立体交差する道路相互間、または近接する道路相互間を連絡路によって立体的に接続する施設がインターチェンジです。本線車線と変速車線および連絡路で構成され、有料道路に通じる場合には料金所が必ず併設されます。インターチェンジの基本構造は、上り線の出入り口と下り線の出入り口を備えており、4方向からのアクセスが可能な設計となっています。これにより、ドライバーは一般道から高速道路へのスムーズな流入、あるいは高速道路から一般道への円滑な流出が実現します。
インターチェンジは日本全国に約400~500ヶ所存在し、高速道路の基本的な出入り口として機能しています。本線への流入出口として機能する一方通行の道路「ランプ」が設けられ、十分な加速距離を確保することで、本線の交通流にスムーズに合流できる設計になっています。この設計思想により、高速道路の効率的な運用と安全性が両立しています。
ジャンクション(JCT)は高速道路相互を直接接続するインターチェンジのことであり、通常のインターチェンジとは異なる概念として区別されています。複数の高速道路をつなぐ立体的な施設であり、同じ高速ネットワーク内での移動を可能にします。ジャンクションの主な特徴は、料金徴収施設が併設されていない点で、これは既に高速道路利用者である車両が別の高速道路に乗り継ぐための施設だからです。
複数の高速道路が交差または近接する箇所に設置されるジャンクションは、全国の主要幹線道路の要所に配置されています。例えば、首都圏の複雑な高速ネットワークでは、複数のジャンクションが連携して、異なる高速道路間のシームレスな乗り継ぎを実現しています。この設計により、遠距離運送や広域ドライブが効率的に行われています。
インターチェンジは標準的な4方向アクセス型だけでなく、様々なバリエーションが存在します。ハーフインターチェンジは2方向のみが機能するタイプで、出入口付近が混雑する場所や特定方向への走行需要が少ない場所に設置されています。クォーターインターチェンジは1方向のみが開放されているもので、「〇〇入口」「〇〇出口」と単一機能で表記されることが多いです。
スマートインターチェンジはETC搭載車両のみが通行できる高度な施設で、本来のインターチェンジよりもコンパクトな設計になっています。SA・PA接続型とは、サービスエリアやパーキングエリアに接続されたスマートインターチェンジを指し、既存施設の活用により効率的に配置されています。本線直結型は高速道路の本線に直接接続されるもので、より多くのルート選択肢を提供します。地域活性化を目的とした地域活性化インターチェンジは、地方公共団体が主体となり周辺地域の経済効果を狙ったものです。
ジャンクション付近は交通流が複雑になるため、特に注意が必要です。複数の高速道路の車線が交錯し、多くのドライバーが異なるルートへの分岐を選択する地点であるため、周囲の車両の動きをよく確認する必要があります。国土交通省の「逆走事案のデータ分析結果」では、高速道路における逆走事案の約6割がインターチェンジとジャンクション付近で発生しているという重要な統計があります。
目的のジャンクションを過ぎてしまった場合、高速道路上でのUターンや後退は絶対に禁止されており、必ず次の出口まで走行して対応する必要があります。分岐地点では早めの車線変更を心がけ、走行ルートを事前に確認することが安全運転のコツです。高速道路の一方通行という原則を常に念頭に置き、標識や案内板を注視することが重要です。
インターチェンジには通常、料金所が併設されており、通行料金の徴収が行われます。一般道から高速道路に入る際や高速道路から一般道へ出る際に、現金やクレジットカードでの支払いが必要です。ETC車載器を搭載している場合、料金所手前で速度20km/h以下に減速し、徐行しながら走行することでETC専用レーンが利用でき、停車せずに通過できます。
一方、ジャンクションには料金所が併設されていません。これは、ジャンクションを通過する車両がすでに高速道路の利用料金を支払っているためであり、別の高速道路への乗り継ぎが料金的に一連のものとして扱われるからです。スマートインターチェンジの場合、ETC専用であるため、開閉バー手前で必ず一時停止が求められ、通常のインターチェンジのETC専用レーンとは異なります。この料金システムの違いは、高速道路ネットワークの効率的な運用を支えています。
国土交通省「道の相談室」:インターチェンジ・ジャンクションの公式定義と規格基準について詳しく解説されています。
GAZOO提供記事:高速道路の走行時注意点とインターチェンジ種類別のドライバー向けガイド。