バス専用レーンでの違反は「通行帯違反」として処罰され、普通乗用車の場合は反則金6千円と減点1点が科されます。この違反は道路交通法第20条第2項に基づくもので、標識で規制されている時間帯にバス以外の車両がバス専用レーンを通行することで成立します。
2025年6月25日に名古屋市内で実施された大規模な取り締まりでは、わずか1日で118件もの違反が摘発されており、多くのドライバーがバスレーンの規制を正しく理解していない現状が浮き彫りになっています。
違反の取り消しについては、明確な法的根拠がない限り困難とされており、標識の見落としや規制時間の勘違いは免責事由にはなりません。そのため、事前の確認と正しい知識の習得が重要です。
バス専用レーンの規制時間は地域によって大きく異なります。一般的には平日の朝7時から9時、夕方5時から7時といったラッシュ時間帯に設定されることが多いですが、終日専用の場合もあります。
名古屋市の基幹バスレーンでは、平日の午前7時から9時と午後5時から7時の間、基幹バス以外の一般車両の通行が禁止されています。この時間帯以外は一般車両も通行可能ですが、標識の補助標識をしっかり確認することが重要です。
規制時間外であっても、バス優先レーンの場合はバスが接近してきた際に速やかにレーンから出る必要があります。渋滞時など、レーンから出るのが困難と予想される状況では、そもそも通行してはならないとされています。
バス専用レーンがある道路で左折する際は、必ずバス専用レーンに進入して左折しなければなりません。これは道路交通法第34条第1項で定められた「あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄る」という規定に基づくものです。
正しい左折手順は以下の通りです。
中央車線からそのまま左折することは違反行為となり、「あらかじめバス専用レーンに入って左折しなかったので違反」と判定されます。この規則を知らずに違反してしまうドライバーが多いため、特に注意が必要です。
バスレーンでの交通事故は、一般的な道路とは異なる過失割合が適用される場合があります。名古屋市のように道路中央にバス専用レーンが設置されている特殊な構造では、慣れていないドライバーによる事故が頻発しています。
バスレーンは走行が困難なため、慣れていないドライバーは一般車線を走行する傾向があります。そのため渋滞時でもバスレーンだけは空いており、スピード違反で走行する車両も多数存在します。
また、前方のバス停で停車しているバスを追い越すために一般車線に変更し、再びバスレーンに戻る乱暴な運転も見られます。このような行為は事故リスクを高めるだけでなく、複数の交通違反に該当する可能性があります。
バスレーンでの事故では、違反車両の過失割合が高くなる傾向があり、保険金の支払いにも影響を与える可能性があります。
バスレーン違反を防ぐためには、まず標識の正確な読み取りが重要です。「バス専用」と「バス優先」の違いを理解し、補助標識で規制時間を確認する習慣をつけましょう。
運転前の準備として、以下の点を確認することをおすすめします。
特に慣れない地域を運転する際は、余裕を持ったスケジュールで移動し、標識を見落とさないよう注意深く運転することが大切です。また、バスレーンが道路中央に設置されている名古屋市のような特殊な構造の道路では、対向車線との衝突リスクも高まるため、より一層の注意が必要です。
違反を避けるためには、「分からない時は入らない」という原則を守り、安全な一般車線を利用することも重要な選択肢の一つです。