リコール修理の通知が届いたとき、「代車は当然タダで借りられるはず」と思いながらディーラーに連絡した結果、「代車の用意はございません」「費用がかかります」と言われて困惑した経験はないでしょうか。
代車はリコールの際に当然タダで借りられると思っている人が大半です。
しかし、これは半分正解で半分間違いです。リコール修理自体(部品代・工賃・消費税)は、道路運送車両法に基づきすべてメーカーが負担する義務があります。完全無料です。
問題は「代車」の扱いです。代車の提供は法律上メーカーや販売店に課せられた義務ではなく、各ディーラーの「サービス」として行われています。そのため、無料で提供してくれるディーラーもあれば、有料の場合もありますし、そもそも代車がないと断られるケースも少なくありません。
実際、修理期間が5日〜1週間かかると伝えたにもかかわらず「代車は一切用意していない」と言われたという事例が弁護士相談サイトにも複数寄せられています。車で通勤している人にとって、これは死活問題です。
有料の場合の相場は1日あたり5,000〜10,000円が目安で、仮に1週間借りると最大7万円の自己負担が発生することになります。これは修理代が無料でも、見えないところで大きな出費につながります。
つまり無料なのは修理だけです。
修理に関連して発生する「代車費用」「陸送費(修理工場が遠い場合)」「ガソリン代」は、原則としてユーザー側の負担となります。リコール修理の通知が来たら、真っ先に代車の有無と費用を確認することが重要です。
参考:リコール修理費用の法的根拠や代車費用の扱いについて詳しく解説されています。
リコール中の費用って、メーカーが負担すべきじゃないの?|LEGALUS
費用をかけずに代車を借りるには、「タイミング」と「伝え方」が鍵です。
最も重要なのは、修理の予約を入れると同時に代車の有無と費用について確認することです。修理当日に初めて「代車をください」と言っても、台数に限りがあるため断られることがあります。特にリコール発表直後は、同じ車種のオーナーが一斉に修理の予約を入れるため、代車の争奪戦になることもあります。
実際の交渉の流れはシンプルです。
「強く交渉すれば何でもタダになる」というわけではありませんが、担当者が見落としているサービスを引き出せることは十分あります。特に、修理期間が3日以上かかる場合や、通勤・仕事に車が必要な事情を伝えると、ディーラー側が柔軟に対応してくれることがあります。
これが基本の手順です。
また、すでに有料で代車を借りた後であっても、明細書や領収書を保管しておくことを強くおすすめします。修理前に自費で支払った修理代がリコール対象だと後から判明した場合、返金対応されるケースがあります。同様の考え方で、代車費用の交渉もあきらめず確認する価値があります。
代車が必要かどうかは、修理にかかる期間次第です。
リコール修理の期間は内容によって大きく異なります。簡単なプログラム書き換えや部品交換であれば数時間〜半日で完了し、代車は不要なことがほとんどです。一方、エアバッグや燃料系部品、ブレーキ関連のリコールでは、部品の取り寄せに時間がかかり、1週間以上の入庫が必要なケースもあります。
実際、ホンダ・フィットの特定のリコール案件では、部品不足によって1か月以上入庫が長引いた事例もネット上で確認できます(価格.comの掲示板より)。
修理期間の目安をジャンル別に整理すると以下のようになります。
| リコール内容 | 修理期間の目安 | 代車の必要性 |
|---|---|---|
| ソフトウェア・プログラム更新 | 数時間〜半日 | 不要なことが多い |
| エアバッグ部品交換 | 半日〜2日 | 内容による |
| 燃料系・冷却系の交換 | 2日〜1週間 | 必要になるケース多い |
| 部品の取り寄せが必要な修理 | 1週間〜1か月以上 | ほぼ必須 |
部品待ちが長引くかどうかは、予約時点では分からないことも多いです。
そのため、「今日すぐ修理が終わりますか?」と確認するひと手間が大切です。特に大規模なリコールが発表された直後は、部品が全国規模で不足しやすく、通常より期間が延びることが多々あります。
部品待ちになる可能性を事前に把握しておけば、代車の予約や職場への連絡といった準備をスムーズに進められます。これが条件です。
参考:国土交通省のリコール情報検索では、自分の車台番号でリコール対象かどうかを無料で調べることができます。
代車を借りている最中に事故を起こしてしまった、という話は珍しくありません。
修理中の代車で事故が起きた場合、「ディーラーの車だからディーラーが対応してくれる」と思っている人は要注意です。原則として、代車の修理費は「借りた人(運転していた人)」が負担することになります。
これは民法の使用貸借・賃貸借の規定に基づくもので、他人の物を借りた以上、損傷を与えた場合は賠償責任を負うというシンプルなルールです。
自費で全額支払うのは痛いですね。
ただし、ご自身の自動車保険に「他車運転特約(他車運転危険補償特約)」が付帯されている場合、自分の保険を代車に適用できる可能性があります。この特約は多くの任意保険に自動付帯されていますが、適用には以下の条件があります。
さらに見落としがちなのが「NOC(ノン・オペレーション・チャージ)」です。これは修理期間中にその代車を他の客に貸し出せなくなったことによる営業損失補償で、レンタカーの場合は自走可能なら約2万円、自走不能なら約5万円が一般的な相場です。このNOCは保険対象外となることが多く、現金で別途請求されるケースがあります。
代車を借りる前に、保険証券を確認することを強くおすすめします。具体的には「他車運転特約の有無」「車両保険のタイプ(一般型かエコノミー型か)」の2点を確認するだけでいざという時の安心感がまったく違います。アプリやWebページで確認できる保険会社が増えているので、スマホで数分で確認できます。
参考:代車での事故時の保険適用条件や、NOCの注意点について詳しく解説されています。
代車で事故!修理代はどうなる?「他車運転特約」は使える?|アイカーマガジン
実はリコール修理に限らず、代車を借りた際に多いトラブルの一つが「返却時のガソリン問題」です。
基本ルールはシンプルで、「借りた状態と同じ燃料量で返す」ことです。満タンで借りたなら満タンで返す。半分で借りたなら半分に戻して返す。この認識がないままだとトラブルになることがあります。意外ですね。
ただし、リコール修理のために数時間程度しか動かさない場合(ディーラーへの往復程度)は、ガソリンがほとんど減らないため補充不要と判断されるケースが多いです。一方、部品待ちで1週間以上借りた場合は、通勤や日常使用でガソリンをかなり消費するため、返却前に給油するのがマナーです。
以下の点を借りる際に確認しておくとスムーズです。
車体の傷については特に重要です。
「返却時に知らない傷の弁償を求められた」というトラブルは、毎年一定数発生しています。借りる前のチェックを怠ると、もともとついていた傷を自分がつけたものとして請求されるリスクがあります。写真を撮っておくだけで十分な予防策になります。これは必須です。
なお、代車のガソリンの種類(レギュラー・ハイオク・軽油)を間違えると、エンジンに深刻なダメージを与えることがあります。特に代車がディーゼル車やハイブリッド車の場合は、給油前に必ずフューエルリッドのラベルで確認してください。
「修理に出すのが面倒だから」とリコール通知を放置している方は、今すぐ対応することを強くおすすめします。
リコールを放置した状態で車を走らせ続けることは、単に「壊れる可能性がある」という話ではありません。国土交通省の公式見解によれば、「道路運送車両法により、自動車ユーザーには自分の車が保安基準を常に満たすように維持する義務がある」とされています。
つまり、リコール修理を怠った状態で事故が起きた場合、「メーカーの欠陥が原因でしょ」と思っていても、修理を怠ったユーザー側の責任を問われることがあるのです。保険がおりないケースや、賠償責任が増える可能性もあります。
また、タカタ製エアバッグのリコールのように、保安部品にかかわる内容であれば車検に通らないケースもあります。車検に通らなければ公道を走れなくなるため、修理費ゼロのリコールを放置した結果として代車代や陸送費など、かえって余計なコストが発生する可能性があります。
さらに、リコール発表から時間が経つと部品の供給が安定してくるメリットはありますが、一方で発表直後に修理に行った方が部品が潤沢なケースも多くあります。国土交通省のサイトや購入先のディーラーに問い合わせることで、最新の部品供給状況を確認できます。リコールを確認したらすぐ行動するが原則です。
| リコール放置のリスク | 影響の深刻度 |
|---|---|
| 不具合による事故発生 | ★★★★★(生命に関わる) |
| ユーザー側の法的責任 | ★★★★☆(賠償額が増える) |
| 車検不合格 | ★★★☆☆(公道走行不可) |
| 売却査定額の低下 | ★★☆☆☆(中古価格に影響) |
代車を借りること自体よりも、修理を後回しにすることの方が、長期的に見てリスクが高い選択です。
参考:リコール放置による法的責任についての国土交通省の公式Q&Aです。

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