軽トールワゴンの市場で最も注目を集めるのは燃費性能です。2025年現在、軽トールワゴンの燃費ランキング上位を占めるのはスズキ「ワゴンR」で、WLTCモード25.2km/Lの優れた燃費を実現しています。これは軽トールワゴンの中で最も低燃費のモデルとして認識されており、カスタムZやスティングレーに設定されるマイルドハイブリッドシステム搭載グレードが25.2km/Lを達成、さらにターボ車でも22.5km/Lという軽トールワゴンのターボ車として最高の燃費性能を発揮しています。
次点となるのが日産「デイズ」の23.3km/Lです。スマートシンプルハイブリッドを搭載するハイウェイスター・アーバンクロムグレードで23.3km/Lを実現し、軽トールワゴンの中でも上位の燃費性能を誇っています。標準仕様のデイズでも2WD車で23.2km/Lと驚くほど燃費が低下せず、実用性とコストバランスに優れています。ホンダ「N-WGN」は23.2km/Lで、軽トールワゴンの軽量性を活かした低燃費を実現しており、ECONモードによって燃費をさらに改善できるのが特徴です。
三菱「eKワゴン」は21.0km/L(4WD)から23.2km/L(2WD)と幅広い燃費レンジを持ち、シンプルな設計で価格を抑えながら実用的な燃費性能を提供しています。軽トールワゴン市場は競争が激化しており、各メーカーが燃費改善に注力していることが数値に表れています。
参考:軽自動車の燃費性能について詳しく知りたい方は
カーセブンの【2025年】燃費のいい軽自動車TOP10をご覧ください。
軽トールワゴンの燃費性能改善に最も大きな役割を果たしているのが、マイルドハイブリッドシステムです。スズキが積極的に採用するマイルドハイブリッドは、減速時のエネルギーを回生してリチウムイオンバッテリーに蓄えた電気で、発進時や加速時にモーターがエンジンをアシストする方式です。
スズキ「ワゴンR」のマイルドハイブリッド搭載グレード(カスタムZ、スティングレー)では25.2km/Lを達成しており、軽トールワゴンの中で最高峰の低燃費を実現しています。この技術は進化を続けており、スズキの新プラットフォーム「ハーテクト」と組み合わされることで、60kgもの軽量化を実現し、パワーと効率性を両立させています。
スズキ「ワゴンRスマイル」のマイルドハイブリッド搭載モデルは25.1km/Lで、スライドドアという利便性と低燃費を両立させています。スズキのマイルドハイブリッド技術により、軽トールワゴンはセダン並みの燃費性能を達成できるようになりました。
一方、日産のスマートシンプルハイブリッドは「デイズハイウェイスター」で23.3km/Lを実現しており、スズキほど高い燃費ではないものの、着実に改善が進んでいます。この差は各メーカーの技術開発方針と、プラットフォーム全体での軽量化への取り組みの差が反映されています。
カタログに記載されているWLTCモード燃費と実際の走行での燃費には、大きな乖離が生じることがあります。軽トールワゴンの場合、実燃費はカタログ値の70~80%程度が目安とされており、ワゴンRで25.2km/Lと謳われていても、実際には18~20km/L程度になることが珍しくありません。
この乖離が生じる理由は、運転環境の違いにあります。アイドリング、低速走行、高速走行時の加速などが異なると、燃費性能は大きく変動します。特に軽トールワゴンは軽量でありながらも、全高が高く空気抵抗が大きいため、高速道路での燃費性能は都市部走行よりも悪化する傾向があります。
つまり、軽トールワゴン購入時に燃費を重視するならば、カタログ値だけでなく、自分の運転パターンと走行環境を考慮することが重要です。毎日の買い物程度の短距離利用なら燃費性能の差は限定的ですが、毎日のロングドライブなら、わずかな燃費差が年間燃料代に大きく反映されます。
参考:燃費性能の詳しい比較と選び方については
カーモのプロが選ぶ燃費の良い軽自動車TOP10をご参照ください。
軽トールワゴンの燃費競争は、各メーカーの経営戦略と開発哲学の違いが顕著に表れています。スズキはマイルドハイブリッド技術とハーテクトプラットフォームによる徹底した軽量化で、軽トールワゴンの燃費性能をセダン並みに引き上げました。この戦略により、スズキは軽トールワゴンの燃費ランキングで上位を独占しており、消費者からの信頼も厚いです。
ホンダのアプローチは異なります。ホンダは軽トールワゴンの高い快適性と安全性を優先し、マイルドハイブリッドを搭載していません。その代わり、ECON(イーコン)モードを装備し、エアコンなどの電気を多く使う装備の制御により、発電機の負担を減らして実燃費を改善しています。この方法は、運転者の工夫で燃費を伸ばせる利点があります。
日産は新プラットフォームと新エンジンによる基本性能の向上に注力し、スマートシンプルハイブリッドシステムを採用することで、バランスの取れた燃費性能を実現しています。ダイハツもまた、既存技術を徹底的に見直す「第3のエコカー」戦略により、軽量化と基本設計の効率化で低燃費を実現しています。
軽トールワゴンの燃費性能を最大限に引き出すには、運転技術と日常のメンテナンスが欠かせません。最初のポイントは加速フェーズにあります。軽トールワゴンは排気量660cc以下という制限があるため、急発進・急加速を行うとエンジンが高回転まで回り、燃費が悪化します。発進時には少し強めにアクセルペダルを踏んで素早く流れに乗り、その後は優しくアクセルを操作することが、CVT変速機で最適な変速比を保つコツです。
信号待ちなどで前方に赤信号が見える場合、早めにアクセルペダルから足を離し、コースティング(惰性走行)で速度を落とすことで、不要な燃料消費を避けられます。軽トールワゴンはパワーが小さいため、重さが燃費に与える影響も大きく、車内に不要な荷物が積まれていると燃費性能が低下します。週単位で車内をチェックし、不要な道具や荷物は下ろすことをお勧めします。
定期的なメンテナンスも重要です。タイヤの空気圧が規定値より低いと、走行抵抗が増加して燃費が悪化します。月に一度はガソリンスタンドで空気圧をチェックし、タイヤが冷えた状態で適正値を保つようにしましょう。エンジンオイルも定期交換により、各部品の摩擦抵抗を低減でき、燃費改善に効果があります。
軽トールワゴンの中には、マイルドハイブリッドなしのガソリンエンジン車も設定されています。スズキ「ワゴンR」のベーシックグレード(標準仕様)も、このカテゴリに属します。こうしたモデルは価格が安く抑えられており、購入時の負担が少ないメリットがあります。
一方、スズキ「ワゴンR」のガソリンエンジン版では、マイルドハイブリッド搭載グレード(25.2km/L)と比較して、実燃費性能に大きな差が出にくいという意外な実情もあります。これはスズキがハーテクトプラットフォームによる徹底した軽量化を行い、燃費性能の基本設計そのものが優れているからです。
日産「デイズ」の標準仕様でもスマートシンプルハイブリッド非搭載ですが、2WDで23.2km/Lと良好な燃費性能を持ち、ハイウェイスター(23.3km/L)との差はわずか0.1km/Lに留まります。つまり、軽トールワゴン選びでは、マイルドハイブリッドの有無よりも、基本設計の優れたプラットフォームを持つメーカー選択が、燃費性能を大きく左右する要因となっています。

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