表示灯パナソニックの選び方と設置基準を解説

パナソニックの表示灯は防災設備の位置を知らせる重要な機器です。屋外型や埋込型など種類も豊富で、LED化により省電力を実現しています。消防法の設置基準や選び方のポイントを知っていますか?

表示灯パナソニックの基礎知識

パナソニック表示灯の3つのポイント
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消防設備の位置を明示

赤い光で消火栓や発信機の場所を知らせ、10m離れた場所からでも視認可能な設計

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LED光源で省電力

従来の蛍光灯から高輝度LEDへ進化し、消費電流9mA(DC24V時)の低消費電力を実現

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屋外型は防水仕様

防水パッキン付きで雨線内での使用が可能、IPX3相当の防水性能を備える

パナソニックの表示灯は、自動火災報知設備や消火栓などの防災設備の位置を明確に示すための重要な機器です。商業施設やビル、マンションなどで赤く点灯しているランプを見かけたことがある方も多いでしょう。表示灯は万が一の火災時に、消防設備の場所を素早く特定できるように常時点灯している必要があります。
参考)表示灯・発信機・音響装置

パナソニックでは、リング型表示灯とフラット型表示灯を中心に、用途に応じた多様なラインアップを展開しています。近年ではLED光源を採用することで、従来の蛍光灯式と比較して大幅な省電力化を実現しており、消費電流はDC/AC24V時でわずか9mAという低消費電力設計となっています。
参考)表示灯 屋外型 BV8047| 株式会社プロサス|防災・消防…

表示灯の設置は消防法で厳格に規定されており、取り付け面から15度以上の角度となる方向に沿って10m離れた場所から点灯が容易に識別できる位置に設置することが義務付けられています。この基準を満たすことで、煙や暗闇の中でも消防設備の位置を的確に把握できるようになっています。
参考)https://minakami.co.jp/equipment/construction/light

表示灯パナソニックの種類と型番の特徴

 

パナソニックの表示灯には、設置場所や用途に応じて複数の種類が用意されています。主な分類として、屋内型と屋外型があり、屋外型には防水パッキンが付属してIPX3相当の防水性能を備えています。
参考)https://www.monotaro.com/g/04954277/

リング型表示灯は、消火栓ボックスなどに取り付けられる代表的なタイプで、スッキリとしたデザインが特徴です。フラット取付とかんたん取付を選択できる柔軟性があり、施工性にも配慮されています。埋込型のフラット型表示灯(BV8081など)は、壁面に埋め込んで設置するタイプで、より洗練された外観を実現できます。
参考)https://www.bousai1.jp/shopdetail/000000011706/

屋外型の表示灯BV8047は、防水パッキンが付属し雨線内での使用が可能な設計となっています。使用周囲温度は-10℃から+50℃までと幅広く、質量は約68gと軽量です。この型番はBV8044Kの後継品として開発され、より高性能な仕様となっています。​
LED光源を採用した表示灯用LED球(BV8024K2330など)は、定格電圧AC/DC24V、定格電流9mA(DC24V時)で赤色の光を発します。E12口金を採用し、直径13mm×全長25mmのコンパクトサイズながら、高い視認性を確保しています。
参考)表示灯用LED球 BV8024K2330| 株式会社プロサス…

表示灯パナソニックの設置基準と消防法の要件

表示灯の設置には、消防法施行規則第28条の3に基づく厳格な基準が定められています。表示灯は発信機の直近に設け、赤色のもので常時点灯し、取付面と15度以上の角度となる方向に沿って10m離れた場所から点灯していることが容易に識別できることが求められます。
参考)~* 表示灯について *~

設置位置は、消火栓箱等の発信機の直近に設け、通行の支障とならず、かつ見やすい位置とする必要があります。商業施設やオフィスでは、棚や商品、観葉植物などで表示灯が隠れないように注意が必要で、消防設備の前に物を置くことは禁止されています。
参考)消防設備の場所を知らせる表示灯の役割と設置基準とは

施工方法においては、確実に取り付けることが重要で、使用ランプの定格が指定される場合は指定された定格以外のランプは使用できません。配線は確実に端子等に接続し、雨水のかかるおそれのある場所に取り付ける場合は、配線等(ボックス)に雨水が浸入しないように措置する必要があります。​
消火栓用表示灯の直近に発信機(消火栓連動を含む)を設けた場合は、自動火災報知設備の表示灯を設けないことができるという例外規定もあります。これにより、設備の重複を避け、コスト削減と施工の簡素化を図ることができます。​

表示灯パナソニックのLED化によるメリット

パナソニックの表示灯は、従来の蛍光灯からLEDへの転換により、多くのメリットを実現しています。最も大きな利点は省電力性で、消費電流が大幅に削減されており、DC24V時で9mAという極めて低い消費電力を達成しています。​
LED光源は長寿命であることも特徴の一つです。従来の直管形蛍光ランプは1年から2年、コンパクト形蛍光ランプは約半年から1年で交換が必要でしたが、LED光源はメーカーの公表値に基づく長期間の使用が可能となっています。これにより、メンテナンスの頻度を大幅に削減し、ランニングコストの低減に貢献します。
参考)防災照明器具の保守・点検

発熱が少ないこともLEDの重要な利点です。旧式の蛍光灯式誘導灯は長時間の使用による蛍光灯の熱の影響を受けやすく、表示面が変色する恐れがありましたが、現行のLED式では熱で変色する心配がありません。これにより、表示板の視認性を長期間維持できます。
参考)誘導灯とは?その種類や基礎知識について解説します

視認性の向上も見逃せないポイントです。ハイパワーLEDを採用したモデルでは、屋外太陽光の直下でも優れた視認性を発揮します。赤色LEDと緑色LEDを各4個搭載し、約9000mcdの高輝度を実現することで、明るい環境下でも確実に認識できるようになっています。
参考)https://www.monotaro.com/k/store/%E3%83%91%E3%83%8A%E3%82%BD%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%20%E8%A1%A8%E7%A4%BA%E7%81%AF/

表示灯パナソニックの交換時期とメンテナンス方法

表示灯の適切なメンテナンスは、緊急時に確実に機能するために不可欠です。誘導灯や表示灯には、ランプモニタと充電モニタが設けられており、これらの点滅が交換時期のサインとなります。誘導灯の下部に設置されているモニターを定期的に確認することで、交換が必要な時期を把握できます。
参考)誘導灯バッテリー・ランプの交換費用|交換時期は点滅が合図?

誘導灯表示板の寿命は6年から10年が目安とされています。表示板は設置時と比較すると表示面が汚れて視認性が低下することがあるため、適正なメンテナンスが推奨されます。また、表示板のランプが暗くなったり、消灯している場合も早急な交換が必要です。​
防災照明器具の点検については、自主点検は1年に1回、専門家による点検は3年に1回実施することが推奨されています。トンネル用内照式表示灯の交換推奨時期は10年とされており、定期的な点検と適切な時期での交換が求められます。
参考)トンネル用内照式表示灯

製造年月日と認定マークの色により、対策が異なります。青色マークで1996年4月から2002年3月製造の器具は交換が推奨され、2002年4月以降のものは点検し、不具合が見つかれば部品交換または器具交換を行う必要があります。部品とはランプ、蓄電池、誘導灯表示板を指します。​

表示灯パナソニックと車載用照明の意外な共通点

表示灯の技術は、建物の防災設備だけでなく、トンネルなどのインフラ施設にも応用されています。パナソニックのトンネル用内照式表示灯は、トンネルの出口や非常駐車帯、非常電話の位置を示し、非常時の適切な対応をサポートする重要な役割を担っています。​
トンネル用表示灯では、導光板を必要としない新しい点灯方式の開発により軽量化を実現しています。S1タイプでは従来の導光式と比較して質量が60kgから53kgへ約12%減、消費電力が63Wから32Wへ約49%削減されました。万一ガラスが破損してもガラスのみの交換が可能で、蓄電池の交換も反射板を外すことなく行えるため、メンテナンス性が大幅に向上しています。​
光が届きにくい部分にマイルドブライトコーティングの反射板を設置することで、片側からの光だけで均斉度を確保する技術も採用されています。さらに初期照度補正機能により節電効果を高め、環境負荷の低減にも貢献しています。​
これらの技術は、自動車のトンネル走行時の安全性向上に直接関係しており、ドライバーにとって重要な情報を提供する照明システムとなっています。表示灯の高輝度化と省電力化の技術は、車載用照明や道路照明の分野でも応用が進んでおり、より安全で快適な運転環境の実現に貢献しています。​

 

 


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