エネルギー保存の法則エントロピーの関係と自動車

車を運転する人なら知っておきたいエネルギー保存の法則とエントロピーの関係。熱力学の基本から燃費との繋がり、エンジン効率まで詳しく解説します。あなたの愛車の燃費向上に役立つ知識が得られるでしょうか?

エネルギー保存の法則とエントロピーの関係

この記事のポイント
熱力学第一法則と第二法則

エネルギーは保存されるが、質は必ず低下していく自然の法則

🚗
自動車エンジンへの応用

ガソリンの化学エネルギーが運動エネルギーに変換される仕組み

📊
熱効率とエントロピー

エンジン効率の限界とエネルギーの無駄を理解する

エネルギー保存の法則の基礎


【10個まとめ買い】 大塚製薬 カロリーメイト ロングライフ3年・長期保存非常食・チョコレート味(2本入)

 

エネルギー保存の法則は、熱力学第一法則とも呼ばれ、宇宙における物質とエネルギーの総和は常に一定であるという自然界の基本原則です。この法則によれば、エネルギーは形を変えても消えてなくなることはなく、位置エネルギーが運動エネルギーに、あるいは熱エネルギーが力学的エネルギーに相互変換されます。
参考)Entropy - OpenSquareJP|井上貢一研究室

自動車の世界では、この法則が非常に重要な意味を持ちます。ガソリンという化学エネルギーがエンジン内で燃焼し、その熱エネルギーがピストンを動かす力学的エネルギーに変換され、最終的にタイヤの回転という運動エネルギーになります。しかし、この変換過程では必ず損失が発生し、全てのエネルギーが有効に使われるわけではありません。
参考)【今月のまめ知識 第25回】熱とは何か?::NIC アルファ…

エンジンで消費される電気量を減らせば、その相応する分だけ燃費も良くなるという関係があります。これは電装品をエコ製品に替えることで、必要な電気エネルギーが減少し、結果的にガソリン消費も減るという実例で示されます。このように、エネルギー保存の法則を理解することは、燃費改善の糸口となる重要な知識なのです。
参考)https://support-carlife.com/eco-driving/energy.html

エントロピー増大とエネルギーの質的劣化

エネルギー保存の法則では総量が保たれるのに対し、エントロピー増大の法則は「エネルギーの質」に着目した熱力学第二法則です。エントロピーとは、簡単に言えば「乱雑さ」や「使えなくなったエネルギー」の尺度であり、時間とともに必ず増大していきます。
参考)技術が越えられない2つの物理法則|大森 武

物理的には、エネルギーは量として保存されても、その「使える状態」から「使えない状態」へと不可逆的に変化します。温度差があればエネルギーを取り出せますが、熱が周囲に散らばって温度が均一になってしまうと、もはや仕事として取り出すことができません。コーヒーにミルクを入れると自然に混ざり合い、元の状態には戻らないのと同じ原理です。
参考)エネルギー保存の法則、エネルギーの流れ
​youtube​
自動車エンジンにおいて、この法則は非常に重要な意味を持ちます。ガソリンという高品質なエネルギーを燃焼させても、排気ガスとして捨てられる熱エネルギー、部品の摩擦による摩擦損失、エンジン冷却のための冷却損失など、多くのエネルギーが使えない形で散逸してしまいます。熱力学第二法則によれば、エネルギー変換の過程では必ずエントロピーが増大し、100%の効率は理論上も達成できないのです。
参考)熱力学第一法則とは?身近な例でわかりやすく解説

エネルギー保存の法則と自動車の燃費効率

自動車の燃費を物理学的に理解するには、エネルギー保存の法則が不可欠です。車両で使用するエネルギーを減らせば、必要なガソリンも減るという相関関係があり、この理論に基づいた燃費対策が各自動車メーカーで多く見られるようになってきました。
参考)【燃費の物理】ガチの燃費計算 高校物理で理解する燃費

具体的な例として、下り坂ではアクセルを踏まなくても車が進みます。これは引力による落下エネルギーがエンジン動力と同等、もしくはそれ以上のエネルギーとして補われているからです。このように、外部から得られるエネルギーを有効活用することで、ガソリン消費を抑えることができます。​
ハイブリッド車の燃費が良い理由も、エネルギー保存の法則で説明できます。エンジンだけの自動車では、ブレーキ時の運動エネルギーが熱として無駄に捨てられますが、ハイブリッド車は発電機で電気エネルギーに変換して蓄電し、再利用することで総合的なエネルギー効率を高めています。エンジンを最も効率の良い回転数で運転し、余剰エネルギーを電気として蓄えることで、エネルギーの無駄を最小限に抑えているのです。youtube​
参考)自動車のハイブリッドに関して、物理学の「エネルギー保存則」で…

車両の軽量化も燃費向上に直結します。加速時に必要な運動エネルギーは車両質量に比例するため、重量を減らせば必要なエネルギーも減少し、結果的にガソリン消費も減ります。
参考)マルテンサイト鋼の水素ぜい性破壊

エントロピーと自動車エンジンの熱効率の限界

自動車エンジンの熱効率は、エントロピー増大の法則によって根本的な限界が定められています。カルノーサイクルという理論上最も効率の良いエンジンでさえ、高温熱源と低温熱源の温度差によって決まる理論効率を超えることはできません。
参考)https://nagasaki-u.repo.nii.ac.jp/record/7590/files/kyoikuS39_035.pdf

実際のガソリンエンジンの熱効率は約15〜30%程度に過ぎず、投入したエネルギーの半分以上が排気ガス冷却水として無駄に捨てられています。これは、燃焼によって発生した高温の熱エネルギーが、ピストンを動かす仕事に変換される過程で、必ずエントロピーが増大し、使えないエネルギーが発生するためです。youtube​
参考)エネルギーの散逸と熱効率・エクセルギー

ディーゼルエンジンがガソリンエンジンよりも熱効率が良い理由は、より高い圧縮比で作動するため、高温熱源と低温熱源の温度差が大きくなり、カルノー効率の理論上限が高くなるからです。日産は熱効率50%を実現したエンジンを開発していますが、これは従来の常識を覆す画期的な技術と言えます。
参考)http://fnorio.com/0102heat_engine_gas_cycle_1/heat_engine_gas_cycle_1.htm

しかし、どんなに技術が進歩しても、熱力学第二法則という自然の法則を超えることはできません。熱を仕事に変える過程では、必ず低温側に熱を捨てる必要があり、この捨てられる熱がエントロピー増大として表現されます。
参考)熱力学の第一法則と第二法則を理解する [熱力学の基礎②]

エネルギー保存とエントロピーから見る車両運転の最適化

エネルギー保存の法則とエントロピー増大の法則を理解すると、日常の運転で燃費を向上させる具体的な方法が見えてきます。エコドライビングとは、これらの物理法則を実践的に応用した運転技術なのです。
参考)https://www.mdpi.com/1424-8220/21/19/6547/pdf

急加速や急ブレーキは、エネルギーの無駄遣いの典型例です。急加速では大量のガソリンを消費して運動エネルギーを得ますが、急ブレーキではその運動エネルギーを熱エネルギーとして捨ててしまいます。スムーズな加減速を心がけることで、エネルギーの変換ロスを最小限に抑えられます。
参考)https://www.mdpi.com/2071-1050/13/1/226/pdf

意外な事実として、サスペンションの固さも燃費に影響します。柔らかいサスペンションはストロークするたびにエネルギーを消費し、そのエネルギーは熱として散逸します。これもエネルギー保存の法則から考えれば当然の結果と言えます。
参考)http://primzahl.seesaa.net/article/393289741.html

タイヤの空気圧管理も重要です。空気圧が低いと路面との摩擦抵抗が増加し、その分多くのエネルギーが熱として失われます。適正な空気圧を維持することで、エネルギーのロスを減らすことができます。​
エアコンの使用も燃費に大きく影響します。エアコンを動かすにはエンジンの動力が必要であり、その分ガソリン消費が増加します。必要最小限の使用を心がけることで、消費エネルギーを抑えることができます。​
渋滞時のアイドリングストップも効果的です。停車中にエンジンを止めることで、何も仕事をしていない状態でのガソリン消費を防ぐことができます。これらの工夫は全て、エネルギー保存の法則に基づいた合理的な燃費改善策なのです。​
参考:エネルギー保存の法則と燃費の関係について詳しく解説されています
エネルギー保存の法則と燃費との関係 - 職人!?カーライフ
参考:熱力学第一法則の基礎と自動車への応用がわかりやすく説明されています
熱力学第一法則とは?身近な例でわかりやすく解説
参考:エントロピーとエネルギーの質について詳しく学べます
エントロピーとは何か(1) エネルギーの流れの法則

 

 


inゼリー エネルギーロングライフ (180g×36個) もしも 備え 長期保存 防災 備蓄 非常食 inゼリー 森永製菓