ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)は、最先端の情報通信技術を用いて人と道路と車両をネットワークで結び、交通事故、渋滞などの道路交通問題の解決を目的としたシステムの総称です。このシステムは、IT(Information Technology)を利用して交通の輸送効率や快適性の向上に寄与する一連のシステム群を指します。
参考)https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/01its/about.html
ITSの概念は1990年代初頭に誕生し、交通事故や渋滞、環境問題への対処という社会的要請とエレクトロニクス技術の急速な進歩を背景に世界的規模で推進機運が高まりました。日本では1994年に通商産業省、運輸省、郵政省、建設省、警察庁の5省庁による支援のもと、「VERTIS」(後の「ITS Japan」)が設立され、官民による取り組みが本格化しました。
参考)トヨタ企業サイト|トヨタ自動車75年史|第3部 第4章 第8…
このシステムの最大の特徴は、道路交通の安全性、輸送効率、快適性の飛躍的向上と環境保全を実現することにあります。具体的には、ナビゲーションシステムの高度化、有料道路等の自動料金支払いシステムの確立、安全運転の支援、公共交通機関の利便性向上、物流事業の高度化などを図るものです。
ITSは情報通信やエレクトロニクスといった新技術を活用して交通システムのインテリジェント化を図り、安全・円滑・快適な交通環境を実現します。例えば、経路検索ソフトウェア、バスロケーションシステム、カーシェアリングにおける自動車の予約、タクシーのワイパー稼働状況をもとにした局地気象情報の提供など、多岐にわたるシステムがITSには含まれています。
参考)高度道路交通システム - Wikipedia

トミーテック(TOMYTEC) ザ・バスコレクション バスコレ走行システム C-003-2 道路パーツ C140-30-RO 6本セット ジオラマ用品
ITSは「Intelligent Transport Systems」の略称で、日本語では「高度道路交通システム」と訳されます。このシステムは、最先端の情報通信技術等を用いて、「人」「道路」「クルマ」を一体のシステムとして構築することで、道路交通が抱える事故や渋滞、環境対策など様々な課題を解決するために日本で生み出され、世界に広がりました。
参考)https://www.its-tea.or.jp/its_etc/its_its.html
ITSの定義として、道路交通の安全性、輸送効率、快適性の向上等を目的に、最先端の情報通信技術等を用いて、人と道路と車両を一体のシステムとして構築する新しい道路交通システムの総称とされています。この技術は、道路交通、鉄道、海運、航空などの交通が対象となりますが、主に道路交通システムに焦点が当てられています。
参考)https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_9616691_po_078002.pdf?contentNo=1
国土交通省の定義によれば、ITSは最先端のエレクトロニクス技術を用いて人と道路と車両とを一体のシステムとして構築することにより、安全・快適で効率的な移動に必要な情報を迅速、正確かつわかりやすく利用者に提供するシステムです。この情報提供により、道路交通の安全性、輸送効率、快適性の飛躍的向上、環境保全を実現することを目指しています。
日本におけるITSの歴史は、大きく3期に分けられます。第1期は1970年代の試行錯誤の時代で、道路・交通・車両分野のIT化に関する研究開発が始まりました。第2期は1980年代から1990年代中頃までの個別応用開発の時代で、各種システムの研究開発が進められました。第3期は1990年代中頃以降の統合と標準化の時代で、1995年に横浜で開催された第2回世界会議を機に、日本の研究者からITSという用語が提唱されました。
参考)https://www.its-jp.org/document/20131017/ITS-future-vision_j_131010.pdf
日本のITS推進においては、各省庁個別の取組から全体の枠組みが構築されるまでの黎明期(1973~1995年)、VICS(道路交通情報通信システム)やETC(電子料金自動収受システム)などが実用化されたファーストステージ(1996~2004年)、それらが広く普及するとともにASV(先進安全自動車)の研究開発が活発化したセカンドステージ(2005~2013年)を経て、現在は次世代ITSに向けて自動運転技術開発やビッグデータ活用に焦点があたっています。
1996年にはマスタープランとして「ITS全体構想」が策定され、官民による取り組みが本格化しました。VICSは1996年4月にリアルタイムの道路交通情報サービスとして開始され、ITSプロジェクト最初の実用化システムとなりました。VICSセンターの運営は対応車載器メーカーからの技術開示料と賛助会員からの賛助金によって成り立っており、情報提供料は無料になっています。この事も一つの要因となり、2001年9月現在で累計358万台と急速な普及を示しました。
参考)https://dl.ndl.go.jp/view/prepareDownload?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F8243765amp;contentNo=1
ITSを実現するエレクトロニクス技術には、様々な要素が含まれています。主要な技術として、道路交通情報サービス(VICS)、自動料金支払いシステム(ETC)、GPSとカーナビゲーションシステム、ビッグデータと交通情報解析などがあります。これらの技術はそれぞれ独立して存在していますが、一つに統合されることでITSの真価が発揮されます。
参考)ITSとは? わかりやすく10分で解説|ネットアテスト
VICS(Vehicle Information and Communication System)は、道路交通情報を素早く運転者に提供するシステムです。車両の現在位置や目的地までの交通状況、交通規制や渋滞情報をリアルタイムで受信し、カーナビ画面に表示します。これは、データ通信技術を利用し、道路センサーから得られた情報を中央制御センターで集約、分析し、必要な情報を適切な車両に伝えることで実現されています。
ETC(Electronic Toll Collection System)は、ノンストップ自動料金支払いシステムとして普及しています。ETCの導入により、料金所のレーン当たりの処理能力は約4倍になるとの試算があり、高速道路で発生する全渋滞の35%を占める料金所付近の渋滞緩和に貢献しています。従来高速道路の渋滞原因の約3割を占めていた料金所渋滞はほぼ解消され、CO2排出削減等、環境負荷の軽減にも寄与しています。
参考)https://itsforum.gr.jp/Public/J7Database/P02/P0204/P0204.html
車車間通信(V2V:Vehicle to Vehicle)と路車間通信(V2I:Vehicle to Infrastructure)も重要な技術要素です。V2Vは車載機同士が直接通信を行い、周囲の自動車の位置や速度などの情報を入手し、必要に応じて運転支援を行います。V2Iは道路側に設置された通信機器と車載機が通信を行い、交通情報や安全運転支援情報を提供します。将来的には、前方を走る路線バスから乗降客への注意を促す情報が通知されたり、前走車両が検知した道路上の障害物情報が後続車両に通知されたりするなど、安全な交通環境構築に向けたさまざまな情報をやり取りできるようになります。
参考)自動運転とデータ通信…理解必須の4大規格、基礎解説&まとめ …
VICSとETCは、日本のITSサービスが広く普及している代表的な例です。VICSにおける情報通信は、FM放送電波(FM多重放送)、路側設置の光ビーコン、5.8 GHz帯DSRC(ITSスポット、ETC2.0)の3種類の通信・放送メディアによって行われています。情報提示はVICS/VICS WIDE対応カーナビ等の画面や音声によって行われます。
従来のVICSと比べてETC2.0が大きく異なる点は、高速・大容量通信を用いることで、これまでより広範囲の渋滞情報を取得できるところです。従来のFM多重方式によるVICS情報は都道府県単位での渋滞情報提供を基本としていましたが、ETC2.0路側機が設置されたITSスポットでは、FM多重方式によるVICS情報よりも広範囲(約1,000km)の渋滞情報提供が可能となりました。このためETC2.0を利用することで、目的地までの所要時間が短い最適ルートを選べるようになります。
参考)ETC2.0について:よくある質問│ETC総合情報ポータルサ…
また、従来のVICSサービスでは、渋滞情報以外には、文字と簡易型図形のみの提供でしたが、ETC2.0では静止画像の提供も可能となり、静止画提供箇所では、前方の渋滞状況、気象状況等を静止画でも確認できるようになりました。従来のVICSビーコン(電波ビーコン)と比べてETC2.0路側機が設置されたITSスポットでは格段に多い情報量のデータが提供されます。加えて、安全運転支援情報(前方の注意情報等)も提供され、その一部は静止画での情報提供が行われています。
ETCシステムそのものも重要な役割を果たしています。料金所での停止が不要になることで、通行時間の短縮だけでなく、料金所付近での渋滞が大幅に減少しました。さらに、ETC専用ICであるスマートICの導入により、高速道路の利便性が向上し、地域の活性化にも貢献しています。VICSとETCは道路交通を安全・便利で快適なものとする必須の社会インフラとして広く普及しています。
参考)1 ITSの推進
ITSの導入により、ドライバーの運転体験は大きく変化しています。VICSサービスの効果として、「運転中に心理的な余裕ができる」といった声が多く聞かれます。VICSの普及による成果として、事故や渋滞などの道路交通情報を画像や音声で、リアルタイムに車内で入手できるようになり、ルート選択などが容易に行えるようになりました。その結果、特定の道路への集中が緩和され、全体的な交通流が改善されています。
参考)https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/migration/corp/techReviewAssets/tech/review/2006/08/61_08pdf/a02.pdf
ASV(Advanced Safety Vehicle:先進安全自動車)技術の発展も、ドライバー体験の向上に大きく貢献しています。ASVは、先進技術を利用してドライバーの安全運転を支援するシステムを搭載した自動車で、平成3年度から約30年にわたって研究開発が進められています。ASVの基本理念は、安全運転の主体はドライバーであり、ASV技術はドライバー支援を原則としています。
参考)https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/autopilot/pdf/06/2.pdf
ASVに搭載される技術には、衝突被害軽減ブレーキ、ACC(Adaptive Cruise Control:アダプティブ・クルーズコントロール)、ESC(Electronic Stability Control:横滑り防止装置)、レーンキープアシスト(車線逸脱防止支援システム)、ふらつき警報、駐車支援システムなどがあります。これらの技術は、ドライバーの認知・判断・操作をサポートし、安全を支援します。
参考)ドライバーを支援する最新システム「先進安全自動車(ASV)の…
特に高速道路での長時間運転などの際、ACCによりドライバーの負担軽減に役立っています。ACCに加えて、車車間通信によって他車の加減速情報を共有することで、より精密な車間距離制御を行うCACC(Cooperative Adaptive Cruise Control)の実用化も始まっています。CACCでは、ACCより短い車間距離での走行や、制御の遅れによる車間の変動(ハンチング)の少ない安定した走行が可能となっています。
参考)先進安全自動車/ASV(Advanced Safety Ve…
ITSスポット共通基盤を活用した産学官連携サービス開発も進められており、新たなサービスの創出により、ドライバーの利便性はさらに向上することが期待されています。交通管制センターの高度化等により、5年間(平成4年度から平成8年度)の累計で、32%から64%の事故減少の効果があると測定されており、旅行速度が19%上昇、旅行時間が17%短縮、渋滞が29%緩和されたとも測定されています。
参考)https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0871pdf/ks0871.pdf
国土交通省によるITS(高度道路交通システム)の公式説明ページ。ITSの基本概念とエレクトロニクス技術の詳細が解説されています。
ITS Japanの公式サイト。ITSの定義と日本における展開について詳しく紹介されています。
国土交通省による先進安全自動車(ASV)推進計画のページ。ASVの技術開発と実用化の取り組みについて解説されています。
ETC2.0の公式情報サイト。従来のVICSとETC2.0の違いや提供サービスの詳細が確認できます。

トミーテック(TOMYTEC) ザ・バスコレクション バスコレ走行システム C-002-2 道路パーツ C103-30-RO 6本セット ジオラマ用品