ご当地ナンバーは2025年10月時点で全国74種類が交付されています。正式名称は「新たな地域名表示ナンバープレート」といい、地域振興や観光振興を目的として2006年に制度が開始されました。これまで4回の導入拡大が行われ、最新の第4弾では2025年5月7日から「十勝」「日光」「江戸川」「南信州」「安曇野」の5地域が新たに加わりました。
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導入地域は北海道から沖縄まで全国に広がっており、各地域の特色を反映した名称が採用されています。第1弾では2006年10月10日に「仙台」「会津」「那須」「高崎」「川口」「成田」「柏」「市川」「藤沢」「伊豆」「一宮」「春日井」「豊田」「鈴鹿」「堺」「倉敷」「下関」「諫早」など19地域から始まり、その後段階的に拡大されてきました。
参考)自動車:図柄ナンバープレート(地方版) - 国土交通省
各地域のナンバーは、その地域に車両の使用本拠地がある場合のみ取得可能で、好きな地域のナンバーを自由に選ぶことはできません。ただし、管轄する運輸支局が同じエリア内であれば、引っ越し後も継続して使用できます。
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| 導入時期 | 地域数 | 主な地域例 |
|---|---|---|
| 第1弾(2006年~) | 19地域 | 富士山、仙台、会津、成田、豊田、堺など |
| 第2弾(2014年~) | 追加地域 | つくば、川越、金沢、諏訪、岡崎など |
| 第3弾(2023年10月~) | 10地域 | 秋田県、栃木県、群馬県、東京都、沖縄県など |
| 第4弾(2025年5月~) | 5地域 | 十勝、日光、江戸川、南信州、安曇野 |
ご当地ナンバー制度は、国土交通省が地域振興と観光振興を目的として2006年に創設した制度です。それまで自動車のナンバープレートは運輸支局の管轄地名しか使用できませんでしたが、ナンバープレートに地域名を記載することで宣伝効果があると考えた国土交通省が制度を変更し、対象区域に限り独自の地名を記載できるようになりました。
参考)ご当地ナンバーが気になる!入手方法や最新絵柄まで
制度開始当初は、地域名の一般的認知度が高いことや自動車登録数が10万台以上であることなどが要件とされていました。しかしこの基準が厳しすぎたため、後に要件が緩和され「複数の自治体で登録車が5万台以上かつ社会的知名度が高い」という条件が追加されました。
参考)行政書士法人きずなグループ href="http://www.kizuna-group.com/service/movie/part3" target="_blank">http://www.kizuna-group.com/service/movie/part3amp;raquo; 「ご当地ナン…
当初2006年から2016年の第2弾までは、図柄のない文字だけの通常デザインでした。現在のようなカラフルな図柄入りナンバープレートは2018年10月1日から交付が開始され、「走る広告塔」として地域の風景や観光資源を全国に発信する役割を担うようになりました。
参考)ご当地ナンバーと図柄入りナンバーの歴史と違いを解説|導入の経…
地域名表示の基準として、地理的名称で全国的に認知されていること、読みやすく覚えやすく他と混同しないこと、原則漢字2文字で最大4文字までという規定があります。なお、日本の象徴である「富士山」は知名度が高すぎたため、特例として静岡県と山梨県の両方で同じ「富士山」ナンバーが交付されることになりました。
ご当地ナンバーの申請方法は3つあります。1つ目は管轄の運輸支局に併設されている整備振興会の希望番号受付窓口で申し込む方法で、説明を受けながら間違いなく申込むことができ、その場で料金を支払うため確実です。2つ目はインターネットの専用サイトから申請する方法で、図柄・地域・希望番号を選び、クレジットカードやペイジー、銀行振込で支払いができます。3つ目はディーラーや整備工場に代行してもらう方法で、車検証コピーなどを渡すだけで申請・受取・取り付けまで全て任せられます。
参考)ご当地ナンバー申込み方法|料金、交付期間、必要書類、便利なサ…
取得費用は車種とデザインによって異なります。普通車の場合、モノトーン版(寄付なし)は約7,000〜9,000円、フルカラー版(寄付あり)は約10,000〜12,000円に寄付金1,000円以上が加算されます。軽自動車の場合、モノトーン版は約7,000〜8,000円、フルカラー版は約10,000円前後に寄付金1,000円以上が必要です。フルカラー版を選ぶ場合の寄付金は、導入地域における交通改善や観光振興などの取組みに活用されます。
申請から交付までの流れとして、ネット申請の場合は専用サイトで申し込み後、数週間待ってから陸運局に取りに行き、自分でナンバーを取り付けます。普通車の場合は封印が必要なため、その場で封印作業をしてもらう必要があります。希望番号との併用も可能ですが、人気番号は抽選制となっており、追加料金は基本的にかかりません。
2025年3月時点の申込件数データによると、最も人気のあるご当地ナンバーは熊本ナンバーで、申込件数は71,339件に達しています。デザインはプレートの右端からくまモンがひょっこり顔を出しており、背景には阿蘇の湧水をイメージした水玉模様が広がっています。2018年10月から交付が開始され、全国的に高い人気を誇っています。
第2位は愛媛ナンバーで申込件数35,039件です。県のゆるキャラ「みきゃん」とみかん、瀬戸内の海を組み合わせた明るいオレンジとブルーの配色が特徴的で、2020年5月から交付されています。ファミリー層や女性ドライバーに特に支持されているデザインです。
参考)【地方版図柄入りナンバー】41地域ご当地ナンバーhref="https://muzu-muzu.net/numberplate/" target="_blank">https://muzu-muzu.net/numberplate/amp;#038;…
第3位は奈良ナンバーで申込件数30,246件となっています。東大寺の大仏と奈良公園の鹿、五重塔、桜や紅葉がデザインされており、古都らしい落ち着いた雰囲気が好評です。ゆるキャラを使わず奈良らしさを全面に出した美しいデザインに仕上がっています。
その他の人気デザインとして、第4位は愛媛ナンバー(申込数364件の2018年データ)、第5位は富山ナンバー(申込数325件)がランクインしていました。富山ナンバーは国の特別天然記念物に指定されているライチョウと立山連峰が描かれた落ち着いたデザインです。かっこいいご当地ナンバーとしては「鈴鹿」「京都」なども高い支持を集めており、モータースポーツの街や歴史的な観光地としてのイメージがナンバー表記に反映されています。
参考)かっこいいご当地ナンバ−ランキング!取得方法・ナンバー一覧を…
ご当地ナンバーは「走る広告塔」として、地域の魅力を全国に発信する重要な役割を果たしています。図柄入りナンバープレートは地域の風景や観光資源をデザインに取り入れることで、シティプロモーションの推進につながり、地域ブランドを全国に発信することが可能です。知名度向上や観光振興だけでなく、運転マナーの向上や地域への愛着感を高める効果も期待されています。
参考)https://news.livedoor.com/article/detail/24223479/
国土交通省の中間とりまとめによると、ご当地ナンバーには3つの主要な効果があるとされています。第一に地元住民の一体感等の醸成、第二に関係自治体間の連携関係の構築・強化、第三に経済的効果・知名度向上等地域にとっての対外的効果です。これらの効果を定量的に判断することには困難な面がありますが、導入地域では確実に地域振興への貢献が認められています。
参考)ご当地ナンバーの導入について(国交省の中間のまとめ) : 鈴…
フルカラー版のナンバーを選択する際の寄付金は、導入地域における交通改善や観光振興などの具体的な取組みに活用されています。例えば観光PRイベントの開催、道路案内標識の整備、地域の観光資源の保全活動などに充てられ、地域経済の活性化に直接貢献しています。
参考)ご当地ナンバー導入要件緩和:人口少ない自治体も導入可能に、地…
一方で、ご当地ナンバーの導入には住民の理解と協力が不可欠です。地域名の選定やデザインの決定において住民の意見を反映させることが求められ、導入後の維持管理やPR活動にも継続的な取組みが必要となります。導入には費用もかかるため、慎重に検討する必要があるという指摘もあります。
ご当地ナンバーには「モノトーン」と「フルカラー」の2種類のデザインがあります。モノトーン版は寄付金が不要で、デザインの一部がグレーになった控えめな仕様となっており、派手にしたくない方に適しています。一方フルカラー版は寄付金1,000円以上が必要ですが、地域の特色を鮮やかに表現したカラフルなデザインとなっています。
各地域のデザインには、その地域を代表する観光地や伝統文化、名物などが取り入れられています。例えば富士山、シーサー、兼六園、桜の名所などが地域ごとにデザインとして使われており、「走るPRツール」として機能しています。登録自動車の事業用には緑色の縁取り、軽自動車には黄色の縁取りが施されるという区別もあります。
2025年5月から新たに交付が開始された5地域も、それぞれ特徴的なデザインとなっています。十勝ナンバーは北海道の大自然、江戸川ナンバーは東京都の都市景観、日光ナンバーは栃木県の歴史的建造物、安曇野ナンバーと南信州ナンバーは長野県の美しい山岳風景をモチーフにしています。
参考)ご当地ナンバーに6地域追加。2025年春頃交付へ
デザインの選定は各地域で慎重に行われ、2023年11月から12月にかけて図柄の提案が募集され、地域住民や関係者の意見を反映しながら最終デザインが決定されました。図柄入りナンバーは2018年から交付が開始され、当初の文字だけのナンバープレートから大きく進化し、視覚的なアピール力が飛躍的に向上しました。
国土交通省の図柄ナンバープレート公式ページ - 全74地域の詳細なデザイン画像と導入時期、申込方法の最新情報が確認できます
希望番号・図柄ナンバープレート申込サービス - ネットからの申請手続きと料金シミュレーション、図柄選択が可能な公式申込サイトです