けると、ライダーが車体をコントロールしづらくなります。これは問題ありません、ではなく実は危険な行動です。
高速道路での長距離タンデムでは、同乗者は想像以上に体力を消耗します。風圧と振動を全身で受け続けるため、2時間も乗れば疲労感はかなりのものです。1〜1.5時間ごとにサービスエリアに立ち寄り、こまめな休憩をとることが安全運転の基本です。
日本自動車工業会(JAMA)|バイク二人乗りで高速道路を走る際に知っておくべき点(装備・走行の注意点を権威ある機関が解説)
日本二輪車普及安全協会|タンデムならここをチェック(出発前の安全確認リスト)