二級国道一覧と特徴を知る道路区分の歴史

かつて存在した二級国道は現在の一般国道にどう統合されたのか。3桁国道の番号の意味と、道路管理の変遷について詳しく解説します。あなたの走る国道にも歴史がありますか?

二級国道一覧の全容

二級国道の基本情報
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指定路線数

1953年から1965年まで存在し、最終的に171路線が指定されました

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総延長距離

全国で約14,847kmの路線が二級国道として整備されていました

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路線番号の範囲

国道101号から国道271号までの3桁番号が付与されていました

二級国道は、1952年(昭和27年)6月10日に公布された道路法によって定められた道路の種類で、1965年(昭和40年)4月1日の道路法改正により一般国道に統合されるまで存在していました。自動車を利用するドライバーにとって、現在走っている3桁国道の多くがこの二級国道の系譜を引き継いでいることは興味深い事実です。
参考)二級国道 - Wikipedia

二級国道の指定は1953年(昭和28年)5月に144路線から始まり、その後段階的に追加や統合が行われました。最終的には国道101号から国道271号まで、合計171路線が二級国道として指定されていましたが、一部は一級国道への昇格や他路線との統合により欠番となっています。
参考)国道にも存在する格差、その「待遇」はどれくらい違う?

二級国道一覧の指定要件と定義

二級国道として指定されるためには、道路法第6条で定められた4つの要件のいずれかを満たす必要がありました。
参考)二級国道とは - わかりやすく解説 Weblio辞書

まず第一の要件は、都道府県庁所在地および人口10万人以上の市(重要都市)を相互に連絡する道路です。この基準により、地域の主要都市間を結ぶ幹線道路が二級国道として位置づけられました。例えば、国道171号「京都神戸線」は両都市を結ぶ重要な連絡路として機能していました。​
第二の要件は、重要都市と一級国道を連絡する道路です。これにより、地方の主要都市から国の基幹道路網へアクセスする路線が整備されました。国道210号「久留米別府線」などがこの役割を果たしていました。​
第三の要件として、港湾法で特に規定された港または建設大臣が指定する重要な飛行場、国際観光上重要な地と一級国道を連絡する道路が挙げられます。いわゆる「港国道」と呼ばれる路線で、国道130号「東京港線」、国道131号「羽田空港線」、国道132号「川崎港線」、国道154号「名古屋港線」などが該当しました。​
第四の要件は、二つ以上の市を連結して一級国道に達する道路です。地方の複数都市を経由して国の幹線道路網に接続する役割を担っていました。​

二級国道一覧に見る路線番号の法則

二級国道の路線番号には明確な規則性があり、すべて3桁の番号が付与されていました。これは一級国道が1桁または2桁の番号を使用していたことと対照的です。
参考)国道番号の付け方と歴史的変遷の謎

現在の国道には59号から100号、109号から111号、214号から216号まで、合計48個の欠番が存在していますが、この背景には二級国道の再編の歴史があります。特に109号から111号の欠番は、1963年(昭和38年)の路線再編により生まれたものです。国道109号「横手古川線」は国道108号に統合され、国道110号「仙台山形線」は一級国道48号に昇格、国道111号「八戸仙台線」は一級国道45号に統合されました。​
214号から216号の欠番についても、1963年の再編時に国道214号「島原諫早線」、国道215号「島原宇土線」、国道216号「熊本大分線」の3路線が統合されて一級国道57号に昇格したことで生じました。これらの路線は九州地方の交通の要衝を結ぶ重要路線だったため、一級国道への格上げが決定されました。​
一級国道と二級国道の路線番号の付け方には、法令上の扱いにも違いがありました。一級国道は路線名が「一号線」のように番号で与えられていたのに対し、二級国道は「能代青森線」のように起点と終点の地名からなる路線名が与えられていました。​

二級国道一覧における管理体制の特徴

二級国道の大きな特徴は、その管理体制にありました。一級国道が国による直接管理であったのに対し、二級国道は特別な事情がある場合を除き、新設、改築、維持、修繕その他の管理は都道府県知事が行うものとされていました。​
この管理区分は、1965年の道路法改正後も「直轄国道」と「補助国道」という形で引き継がれています。直轄国道における国の負担割合は、新設と改築が3分の2、維持と修繕が100%であるのに対し、補助国道では新設と改築が2分の1、修繕が2分の1以内、維持が0%と大きな開きがあります。
参考)国道だからといって国がすべてを管理するわけじゃない! 管理者…

この違いは、道路整備の進捗状況にも影響を与えてきました。直轄国道は国が積極的に整備を進める一方、補助国道は都道府県の財政状況に左右されるため、地域によって整備状況に格差が生じることになりました。
参考)https://www.pref.okinawa.jp/machizukuri/dorokotsu/1012976/1012977/1012978.html

現在でも、かつての一級国道を引き継いだ1桁・2桁国道と、二級国道を引き継いだ3桁国道では、道路の規格や整備水準に違いが見られることがあります。これは半世紀以上前の道路区分が、今なお日本の道路ネットワークに影響を及ぼしていることを示しています。​

二級国道一覧の路線指定の実際

二級国道の路線指定にあたっては、科学的な選定プロセスが採用されました。当初は膨大な候補路線が挙げられたため、客観的な基準による絞り込みが必要でした。​
選定方法として、まず国土係数理論の採用が検討されましたが、最終的には沿道単位あたり人口と単位あたり交通量によって算出する「路線値」が用いられました。この路線値によって、各候補路線の重要度を数値化し、優先順位を決定する仕組みが構築されました。​
しかし、路線値だけでは地域ごとの格差が大きかったため、一級国道とともに構築される路線密度、今後の新設・改築の費用、道路の緊密度なども考慮に入れられました。これらの総合的な判断により、総延長1万4847キロメートルが二級国道として最終指定されることとなりました。​
具体的な路線の例を挙げると、北海道では国道227号「函館江差線」から国道244号「網走斜里根室線」まで、東北では国道101号「青森能代線」から国道125号「佐原熊谷線」まで、関東では国道126号「銚子千葉線」から国道146号「長野原軽井沢線」まで、多数の路線が指定されていました。これらの路線は現在も一般国道として、地域の重要な交通インフラの役割を果たしています。
参考)一般国道 - Wikipedia

二級国道一覧から一般国道への統合過程

1965年(昭和40年)4月1日の道路法改正により、一級国道と二級国道の区分が廃止され、すべて一般国道に統合されました。この改正は、日本の道路行政における大きな転換点となりました。​
統合前の段階的な再編も注目に値します。1956年(昭和31年)7月の第二次指定では、主要地方道の中から7路線が二級国道に追加されました。逆に1958年(昭和33年)9月の一級国道第二次指定では、二級国道3路線が一級国道に昇格しています。​
1962年(昭和37年)5月の第三次指定では、二級国道16路線が一級国道に昇格すると同時に、主に主要地方道の中から33路線が新たに二級国道として追加指定されました。そして1963年(昭和38年)3月に国道271号「小田原厚木線」が最後の二級国道として追加路線指定を受けました。​
この統合により、路線番号は基本的に維持されましたが、路線名の扱いが変更されました。旧二級国道の地名を組み合わせた路線名は、一般国道への統合後も参考情報として使用されていますが、正式な路線名としては番号が用いられるようになりました。​
統合後の道路整備においては、旧一級国道を引き継いだ路線と旧二級国道を引き継いだ路線の間で、予算配分や整備優先度に違いが生じることもありました。これは直轄国道と補助国道という新たな区分が設けられたためです。​
現在、私たちが日常的に利用している3桁国道の多くは、この二級国道の歴史を背負っています。道路標識で見かける3桁の番号には、60年以上前の道路行政の決断が反映されており、地域の発展を支えてきた歴史が刻まれているのです。​
Wikipedia - 二級国道
二級国道の定義、指定要件、全路線の一覧など、詳細な歴史的情報が記載されています。

 

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