初代マツダ・ロードスター(NA型)は1989年に登場し、「ユーノス・ロードスター」として販売されました 。当時のスーパーカーブームの影響を受け、日本でも多くのスポーツカーがリトラクタブルヘッドライトを採用していましたが、ロードスターは親しみやすい丸みを帯びた顔つきに仕上げられました 。
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リトラクタブルヘッドライトは、無灯火時にはボンネット内に収納され、夜間にライトスイッチをオンにするとパカッと浮かび上がる仕組みです 。この機構により、車のフロントノーズを低くスタイリッシュに見せることができ、空気抵抗を減らすメリットもありました 。かつてはアメリカのカリフォルニア州で「ヘッドライトの位置は地上24インチ(約61cm)以上」という法規があり、低いノーズと法規制を両立するためにも欠かせませんでした 。
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初代ロードスター(NA型)には、主に2種類のエンジンが搭載されています 。前期型のNA6型には1.6リッター直列4気筒DOHC自然吸気のB6-ZE型エンジンが採用され、最高出力は125PS、最大トルクは14.5kg・mを発生します 。
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後期型のNA8型には1.8リッター直列4気筒DOHC自然吸気のBP-ZE型エンジンが搭載され、排気量アップにより145PSの出力を実現しています 。このエンジンは2代目ロードスター(NB型)にも引き継がれ、ロードスターの基盤となる動力源として活躍しました 。
参考)マツダ・B型エンジン - Wikipedia
マツダはライトウェイトスポーツカーのコンセプトを重視し、馬力競争よりも軽量化と操縦安定性、運転操作の的確さにこだわりました 。この思想により、ロードスターは「人馬一体」の走りを実現する特別な存在となっています 。
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現在、リトラクタブルヘッドライト仕様のロードスターは中古車市場で注目されています 。新車では現在購入できないリトラクタブルヘッドライトを搭載した車として、希少性が高まっているためです 。
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中古車情報サイトでは、走行距離58,000km、車検令和9年5月のリトラクタブルヘッドライト付きロードスターが支払総額129万円で販売されている例もあります 。修復歴がなく、社外アルミホイール、エアコン、パワステなど基本装備が整った状態でこの価格帯となっています 。
コスパ重視で選ぶ場合、旧型のソフトトップ車なら50万円以下の中古車も出回っており 、リトラクタブルヘッドライトの魅力を手頃な価格で楽しむことができます 。
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リトラクタブルヘッドライトが姿を消した主な理由は、歩行者保護に関する法規制の強化です 。点灯時にヘッドライトが突出した状態で歩行者と接触した場合、大きなダメージを与える可能性が高くなるとされています 。
加えて、リトラクタブルヘッドライトの開閉機構は固定式に比べて複雑で、部品点数が多くコストが高くなります 。重量増による燃費悪化や、ライトオン状態での空力性能低下も問題となりました 。
しかし、現在の21世紀の技術をもってすれば、これらの課題を克服できる可能性もあります 。軽量化技術の進歩や、歩行者保護を考慮したソフトリトラクタブル機構の開発など、新たなアプローチが期待されています 。
リトラクタブルヘッドライト車のメンテナンスには、専門知識を持つショップや工場が必要です 。特にモーター関連のトラブルでは、全国対応の修理サービスも存在します 。
参考)ヘッドライトリフトの修理(リトラクタブル・ヘッドライト)
リトラクタブルヘッドライトのモーター修理を専門に行う業者では、宅配便による全国対応サービスを提供しています 。ただし、コントロールユニット付きモーターの一部仕様については修理受付ができない場合もあり、塩害や焼き付きなど損傷が激しい場合は修理不可となることもあります 。
トヨタのAE91スプリンタートレノなど同世代の車種では、リレー内部のハンダクラックやコンデンサの容量抜けによる「ウインク症状」(片側だけ動作する不具合)も報告されており 、定期的な電子部品のメンテナンスも重要です 。
参考)トヨタ旧車のリトラ不具合|AE91トレノ 片目リレー修理|8…