凍結防止 塩化カルシウム 融雪 効果 理由

冬の道路や駐車場の凍結対策に欠かせない塩化カルシウムの融雪剤。吸湿性と凝固点降下という2つの科学的メカニズムで、氷点下の環境でも高い効果を発揮する仕組みとは?自動車を安全に走行させるために知っておくべき、塩化カルシウムの正体と効果的な使用方法について、詳しく解説します。

凍結防止 塩化カルシウムの融雪メカニズム

凍結防止剤の役割と効果
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凝固点降下による凍結防止

水の凝固点は通常0℃ですが、塩化カルシウムが水に溶けると凍る温度が-50℃程度まで低下します

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吸湿性と発熱による融雪

空気中の水分を吸収する際に多量の溶解熱を発生させ、雪や氷を素早く溶かします

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交通安全の維持

路面凍結を防ぐことで、自動車のスリップ事故や歩行者の転倒を防止します

凍結防止 塩化カルシウムの化学的性質

 

塩化カルシウムは、ガラスや粉末洗剤の原料となるソーダ灰を製造する際にできる副産物です。カルシウムと塩素の化合物で、水に溶けやすく、極めて高い吸湿性を持つ特性があります。この化学的性質が、冬期の凍結防止に最適な理由となっています。

 

塩化カルシウムが水に溶ける際には、大量の溶解熱が発生します。この熱エネルギーにより、路面上の雪や氷を効率的に溶かすことができます。特に、氷点下の厳しい環境でも効果を発揮する点が、他の凍結防止剤と異なる大きな利点です。一般的に、1平方メートルあたり50~200グラムの散布が基準とされており、気温や氷雪の厚み、道路状況に応じて散布量を調整する必要があります。

 

凍結防止 塩化カルシウムと塩化ナトリウムの違い

凍結防止剤には主に2つの種類があります。塩化カルシウムと塩化ナトリウム(原塩)です。塩化カルシウムは融雪効果に優れ、即効性があるため、凍結しやすい橋のたもとや急な坂道など、特に危険な箇所に使用されます。一方、塩化ナトリウムは安価で持続性に優れており、高速道路や一般道路に広く用いられています。

 

塩化カルシウムは1平方メートルあたり50~200グラムの散布が基準であるのに対し、塩化ナトリウムは1平方メートルあたり20グラムの散布基準となっています。国土交通省国土技術製作総合研究所の調査によると、全使用量の約70%は塩化ナトリウムが占めており、コスト面での優位性が大きく影響しています。しかし、気温が大きく低下する地域では、塩化カルシウムの即効性が交通安全を確保する上で重要です。

 

凍結防止 塩化カルシウムの散布タイミングと効果的な使用方法

塩化カルシウムの効果を最大限に発揮するには、散布のタイミングが重要です。降雪・凍結時期の前に予防散布を行うことで、積雪を防ぎ、積雪量を減らす効果が期待できます。ホームセンターなどで袋入りで販売されており、自宅周辺の融雪に使用する人も多くいます。

 

散布量は1平方メートルあたり1キログラム程度を目安に、ムラなく均一に散布することで効果を最大限に発揮できます。特に積雪後の散布は避けるべきです。融雪した後の水分が自然蒸発しにくくなり、泥濘やクレイ舗装の表面を傷める可能性があるためです。北海道では2人に1人が実際に凍結防止剤を使用した経験があるほど、降雪地帯では必須アイテムとなっています。

 

凍結防止 塩化カルシウムの多機能性と季節外の活用

塩化カルシウムの用途は冬期の凍結防止だけではありません。優れた吸湿性を活かし、一年を通して様々な場面で活用できます。グラウンドや園庭などの屋外施設では、砂ぼこりや雑草問題の解決に効果的です。

 

砂ぼこり抑制の仕組みは、塩化カルシウムの吸湿性により地面に散布すると水分を保持し、砂埃の発生を抑える効果があります。乾燥した日や強風が予想される日に特に有効です。さらに、土壌の塩分濃度を高めることで、雑草が生えにくくなり、雑草の手入れの手間を省くことができます。土に混ぜ込むことでさらに効果が高まり、水はけや砂ぼこりの問題をより効果的に改善できます。補修後の効果は使用頻度により異なりますが、おおよそ2~3年程度持続します。

 

凍結防止 塩化カルシウム使用時の重要な注意点

塩化カルシウムは強力な凍結防止効果を持つ一方で、使用時には注意が必要です。直接素手で触れないようにしてください。また、塩化カルシウムは金属を腐食させる可能性があるため、金属製の遊具やフェンスなどへの付着に注意が必要です。付着した場合は速やかに水で洗い流すことが推奨されています。

 

自動車への影響も無視できません。雪道を走行した車は、塩化カルシウムが付着したことによる錆の進行を防ぐため、小まめに洗車を行うようにしてください。また、植物への悪影響も懸念されます。土壌の塩分濃度が濃くなると、植生に悪影響を及ぼすため、植栽が近い場所への散布は慎重に行うべきです。適切に使用すれば人体や環境への影響は比較的少ないとされていますが、大量に吸い込んだり直接触れたりすると健康被害を引き起こす可能性があります。

 

凍結防止剤についての詳細は、以下の参考資料をご覧ください。

 

ウェザーニュース - 道路脇の凍結防止剤(融雪剤)使用の注意点
国土交通省国土技術製作総合研究所資料No.412における凍結防止剤散布と沿道環境に関する調査結果

 

 


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