1948年にポルシェが初めて生産した356は、自動車愛好家の憧れの存在です。しかし現在では高い資産価値を持つコレクターズアイテムとなり、400万円から2700万円という高額な中古車相場が設定されています。一方、ダイハツ「コペン」は19.8万円から291万円という比較的手頃な価格帯で流通しており、軽自動車規格に収まるコンパクトなスポーツカーです。この二つのクルマの出会いから、多くのカーエンスアシアストが「コペンポルシェ356化」というカスタムに注目し始めました。
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初代コペン（L880K型）の丸みを帯びたデザインと356の流麗なシルエットの意外な親和性が、このカスタム文化を生み出しました。実際に茨城県のダックスガーデンというショップでは、コペン用の356レプリカボディキットを販売し、多くの愛好家から支持を得ています。このボディキットを使用することで、元のコペンの電動ルーフなどの機能を失わずに、356の美しいシルエットを手に入れられるのです。
完成度の高いコペンポルシェ356を目指すなら、単なるボディキット装着だけでは不十分です。実際にカスタムを成功させたオーナーたちは、ポルシェ専門のカスタムショップと協力し、本物のポルシェ用パーツを流用することで、高い完成度を実現しています。
具体的には、356用の純正ウインカーやヘッドライト、ボンネットセンターバー、そしてグリルバッジといった部品を組み込みます。これらのパーツは単なる外観の改善にとどまらず、ポルシェの設計思想そのものを引き継ぐものとなります。また、ミラジーノ用のハロゲンヘッドライトなど、他メーカーの流用パーツも巧みに活用されます。目立たないディテールにこだわることが、見る人すべてを驚かせるクオリティにつながるのです。
さらに驚くべきことに、一部のカスタムでは996型ポルシェ911用の本物のテールライトまで流用されているケースもあります。これは軽自動車の適合規格内での装着が難しいため、高い技術力と創意工夫を必要とします。
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コペンをポルシェ356に変える最初のステップは、適切なボディキットの選択です。市場には複数のボディキットが存在しますが、356スピードスターをモチーフにしたタイプが主流となっています。ダックスガーデンが販売するボディキットは、フロントセクションとリアセクションに分かれており、フロント側はほぼボルトオン装着が可能という実用性の高さが評価されています。
フロントセクションには、フロントバンパー、フロントフェンダー、ボンネット、ヘッドライトベゼルが含まれます。一方、リアセクションにはリアバンパー、リアフェンダー、フィラーリッド、トランクリッドアウター、ストップランプ、ウインカー、ダミーアルミアウトレットダクトが装備されます。
注意点として、リア側の装着には単なるボルト固定だけでなく、パネルボンドによる接着固定と外周のパテ埋め処理が必要になることがあります。またオリジナルのアウトレットダクトが気になる場合は、ショップに依頼してボディ合わせでフラットになるよう加工してもらうという工夫も必要です。
2025年の東京オートサロンで展示された「コペルシェ887GT-K」は、コペンをポルシェ356化するカスタムの新しい可能性を示しています。このモデルはポルシェ997型911GT3のレース仕様をモチーフにしており、従来のカスタムを大きく上回る完成度を実現しています。
参考）https://news.livedoor.com/article/detail/28064869
特筆すべき点は、ルーフを固定してクーペスタイルに改造した点です。コペンは元々電動開閉ルーフを持つオープンカーですが、ポルシェ356のスピードスター以外のモデルはハードトップが主流であるため、このような改造がなされました。さらにワイドボディ化やグラマラスなフェンダーの装着により、軽自動車のコンパクト感を払拭する存在感を獲得しています。
エンジンは従来の659ccから1300ccへと換装され、パワーアップが実現されています。この1.3リッターエンジンの搭載により、見た目のポルシェ化に加えて、走行性能もポルシェらしい体験に近づけられるのです。
コペンをポルシェ356に変えるプロジェクトを成功させるには、現実的なコスト管理が欠かせません。基本となるボディキットの価格は150万円程度と、決して安い投資ではありません。しかし新車でポルシェ356を購入する場合の相場は400万円以上であることを考えると、大幅な費用削減が実現できます。
また、完成度を高めるための純正ポルシェパーツの入手には、ポルシェ専門のカスタムショップとのネットワーク構築が有効です。中古のポルシェ用ウインカーやヘッドライトなどは、新品より大幅に安価に入手できる可能性があります。さらに、ボンネットのバンド取り付けに磁石を使用するなど、創意工夫による加工費の削減も可能です。
全体予算は、ボディキット150万円を基本に、パーツ交換費や塗装、細かい加工費を含めて200万円から300万円程度を見積もっておくことが妥当でしょう。コペン本体の価格が比較的リーズナブルであることを考えると、このトータル投資は夢の実現には十分な価値があります。
参考リンク：ポルシェの歴史とモデルについて、経営戦略の観点から356の位置づけを理解できます。
ポルシェ・356 - Wikipedia
参考リンク：ダイハツコペンの仕様、開発背景、および軽自動車規格内での設計工夫について詳しく解説されています。
