クラウンヴェルファイアは、トヨタが中国市場向けに開発した専用高級ミニバンです。日本で製造されたヴェルファイアをベースに、中国の富裕層向けにクラウンのブランドを冠した仕様として販売されています。30系ヴェルファイアハイブリッドE-Four後期型の7人乗り仕様が採用され、フロントグリルには大型のクラウンエンブレムが装着されるという特徴があります。
このモデルは一汽トヨタが販売元となり、中国での販売価格は839,000元~920,000元(日本円換算で約1,421万~1,558万円)です。クラウンヴェルファイアはメイドインジャパンの品質を保ちながら、中国市場特有の「面子(メンツ)」を重視する文化に対応した仕上がりとなっており、ビジネスユースや送迎用途を主なターゲットにしています。
日本国内での正規販売は行われていないため、国内でこのモデルを入手するには個人での逆輸入が主な方法となります。逆輸入によって、このプレミアム仕様を日本に持ち込むユーザーが増えつつあり、自動車愛好家の間で話題を集めているのです。
クラウンヴェルファイアの最大の特徴は、ヴェルファイアとは異なるプレミアムな外観設計にあります。フロントグリル中央に配置された大型の王冠エンブレムは、遠くからでも高級感を演出する重要な要素です。通常のヴェルファイアではトヨタマークが使用されますが、クラウンヴェルファイアでは威厳ある王冠マークが目印となります。
ヘッドライトの造形やメッキパーツの使用においても、単なる装飾的な役割だけでなく、全体の統一感を高める工夫がされています。ボディカラーは重厚感のあるトーンが多く用意されており、停車時にも「絵になる」ミニバンとしての存在感を発揮します。フロントバンパーやリア周りのデザインは基本的に日本仕様と同じですが、細部のメッキ加飾が異なることで、高級セダンのような品格を備えた印象に仕上がっています。
この外観は、単なるミニバンではなく「移動する応接室」というコンセプトを視覚的に表現しており、中国市場での成功要因となっています。逆輸入を検討するユーザーにとって、この独特の外観は大きな魅力であり、国内で同じスタイルのミニバンは他に存在しないという点が大きなアドバンテージとなっているのです。
クラウンヴェルファイアの内装は、後席中心に設計された高級空間として際立っています。インフォテインメント・モニターにはクラウンの王冠ロゴが表示され、ステアリングハンドルやインパネはヴェルファイアと同等ですが、シート素材やアンビエントライトの仕様が大きく異なります。
2列目のキャプテンシートには、電動リクライニング機能とオットマン機能が備わり、ファーストクラスのようなくつろぎを実現しています。木目調パネルとレザーの質感が調和した内装は、落ち着きと華やかさを同時に演出し、車内での時間を快適な体験へと変えます。
照明システムも工夫されており、柔らかなアンビエントライトが夜間走行時の雰囲気を損なわない設計となっています。後席空間全体が「くつろぎ」を追求した構成で、単なる移動ではなく上質な時間の提供が目指されています。ステアリング中央にはトヨタマークが配置されていますが、全体的な内装品質はセダン級のクオリティを備えており、ビジネス用途での使用を想定した仕上がりになっています。
両モデルともに2.5Lのハイブリッドシステムを搭載していますが、走行フィールに微妙な違いが存在します。クラウンヴェルファイアは重厚感のある乗り心地に調整されており、発進時や低速走行時の静粛性が特に優れています。エンジン音は耳障りにならず、加速はスムーズで、アクセルペダルの反応が洗練されている点が特徴です。
サスペンションは柔らかめに調整されているため、路面の凹凸を感じにくく、乗員の揺れが最小限に抑えられています。これにより、後席の乗員が長時間の移動でも疲れにくい設計となっています。燃費性能は標準ヴェルファイアと同等レベルのWLTC約15km/L前後を実現し、経済性も配慮されています。
高速走行時の安定感も卓越しており、ハイブリッドシステムの最適な制御により、ミニバンとは思えぬほどのスムーズな走行体験が得られます。ただし、普段使いの場面では大きな性能差を感じることは少ないかもしれませんが、長距離運行やビジネスユースでは、その上質さが顕著に表れる設計になっています。
クラウンヴェルファイアを日本に逆輸入する際には、複数の重要な課題が存在します。まず、中国で販売されているモデルは左ハンドル仕様となっているため、日本での走行に対応させるには右ハンドル化改造が必要になります。この改造には専門的な技術と相応の費用がかかり、完成度の高い改造業者の選定が重要です。
税金・諸費用の問題も無視できません。逆輸入車は日本への輸入登録手続きが必要で、諸費用や関税、登録費用など複数の支出が発生します。さらに、部品供給の課題があり、クラウンヴェルファイア専用部品の入手が困難な場合があります。ヴェルファイア共通部品は対応可能ですが、特別仕様部品については中国からの取り寄せが必要になる可能性があり、修理期間が長くなることが懸念されます。
保証面でも注意が必要です。正規販売モデルではないため、購入後のトヨタディーラーでの保証対象外となる場合があり、信頼できる専門業者との契約が重要です。走行距離がリセットされていないか、事故歴がないか、といった経歴確認も必須項目です。逆輸入のメリットとこれらのリスクを慎重に天秤にかけた上で、購入判断を行うことが求められます。
クラウンヴェルファイアは中国市場で大きな成功を収めていますが、その背景には中国特有の市場ニーズへの理解があります。中国ではアルファードが爆売れしており、新車入手が困難な状況が続いていました。その一方で、富裕層の間では「より高級感のあるミニバン」を求める需要が存在していたのです。
クラウンブランドは中国市場でも「高級」と「信頼」の象徴として認識されており、これをミニバンに冠することで、セダン以上のステータス性を付与することに成功しています。中国文化における「面子」の重視という価値観に対応した戦略が採用されており、7人乗り仕様で2列目キャプテンシートを採用することで、「客人をおもてなしする」という高級な用途を想定した設計になっています。
また、メイドインジャパンの品質を保ちながら、現地ニーズに合わせた仕上げを実施したことで、高級感と信頼性を両立させています。価格設定もアルファードと同等に調整され、アルファード入手が困難な購買層を取り込む戦略が機能しています。この成功モデルが、逆輸入ユーザーにも魅力的に映り、日本国内での関心が高まっているのです。
クラウンヴェルファイア 逆輸入に関する詳細情報
ベストカーの記事では、中国市場でのクラウンヴェルファイアの販売状況とアルファードとの関係性について詳しく解説されています。
ポチモのコラムでは、クラウンヴェルファイアと標準ヴェルファイアの詳細な比較分析が掲載されており、装備・性能・価格面での違いが明確にされています。

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