食品表示法のガイドラインは、加工食品、生鮮食品、添加物を販売する全ての食品関連事業者を対象としています。製造者、加工者、輸入者、販売者など流通過程の全ての事業者に表示義務が生じます。特に海外から農産物を輸入する業者も対象となるため、国内外を問わず食品表示基準への適合が必須条件です。設備を設けて飲食させる場合や容器包装に入れずに販売する場合、無償譲渡の場合には表示義務が免除される特例もあります。
食品関連事業者等の表示責任は重大であり、違反した場合は指示命令、公表、業務停止命令が発せられます。さらに命令に違反すれば1年以下の懲役または100万円以下の罰金、法人は1億円以下の罰金に処せられることがあります。このため、ガイドラインに完全に準拠した表示体制の構築が急務です。
食品表示基準は細かく規定されており、食品の種類や販売形態により要求事項が異なるため、自社製品に関するルールを漏れなく把握することが重要です。消費者庁のウェブサイトやガイドラインを定期的に確認し、改正内容に対応する時間的余裕を持つことが推奨されます。
加工食品の原材料表示は、使用量の多い順に記載する「重量順表示」が原則です。食品表示基準では原材料と添加物を明確に区分することが義務付けられており、スラッシュ記号やコロン、改行などで視覚的に分ける必要があります。2022年4月1日からは全ての加工食品(輸入品を除く)について、最も多く用いられている原材料の産地表示が義務化されました。
産地表示方法には「国別重量順表示」「製造地表示」「又は表示」「大括り表示」など複数の方法が認められており、企業は最適な方法を選択できます。原材料名に主要原材料を冠する場合、その名称が実際の主要原材料と一致していなければなりません。名称に冠すべき主要原材料が2種類以上混合している場合は、1種類のみを冠することは認められず、複数記載するか適切な表現に変更する必要があります。
新製品で業界内にも名称が広く通用していない場合、社会通念上判断できる一般的な名称を使用すれば認められます。商品名に近接した箇所に一般的な名称を明瞭に表示する場合には、一括表示部分での名称表示を省略することも可能です。
食品表示基準では、特定原材料8品目のアレルギー表示が義務付けられています。対象品目はえび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)です。加えて20品目の特定原材料に準ずるものについて、表示が推奨されています。推奨品目にはアーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンが含まれます。
アレルゲンの表示方法は、原材料表示の原材料直後に括弧を付して「原材料名(〇〇を含む)」「添加物名(〇〇由来)」と個別表示することが基本です。ただし記載スペースが限定される場合、原材料欄もしくは添加物欄の最後に「一部に小麦・大豆・ごまを含む」とまとめて表示する方法も認められています。同一の特定原材料が複数箇所に含まれている場合は、そのうちいずれかに表示すれば、それ以外の省略が可能です。
2025年4月より、これまで推奨表示だった特定原材料に準ずるもので新たに表示が義務化される品目が出る予定です。最新情報の確認と表示の見直しが必要です。外食や店頭販売の対面販売は表示義務の対象外であり、任意表示であっても法規定に則ったものではないことに注意が必要です。
2022年3月30日に消費者庁が公表した「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」は、2024年4月から本格的に適用されています。このガイドラインは、食品表示基準第9条の表示禁止事項に該当するか否かの判断基準を示し、事業者が消費者に誤認等を与えないよう留意が必要な具体例を10類型に分類しています。
禁止される表示の第1類型は「単なる無添加の表示」で、対象が消費者にとって不明確な表示です。第2類型は「食品表示基準に規定されていない用語を使用した表示」で、「人工甘味料不使用」など、人工、合成、化学、天然等の用語を使用する場合です。第3類型は「食品添加物の使用が法令で認められていない食品への表示」で、例えば清涼飲料水に「ソルビン酸不使用」と表示することは法律違反です。
第4類型は「同一機能・類似機能を持つ食品添加物を使用した食品への表示」で、保存料以外の日持ち向上目的添加物を使用しながら「保存料不使用」と表示することが該当します。第5類型は「同一機能・類似機能を持つ原材料を使用した食品への表示」で、アミノ酸含有抽出物を使用しながら「調味料不使用」と表示するケースです。第6類型は「健康、安全と関連付ける表示」で、体に良い、安全であることの理由として無添加を表示することが禁止されています。
第7類型は「健康、安全以外と関連付ける表示」で、おいしい理由や保存方法として無添加を関連付ける場合です。開封後に言及せずに「保存料不使用のためお早めに」と表示することも該当します。第8類型は「食品添加物の使用が予期されていない食品への表示」で、同種製品で着色料が一般的に使用されていない場合に不使用を強調することが問題です。第9類型は「加工助剤、キャリーオーバーとして使用されている食品への表示」で、原材料に使用されている添加物について最終製品で不使用と表示することは許されません。
第10類型は「過度に強調された表示」で、商品の多くの箇所に過剰に目立つ色で無添加を記載したり、大きく「無添加」と表示して側に小さく限定事項を記載することが該当します。このガイドラインに対応するため、企業には2年間の猶予期間が設定されており、2024年3月末までに表示の見直しが求められています。
食品表示基準により、一般用加工食品には栄養成分表示の義務化が定められています。表示対象成分は熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量)の5項目で、特に熱量とこれら5つの栄養成分を「栄養成分表」に一視野内に表示することが基本です。表示方法は100gまたは100ml当たりの含有量で示され、別途1食分当たりの含有量を表示することも可能です。
食品表示基準では一定の食品については栄養成分表示の義務が免除されます。対象外食品には小規模企業者が販売する加工食品、容器包装されていない加工食品、極めて少ない数の様式を使用する加工食品などが含まれます。生鮮食品は原則的に栄養成分表示義務がありませんが、任意で表示する場合は基準に従う必要があります。業務用加工食品についても栄養成分表示は原則的に義務外です。
ただし、生鮮食品や業務用加工食品であっても、販売者が任意で栄養成分表示を行う場合には、食品表示基準に完全に従わなければなりません。栄養成分値の測定には検査機関による分析が必要とされ、科学的根拠に基づいた数値の提示が求められます。表示に使用する文字サイズは8ポイント以上が基本ですが、表示可能面積がおおむね150平方センチメートル以下の場合は5.5ポイント以上で認められています。
消費者向けに販売する食品のパッケージ、ラベル、ポップなどへの正確な栄養成分表示は、消費者が適切な食品選択をするための基本情報です。近年の健康志向の高まりと食生活の多様化に対応して、より詳細で正確な栄養情報提供が期待されています。
弁護士法人直法律事務所による食品表示法における表示ルールの詳細解説では、食品添加物の無添加・不使用表示の考え方、禁止表示の具体例、最新の改正内容が網羅的に説明されています。
厚生労働省の食品表示についての資料では、食品表示基準の基本的な規定、義務表示事項の詳細が公式に記載されています。
東京都保健医療局による一般用加工食品のアレルゲン表示ページでは、特定原材料と推奨表示品目、表示方法が具体的に説明されています。
それでは、検索結果とフェッチ結果を基に、ブログ記事を作成します。