課税対象 非課税対象の違いを知り車の税金や費用を正しく理解しよう

車を購入・維持する際の費用には、課税対象と非課税対象が混在しており、正しく理解しないと予算計画に影響します。自動車税や保険料、車検費用などの課税区分をご存じですか?

課税対象と非課税対象の違い

車の費用における課税区分の基本
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課税対象

車両本体、付属品、整備費用など、商品やサービスの対価として支払う費用

✖️
非課税対象

自賠責保険料や各種行政手数料など、消費税の性格になじまない費用

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不課税(課税対象外)

自動車税や重量税など、税金そのものや預託金として扱われる費用

車を所有する際には、購入費用や維持費として多くの支払いが発生しますが、これらの費用には消費税が課税されるものと課税されないものが存在します。消費税は国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等に課税される税金であり、すべての取引に適用されるわけではありません。車の購入や維持にかかる費用は、課税対象、非課税対象、不課税(課税対象外)の3つに分類され、それぞれ異なる理由で消費税の扱いが決まります。
参考)消費税の非課税取引の具体例と間違いやすい取引を解説!

課税対象となるのは、車両本体や付属品、整備費用、代行手数料など、商品の購入やサービスの提供に対する対価です。これらは事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡やサービスの提供に該当するため、消費税が課税されます。一方、非課税対象は自賠責保険料のように、消費税の性格になじまないものや社会政策的な配慮から消費税を課さない取引です。保険料は消費税法で明確に非課税取引として定められており、「保険料を対価とする役務の提供」は別表第二に含まれています。
参考)営業用の自動車購入時の消費税処理

不課税(課税対象外)に該当するのは、自動車税や自動車重量税などの税金そのものです。これらは税金の支払いであり、事業者が事業として対価を得て行う取引ではないため、消費税の課税対象になりません。また、リサイクル預託金の大部分も、廃車時まで預けられる資金であるため購入時点では役務の提供を受けていないとみなされ、不課税取引となります。ただし、リサイクル料金のうち資金管理料金は購入時点でサービスを受けているため課税対象です。​

課税対象となる車の購入費用と車検費用


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車を購入する際、車両本体価格と付属品には消費税が課税されます。これらは資産の購入やサービスの対価として支払うものであり、消費税法における課税要件を満たすためです。車検時に支払う費用も、その内訳によって課税区分が異なります。整備費用や部品交換費用、修理代、車検手続きの代行料、洗車や代車などの付帯サービス費用は、すべて課税取引に該当します。
参考)車検の仕訳ってどうやるの?基礎知識から実際の仕訳方法までわか…

これらの費用は、整備工場やディーラーが提供するサービスや商品の対価であり、事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等に該当するため、10%の消費税が課税されます。車検の代行手数料も同様に、手続きを代行するサービスの対価として課税対象です。リサイクル料金のうち資金管理料金も、料金の収納・管理・運用というサービスの対価であるため、購入時点で消費税が課税されます。
参考)車検費用の仕訳と消費税処理 - 佐藤経営税務会計事務所‐

事業で使用する車両の場合、これらの課税取引で支払った消費税は仕入税額控除の対象となり、納付すべき消費税額から差し引くことができます。そのため、課税事業者は車両購入や車検時の費用を記帳する際、課税取引と非課税取引、不課税取引を正確に区分することが重要です。消費税の処理を誤ると納税額に影響するため、税務調査で指摘を受けるケースも少なくありません。​

非課税対象となる保険料と行政手数料

自動車に関する費用のうち、自賠責保険料は消費税の非課税対象です。保険料は消費税法第六条および別表第二において「保険料を対価とする役務の提供」として明確に非課税取引に指定されています。これは保険が相互扶助という特殊な性格を持ち、消費税の性格になじまないためです。任意保険を含むすべての保険料が非課税であり、消費税率が変わっても保険料に消費税が上乗せされることはありません。
参考)消費税課税区分について—車両購入を具体例として(R3.9月号…

車検時に支払う法定費用のうち、検査登録手数料や情報技術管理手数料などの行政手数料も非課税取引に該当します。これらは行政機関に支払う手数料であり、税金と類似する性格を持つため消費税が課税されません。車庫証明の取得費用なども同様に非課税です。非課税取引は、課税要件は満たすものの、社会政策的配慮や消費税の性格上、課税することが適当でないとされている取引です。
参考)【確定申告書等作成コーナー】-非課税と不課税の違い

非課税取引で支払った費用は、事業で使用する車両であっても仕入税額控除の対象になりません。そのため、経理処理では課税取引と明確に区別して記帳する必要があります。車検費用の領収書や請求書には、各項目の内訳が記載されているため、それを確認して正確に消費税区分を判定することが求められます。​

課税対象外(不課税)となる税金と預託金

自動車税(種別割)や自動車重量税は、税金そのものの支払いであるため課税対象外(不課税)取引です。これらは国や地方自治体に納付する税金であり、事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等には該当しないため、消費税の課税対象になりません。車検時に支払う印紙代も税金と同様に不課税です。不課税取引は消費税の課税要件を満たさない取引であり、完全に消費税がかからない取引として扱われます。
参考)No.6105 課税の対象|国税庁

リサイクル預託金も基本的に不課税取引です。新車購入時に支払うリサイクル料金は、将来の廃車時にかかる費用を事前に預託するものであり、購入時点では何らサービス等を受けていないため預託金として扱われます。シュレッダーダスト料金、エアバッグ類料金、フロン類料金、情報管理料金は自動車リサイクル促進センターに預託され、廃車時まで管理されるため不課税です。ただし、先述したように資金管理料金だけは購入時点でサービスを受けているため課税対象となります。
参考)クルマのリサイクル料金に消費税はかかる?課税されるタイミング…

新車購入時には、これらの税金やリサイクル預託金は不課税として処理されますが、中古車購入時には扱いが異なる場合があります。中古車購入時に売主に支払う自動車税相当額や自賠責保険料相当額は、税金や保険料そのものではなく購入価額の一部とみなされるため、課税仕入れとして扱われます。これは4月1日時点の所有者である売主が既に納税や支払いを済ませており、買主には納税義務が発生しないためです。
参考)自動車売買における自動車税等について - 税理士法人悠久杉本…

課税対象と非課税対象を正しく見分ける独自視点

車に関する費用の課税区分を正しく判断するためには、その費用が「誰に対して」「何のために」支払われるものかを理解することが重要です。課税対象となるのは民間事業者が提供する商品やサービスの対価であり、非課税対象は社会政策的配慮から消費税を課さない取引、不課税は税金や預託金など消費税の課税要件を満たさない取引です。​
特に注意が必要なのは、新車購入時と中古車購入時で同じ名目の費用でも課税区分が異なる点です。新車購入時の自動車税は買主が納税義務者となるため不課税ですが、中古車購入時に売主に支払う自動車税相当額は購入価額の一部として課税仕入れになります。自賠責保険料も同様で、新車購入時は非課税ですが、中古車購入時に売主に支払う自賠責保険料相当額は課税対象です。これは売主が既に納税・支払済みであり、買主は税金や保険料そのものを支払っているわけではないためです。
参考)https://www.mikagecpa.com/archives/31648/

また、環境性能割(旧自動車取得税)は車の燃費性能に応じて0~3%の税率で課税される地方税であり、不課税取引です。環境性能に優れた車両は非課税となる場合もあり、電気自動車や天然ガス自動車などは環境性能割が非課税です。自動車重量税も環境性能に優れた車両には減免措置があり、エコカーは最大100%の税額免除が適用されます。これらの減税制度を活用することで、車の購入・維持費用を削減できます。
参考)クルマにかかる税金にはどんなものがありますか?

事業で車両を使用する場合、課税取引で支払った消費税は仕入税額控除の対象となるため、正確な経理処理が節税につながります。車検費用や車両購入時の費用を記帳する際は、請求書の内訳を確認し、各項目を課税・非課税・不課税に正しく区分することが重要です。不明な点があれば税理士や会計事務所に相談し、確実な処理を心掛けることで税務調査でのトラブルを避けられます。​

課税対象と非課税対象の理解で得られる節約効果

車の費用における課税対象と非課税対象の違いを理解することで、購入・維持費用の予算計画が正確になり、予期しない出費を防げます。特に事業用車両の場合、課税取引で支払った消費税を仕入税額控除として活用できるため、正確な経理処理が節税に直結します。車両本体や整備費用などの課税対象費用には10%の消費税が含まれているため、高額な車両を購入する際はこの点を考慮した予算設定が必要です。
参考)【2025】車の税金はいくらかかる? 金額や節税方法をわかり…

環境性能に優れた車両を選ぶことで、環境性能割や自動車重量税の減免を受けられ、大幅なコスト削減が可能です。電気自動車や燃料電池自動車は環境性能割が非課税となり、自動車重量税も最大100%免除されます。また、燃費基準を達成したガソリン車やハイブリッド車も、達成度合いに応じて税率が軽減されます。これらの減税制度は期間限定で実施されているため、車の購入時期を検討する際の重要な判断材料となります。
参考)No.7192 自動車重量税のあらまし|国税庁

中古車を購入する場合、自動車税相当額や自賠責保険料相当額が課税対象となることを理解しておけば、見積もり金額の妥当性を判断できます。販売店によっては消費税を明確にしないまま見積もるケースもありますが、購入価額には既に消費税が含まれていることを知っておくことが大切です。個人が家庭用の車を売却する場合は非課税ですが、業者が買い取る際には消費税が考慮されています。こうした仕組みを理解することで、売却時の査定額についても適切な判断ができるようになります。
参考)中古車を売る時の消費税はどうなっている?所得税についても徹底…

車検費用の内訳を理解し、課税・非課税・不課税の区分を把握することで、車検業者の見積もりが適正かどうかを確認できます。整備費用や代行料には消費税が課税されますが、自動車重量税や印紙代、自賠責保険料には消費税がかからないため、これらを合算した総額が妥当であるかをチェックできます。長期的な車の維持費を計算する際にも、どの費用に消費税がかかるのかを把握しておくことで、より正確な資金計画が立てられます。
参考)車検費用の経理処理|京都市北区の世良税理士事務所


課税対象投資家のマニフェスト Lib/E: 一生続くウェルスマネジメント戦略