RAV4のオフロードパッケージは街乗りだけに使うと、むしろ維持費が余計にかかる仕様になっている。
RAV4 Adventure「OFFROAD package Ⅱ」(オフロードパッケージⅡ)は、2022年10月4日に登場した特別仕様車だ。ベースはAdventureグレードで、そこから内外装をオフロード色に大幅強化したモデルになっている。
最も目を引くのは、「GORI GORI BLACK(ゴリゴリブラック)塗装」と呼ばれる特別仕様の塗装だ。ドアミラーカバー・スキッドプレート(フロント/リヤ)・フロントバンパー(ツートーン車)に採用されており、艶を抑えたマットな質感が無骨さを演出している。一般的なグロス塗装とは異なり、塗料を重ねることで生まれる凸凹のある表情が、ミリタリー感を際立たせている。これはオフロードパッケージⅡならではの専用仕様だ。
外装の変更点をまとめると以下の通りとなる。
ホイールはベースのAdventureが19インチであるのに対して、オフロードパッケージでは18インチにインチダウンしている。インチを下げることでサイドウォールの厚みが増し、岩や段差でのホイールへのダメージを軽減するという合理的な設計だ。意外に思うかもしれないが、「インチダウン=格下げ」ではなくオフロード性能のために必要な変更である点が重要になる。
ルーフレールは販売店オプションのクロスバー(税込46,200円)を追加することで、ルーフキャリアとして機能するブリッジ型を採用している。自転車やサーフボードなどを積載したいアウトドア派にとって、実用性の高い装備といえるだろう。
🔗 トヨタ公式:RAV4 Adventure "OFFROAD package Ⅱ" 特別仕様車 詳細ページ(外装・内装・装備の全スペックを確認できる公式情報)
外装の変化が大きいオフロードパッケージだが、内装にも専用仕様が用意されている。インテリアはブラックを基調に、レッドのアクセントを随所に配置した専用配色が採用されている。これは標準のAdventureにはない専用カラーリングだ。
具体的な変更点は以下の通りとなる。
| 項目 | オフロードパッケージⅡ | ベースのAdventure |
|---|---|---|
| シート表皮 | 専用合成皮革(パーフォレーション付)+レッドステッチ | 専用合成皮革(パーフォレーション付) |
| インパネ | レッドステッチ+専用マーク(レーザー刻印) | 標準仕様 |
| センタートレイ | 専用配色[レッド+ブラック] | 標準配色 |
| ドアトリム | レッドステッチ | 標準仕様 |
シートのパーフォレーション(細かい穴加工)は長時間ドライブでの蒸れを軽減する機能面のメリットもある。レッドステッチは装飾だけでなく、縫製の強度を高める役割も果たしており、実用性と美観を両立した仕様になっているといえる。
つまり内外装ともに「オフロード感の演出」と「実用性の強化」が同時に実現されているということだ。アドベンチャーと比較すると、オフロードパッケージはまさに特別な一台という位置づけになる。
なお、GORI GORI BLACK塗装のスキッドプレートセットなど、一部パーツはアドベンチャーへの後付け・単品購入も可能になっている。全装備を丸ごとアドベンチャーに追加することはできないが、外観の一部をオフロードパッケージ仕様に近づけることはできる。
オフロードパッケージⅡの新車価格は、ガソリン車(4WD)が388万4,000円、ハイブリッド車(E-Four)が450万3,000円(旧5代目・2022年10月改良時の価格)となっている。
ベースのAdventureと比較すると価格差は次の通りだ。
| グレード | ガソリン車(4WD) | ハイブリッド(E-Four) |
|---|---|---|
| Adventure | 368万4,000円 | 430万3,000円 |
| Adventure OFFROAD package Ⅱ | 388万4,000円 | 450万3,000円 |
| 差額 | +20万円 |
ガソリン・ハイブリッドともにAdventureとの差額は約20万円だ。この20万円でGORI GORI BLACK塗装、オールテレインタイヤ、専用サスペンション、ルーフレール、専用内装が一式付いてくると考えると、個別にオプションを揃えるよりも割安感がある。
これは使えそうな情報だ。例えばルーフレールのクロスバー(46,200円)や専用タイヤ&ホイールセットを単品で揃えると、それだけで10〜15万円程度はかかる計算になる。差額20万円の中にはそれらが含まれているうえ、最低地上高アップの専用サスペンションチューニングなどは後付け不可な内容も多い。
なお、値引きなしの乗り出し価格(諸費用込み)ではガソリン車で約453万円前後になるケースが一般的だ。購入時には車両本体価格に加えて、自動車税・登録費・保険料・リサイクル料などの諸費用が15〜20万円程度上乗せされる点を念頭に置いておく必要がある。
🔗 KINTO:RAV4 Adventure "OFFROAD package Ⅱ"とAdventureの違い(価格・装備比較表あり)
オフロードパッケージを購入する前に、意外と見落とされがちな「維持費への影響」について確認しておきたい。まず燃費だ。
ハイブリッドのオフロードパッケージⅡの公称燃費(WLTCモード)は、ベースのアドベンチャーHEV(約20.6km/L)に対して18.5km/L前後と、若干悪化する傾向がある。みんカラの給油情報(4,000件以上の実績データ)では実燃費の平均が約17.6km/Lと報告されており、アドベンチャーHEVの18.5km/Lより約1km/L低い数値だ。
燃費悪化の主な原因は、オールテレインタイヤの「転がり抵抗の高さ」にある。A/Tタイヤは路面をグリップするためにブロックが動きやすく変形しやすい構造になっており、走るためのエネルギーがゴムの変形熱として逃げてしまいやすい。さらにタイヤ自体の重量もオンロード用と比べると重いため、バネ下重量が増し、発進・加速時のモーター負荷が増える。燃費悪化に注意すれば大丈夫だ。
年間走行距離を1万kmと仮定した場合、ガソリン代(170円/Lとして)の差は以下のようになる。
年換算では大きな差ではないものの、10年乗ると約4万7,000円の差になる点は把握しておきたい。
また、タイヤ交換費用も要注意だ。純正の225/60R18オールテレインタイヤは4本交換で15〜20万円が相場とされ、一般的な19インチのオンロードタイヤと比較しても割高になりやすい。街乗り中心の使い方なら、タイヤライフが早く消耗する傾向もある。オフロード走行をほとんどしない場合は、ハイウェイテレーン(H/T)タイヤや静粛性の高いコンフォートタイヤへの履き替えも選択肢の一つとして検討する価値がある。
🔗 タイヤ教科書:RAV4オフパケ2のタイヤ仕様・交換・スタッドレス選びの完全ガイド(純正スペックからタイヤ交換の費用感まで詳しく解説)
RAV4は世界的に人気の高いSUVで、輸出需要も含めてリセールバリュー(下取り・買取価格)が全体的に高い傾向にある。これはオフロードパッケージも例外ではない。
3年落ち(2023年式)のハイブリッドアドベンチャー・オフロードパッケージⅡの残価率は74.6〜83.9%とデータ上は高水準だ。新車価格453万円のモデルが3年後に約334〜377万円の買取相場で推移しているということになる。これはクルマの減価として非常に優秀な数字で、同クラスのSUVと比較しても見劣りしない。
ただし、ここで注意が必要になる。5年落ちのガソリン車・オフロードパッケージⅡになると残価率は59.6〜77.5%とやや幅が広がっており、コンディションや走行距離によって査定額に大きな差が出る。特にガソリン車のオフロードパッケージは、ハイブリッドと比較すると平均7〜8%ほどリセール率が低くなる傾向があるため注意が必要だ。
リセールに影響するポイントをまとめると以下の通りとなる。
5代目RAV4(2019〜2025年)は2025年12月に6代目へフルモデルチェンジが実施された。新型では「Z」「Adventure」「GR SPORT」の3スタイルに再編成され、ガソリン車が廃止されHEV・PHEVに統一されている。旧型となった5代目のオフロードパッケージは希少価値が出てくる可能性がある一方、新型の登場によって旧型の中古相場が少しずつ調整される可能性もある。購入・売却どちらを検討している場合も、2026年現在の最新相場を一括査定サービスなどで確認してから動くことを推奨したい。
🔗 合同会社アント(元ディーラー監修):RAV4のリセールバリューをグレード・年式・色別に詳しく解説(3年落ち・5年落ち・7年落ち別の具体的な残価率データを掲載)