積載量を増やしたくて荷台を深くすると、かえって違反になる場合があります。
ダンプトレーラーとは、トラクター(牽引車)がトレーラー側の荷台を引いて走り、荷台部分をダンプアップさせて土砂や砕石などを排出する車両です。通常のダンプトラックと違い、運転席と荷台が切り離されているため、大幅に多い積載量を確保できる点が最大の特徴です。
大型ダンプトラック(いわゆる10トンダンプ)の最大積載量はおよそ7〜11トン程度です。一方でダンプトレーラーは、車両総重量36トンクラスの場合、積載量が25トン前後にまで達するモデルも存在します。これは10トンダンプのおよそ2.5〜3倍に相当し、1回の往復で運べる量が劇的に変わります。
積載量の計算方法は以下の通りです。
$$最大積載量 = 車両総重量 - 車両重量 - (乗車定員 × 55kg)$$
例えば、車両総重量36トン・車両重量約8トンのダンプトレーラーであれば、最大積載量はおよそ28トン前後となります。大型ダンプ10往復分の土砂を、ダンプトレーラーなら約3〜4往復でこなせる計算になります。これが条件次第です。
現場の規模によっては、ダンプトレーラーを1台導入するだけでドライバーの作業効率が3倍近く上がるケースもあります。輸送コストと人件費の両面で大きなメリットになります。
| 車種 | 最大積載量の目安 | 車両総重量 |
|---|---|---|
| 大型ダンプトラック(10トン車) | 約7〜11トン | 約20トン |
| ダンプトレーラー(28トン枠) | 約20〜28トン | 最大28トン |
| ダンプトレーラー(36トン枠・バラ積み緩和) | 約25〜28トン | 最大36トン |
つまり積載量の差は「2倍以上」が基本です。
参考:全日本トラック協会による車両総重量と積載量の解説ページです。制限値の基礎知識を確認できます。
ダンプトレーラーの積載量が大型ダンプを大きく上回る理由のひとつに、「バラ積み緩和」という制度があります。これは土砂・鉄鋼・木材など、分割できない荷物を複数個積載する場合に、軸数を増やすことで1軸あたりの荷重を分散させ、車両総重量の上限を緩和できる仕組みです。
通常、一般道路の車両総重量上限は20トンですが、重さ指定道路では25トン、さらにバラ積み緩和の適用を受けると最大36トンまで引き上げることが可能です。軸重1本あたりの上限が10トン以内であることが条件となります。
具体的な流れとして、まず「基準緩和認定」を運輸支局で取得し、その後「特殊車両通行許可」を国土交通省(道路管理者)に申請するという2段階の手続きが必要です。認定を受けた車両は、車検証に条件が記載され、その範囲内で最大積載量が変わります。これは必須の手続きです。
バラ積み緩和の適用を受けた場合の最大積載量の目安は以下の通りです。
手続きせずに制限を超えた重量で走ると、道路法違反となり行政処分の対象になります。知らなかったでは済まされません。
参考:国土交通省関東地方整備局による特殊車両通行許可申請の留意点をまとめたPDF資料です。申請手続きの詳細が記載されています。
国土交通省 関東地方整備局|特殊車両通行許可申請手続における留意点(PDF)
ダンプトレーラーを含むトラック・トレーラーの過積載は、道路交通法第57条に違反する行為です。1kgでも最大積載量を超えれば違反となり、超過量に応じて段階的に罰則が重くなります。
罰則の内容を整理すると以下のようになります。
| 超過量の割合 | 違反点数 | 罰則内容 |
|---|---|---|
| 5割未満の超過 | 2〜3点 | 反則金(大型車の場合は反則金なし・罰金のみ) |
| 5割以上10割未満の超過 | 3〜6点 | 反則金または6か月以下の懲役・10万円以下の罰金 |
| 10割以上の超過 | 6点 | 免許停止+6か月以下の懲役または10万円以下の罰金 |
違反点数6点は即・免許停止処分です。大型・中型免許を持つドライバーにとって、これは職を失うリスクに直結します。痛いですね。
注意すべきは、ドライバーだけでなく荷主にも責任が及ぶ点です。過積載と知りながら輸送を依頼した荷主に対しては、警察署長から「再発防止命令」が発令され、繰り返し違反した場合は6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられます。現場監督や管理者がこの事実を知らないまま運用しているケースは、法的リスクとして非常に危険な状態です。
過積載を防ぐための現実的な対策として、国土交通省が推奨する「軸重計(車両重量計)の設置」や、積載量管理アプリの活用があります。現場ごとに積載量の上限を可視化できる体制を整えておくと、トラブルの早期防止につながります。確認する手間を惜しまないことが条件です。
参考:過積載の罰則・違反点数について詳しく解説されたチューリッヒ保険のページです。一般ドライバーにもわかりやすい説明があります。
ダンプトレーラーで積載量を最大限に引き出すには、車両総重量の上限は変えられない以上、車両重量(ボディ自体の重さ)を軽くするしかありません。これは業界ではよく知られた方法ですが、素材選びによってその差は想像以上に大きくなります。
近年注目されているのが、スウェーデンのSSAB社が開発した高強度耐摩耗鋼板「HARDOX(ハルドックス)」を採用したボディです。通常の鋼板と比べ板厚を薄くしながら強度を維持できるため、ボディ重量の軽量化に直結します。
具体的には、従来の鋼板仕様と比較してボディ重量を数百kg〜1トン以上削減できるケースもあります。重量が1トン減れば、そのまま積載できる荷物が1トン増える計算です。1日10往復する現場なら、1往復あたり1トン増×10回=10トン分の輸送量アップになります。これは使えそうです。
また、軽量化によって燃費改善にも貢献します。ボディが重ければ重いほど燃料消費は増えるため、軽量化は「積載量の増加」と「燃料費の削減」というダブルの経済効果をもたらします。
ダンプトレーラーのボディを選ぶ際のチェックポイントをまとめると次の通りです。
軽量化と耐久性は以前は相反する要素でしたが、素材技術の進化により両立が可能になりました。ボディ選びが積載量を決めるといっても過言ではない状況です。
参考:HARDOX採用のダンプ車体による積載量アップ事例が紹介されているSSAB公式ページです。素材選びの参考になります。
SSAB Japan|高橋ボデー 車両重量制限を満たし積載量を増やした事例
ダンプトレーラーの運転には、通常の大型ダンプとは異なる免許が必要です。この点を誤解していると、いくら積載量の管理が完璧でも「無免許運転」として検挙されるリスクがあります。
必要な免許は2種類あります。
大型免許だけではダンプトレーラーは運転できません。けん引免許が別途必要です。これが原則です。
けん引免許の合格率は、2022年時点で21.7%と低く、取得難易度は比較的高い免許のひとつです。教習所での取得費用は一般的に15〜20万円程度かかります。さらに視力条件が普通免許より厳しく、両目で0.8以上・片目で0.5以上が求められるため、コンタクトや眼鏡の準備も事前確認が必要です。
日本でダンプトレーラーの普及がそれほど進んでいない背景には、この免許取得のハードルと、車両の全長が長くなることで取り回しが難しくなる点があります。狭い工事現場や住宅地の路地では入れない場所も多く、現場環境によっては選択肢から外れることもあります。厳しいところですね。
それでも積載量の大きさと輸送効率の高さから、大規模土木工事や採石場などの現場では積極的に活用されています。将来的にけん引免許の取得を検討している場合は、指定教習所で合宿コースを選ぶと最短8〜10日程度で取得できる場合もあります。時間的な余裕がある時期にまとめて取得するのが現実的な対策です。
参考:けん引免許の取得費用や合格条件について詳しく解説されたページです。取得を検討している方の参考になります。
チューリッヒ保険会社|牽引免許とは。教習所の取得費用。牽引車の免許がいらないケース

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