グローブボックス ダッシュボード 違いと役割、車内収納の正しい使い分け

助手席前の収納スペースであるグローブボックスとダッシュボードの違いを正確に理解していますか?車検証の保管場所として使われるこれらのパーツ、実は意味も範囲も全く異なります。名前の由来や役割の違い、正しい使い方を知ることで、より安全で快適なカーライフを送れるのではないでしょうか?

グローブボックス ダッシュボード 違い

📝 グローブボックスとダッシュボードの基本
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グローブボックス

助手席前の収納スペース。車検証や小物を入れる専用ボックス。

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ダッシュボード

フロントガラス下の内装全体。計器類やエアコンが組み込まれた部分。

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包含関係

グローブボックスはダッシュボードの一部。ダッシュボードは内装フロント全体を指す。

グローブボックスとダッシュボードの位置関係


車検証や小物類を仕切って整理 グローブボックスをスッキリ収納 『車用グローブボックス仕切り』1個
車のインテリアにおいて、グローブボックスとダッシュボードは混同されやすいパーツですが、実際には明確な違いがあります。グローブボックスとは、助手席の前方にある収納スペースのことで、ボックス型の引き出し構造になっているのが一般的です。一方、ダッシュボードは運転席から助手席にかけてのフロントガラス下全体を指す言葉であり、エンジンルームと居室を隔てる壁としての役割を持っています。

 

つまり、グローブボックスはダッシュボードに含まれるパーツの一部ということになります。ダッシュボードには、スピードメーターやタコメーターなどの計器類、エアコン操作パネル、ナビゲーションディスプレイ、そしてグローブボックスなど、多くの装備が組み込まれています。日常会話で「車検証をダッシュボードに入れておいて」という表現が使われることがありますが、厳密には「グローブボックスに入れておいて」が正しい表現です。

 

しかし、実際にはダッシュボードという表現で助手席前の収納スペースを指すことも広く認識されているため、どちらで表現しても間違いとは言えません。重要なのは、グローブボックスが具体的な収納部分を指すのに対し、ダッシュボードはより広い範囲の内装フロント全体を指すという違いを理解することです。

 

グローブボックスの名前の由来と歴史

グローブボックスという名称には、自動車の歴史が深く関わっています。この名前の由来には主に2つの説があり、1つ目は運転用のグローブを収納する場所だったという説です。パワーアシストのない木製ステアリングが一般的だった時代、多くのドライバーが運転時にグローブを着用しており、すぐに取り出せる場所として助手席前の収納スペースが活用されていました。

 

2つ目は、整備用のグローブを収納する場所だったという説です。昔の車は故障が頻繁に発生し、道端で修理が必要になることも珍しくありませんでした。そのため、エンジンルームの点検や修理に使用するグローブをいつでも取り出せるように保管していたことから、グローブボックスと呼ばれるようになったとされています。

 

いずれの説も、手袋(グローブ)の収納に役立っていたことが共通しており、当時の自動車事情を反映した名称といえます。現在では、ドライビンググローブを着用する一般ドライバーは減り、車の故障も少なくなったため、本来の用途で使われることは少なくなりました。しかし、名称だけは今も受け継がれ、車検証や自賠責保険証などの重要書類を収納する場所として定着しています。

 

ダッシュボードの名前の由来と役割

ダッシュボードという名称の起源は、自動車よりもさらに古く、馬車の時代にまで遡ります。馬車の運転席には、馬が跳ね上げた泥や小石を防ぐためのボード(板)が設置されていました。この泥除けボードが英語で「Dashboard」、つまり「泥がたたきつけられる(Dash)板(Board)」と呼ばれていたのです。

 

自動車が登場した当初も、この馬車の構造を受け継ぎ、車体前部に板状の壁が設置されていました。1920年代に入ると、エンジンと運転席を分ける隔壁へと変化し、現代ではメーターやエアコン、ナビゲーションなどが設置される機能的なパネルへと進化しています。ダッシュボードの役割は、単なる装飾パネルではなく、エンジンルームの熱や汚れを車内に流入させない重要な壁としての機能を持っています。

 

さらに、ダッシュボードには緩衝材やエアバッグが組み込まれており、衝突時の衝撃から乗員を守る安全装備としての役割も担っています。各自動車メーカーは、デザイン性と機能性を両立させたダッシュボードを開発しており、車種ごとに個性が如実に表れる部分でもあります。木目調のシートが貼られたものや金属でコーティングされたものなど、多様なデザインが展開されています。

 

グローブボックス収納の注意点と活用方法

グローブボックスは便利な収納スペースですが、使い方を誤ると危険性もあります。最も注意すべき点は、高温による危険性です。グローブボックスは助手席側ダッシュボード下に位置しており、外気温や車内温度の影響を受けやすい場所にあります。特に夏場の青空駐車では、ダッシュボードの素材が熱を吸収しやすいため、グローブボックス内も高温になります。

 

この高温状態では、ガスライターやスプレー缶、モバイルバッテリーなどの電子機器は発熱や発火、爆発の危険性があります。実際に、何気なく入れたライターが火災の原因となった事例も報告されているため、夏季は特に注意が必要です。また、精密機器も高温に弱いため、長時間の収納には向きません。車内を離れる際は、熱に弱いものは必ず取り出しておくことが望ましいです。

 

もう一つの注意点は、詰めすぎによる使いづらさです。グローブボックスは多くの容量を持っていますが、無理に詰め込みすぎると奥の物が取り出しにくくなります。特に奥に物が落ちてしまうと、グローブボックスの取り外しが必要になるケースもあります。適度に整理して使うことが、長持ちさせるコツです。

 

グローブボックスに収納すべきもの

グローブボックスに最優先で収納すべきものは、車検証と自賠責保険証明証です。車検証は自動車運送車両法第66条により、自動車検査証を備え付けることが義務付けられています。また、自賠責保険証明証も自動車損害賠償保障法第8条により、車両への備え付けが必須とされています。これらの重要書類を紛失しないためにも、セットで保管しておくのが良いでしょう。

 

ただし、最近の軽自動車やコンパクトカーでは、室内スペースを広く取るためにグローブボックスが縮小され、車検証が入らないほど狭いスペースしかないモデルもあります。日産デイズや三菱ekクロスでは、この問題を受けてドアの内張に別途、車検証専用の収納スペースが設けられています。車検証を入れてしまうと他の物が入らないという不満の声を受けた改善例といえます。

 

その他、グローブボックスに入れておくと便利なものとして、取扱説明書、ティッシュボックス、ウェットティッシュ、滑り止め付きの手袋や軍手(パンク修理時に使用)などが挙げられます。かつてはCDやMD、カセットテープなどの音楽メディアの収納場所としても活用されていましたが、音楽配信サービスの普及により、その用途は減少しています。

 

カーセブンマガジン - 車のダッシュボードとはどこ?いまさら聞けない車の常識
グローブボックスとダッシュボードの基本的な違いや、各部位の役割について詳しく解説されています。

 

norico - 車のダッシュボードとはどこを指す?他の部位との違いや掃除方法
ダッシュボードの範囲や、インパネとの関係性について図解付きで分かりやすく説明しています。

 

グローブボックスの冷房機能という意外な活用法

あまり知られていませんが、一部の車種にはグローブボックスに冷房機能が搭載されているモデルがあります。特にボルボの一部車種では、グローブボックス内に雪のマークのついたレバーがあり、このレバーを操作するとエアコンの冷気がグローブボックス内に流れ込み、ちょっとした冷蔵庫として機能します。

 

この保冷機能を活用すれば、コンビニで購入した冷たい飲み物を長時間冷たいまま保存できます。夏の暑い日には特に重宝する機能で、長距離ドライブの際にも便利です。ただし、この機能はエアコンが作動している状態でなければ使用できないため、車を離れる際にはエンジンを切る前に中身を取り出す必要があります。

 

保冷機能の使い方は簡単で、グローブボックス内のレバーを車内方向またはグローブボックス方向に動かすだけで、オンオフを切り替えることができます。この機能は全ての車種に搭載されているわけではありませんが、対応車種をお持ちの方はぜひ一度試してみる価値があります。飲料だけでなく、溶けやすいチョコレートなどのお菓子の保存にも活用できる便利な機能です。

 

ボルボ・カーつくば - 車に冷蔵庫
ボルボ車のグローブボックス保冷機能について、実際の使い方や注意点が詳しく紹介されています。

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