エンドレス ブレーキパッドをバイクで使うメリットと選び方

エンドレスのバイク用ブレーキパッドはサーキット専用と思われがちですが、実は公道でも高いコントロール性を発揮します。種類の違いや選び方、交換時の注意点まで、あなたのライディングに合った選択はどれでしょうか?

エンドレス ブレーキパッドをバイクで使いこなすための完全ガイド

エンドレスのブレーキパッドは「サーキット専用のレーシングパッド」というイメージが強いが、実は公道ツーリング中の方が純正より止まりやすいと感じるユーザーが多数います。


🏍️ この記事の3ポイント要約
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エンドレスとはどんなメーカー?

四輪レース界で名を馳せたENDLESSが、シンタード(焼結合金)技術をそのままバイク用に投入。鈴鹿8耐・もてぎ7耐など国内最難関レースで実績を持つ、Made in Japanの高性能パッドです。

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3種類の摩擦材の違いを知ることが重要

「スーパーハイブリッドシンタード」「レーシングシンタードPROⅡ」「レーシングシンタードEVO」の3ラインナップは、耐久性・制動力・コントロール性のバランスが異なります。用途に合わせた選択が性能を引き出す鍵です。

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交換後の「当たり出し」を怠ると本来の性能が出ない

シンタードパッドはディスクローターに「被膜」を形成して機能します。この被膜ができるまでの慣らし走行を省略すると、制動力が大きく低下したり、ジャダー(振動)が発生する場合があります。


エンドレス ブレーキパッドとはどんなメーカーなのか


ENDLESS(エンドレス)は、四輪のブレーキパッドメーカーとして国内トップクラスの知名度を誇る、長野県佐久市に研究所を持つ日本のブレーキ専業メーカーです。スーパーGTやWRCでの実績を持ち、ペトロナスF1チームにブレーキフルードを供給していたという事実からも、その技術力の高さが伝わってきます。


バイク用パッドへの参入は2003年のこと。四輪で培ったシンタード(焼結合金)技術をそのままモーターサイクル用に転用し、「エンドレスフィーリング」と呼ばれる独自のコントロール感覚を実現しました。つまり四輪由来の技術です。


その後、鈴鹿8時間耐久レースや「世界一ブレーキに厳しいレース」と称されたもてぎ7時間耐久レースで無交換完走・優勝を達成するなど、レースフィールドで実績を重ねてきました。2022年にはJP250インタークラスで中村龍之介選手がシリーズチャンピオンを獲得するなど、小排気量クラスでも存在感を示しています。


市販パッドの製造は、1ロット80枚・40セット・20台分という少量生産体制を維持しており、技術者が手作業で品質を管理しています。量産ラインでは実現しにくい、ばらつきの少ない摩擦材を供給できるのはこの体制があればこそです。これは使えそうですね。


バイク用パッドとして現在ラインナップされているのは主に「スーパーハイブリッドシンタードパッド」「レーシングシンタードPROⅡ」「レーシングシンタードEVO」の3種類で、価格はスーパーハイブリッドとPROⅡが1キャリパー2枚タイプで税別13,500円、EVOが税別14,500円となっています(2025年3月値上げ改定後)。


🔗 ENDLESS公式:モーターサイクル用レーシングシンタードブレーキパッド製品ページ


エンドレス バイクパッドの3種類の違いと選び方

エンドレスのバイク用パッドには性格の異なる3種類の摩擦材があり、これを理解せずに選ぶと「思っていたのと違う」という結果になりやすいです。選び方が条件です。


まず「スーパーハイブリッドシンタードパッド」は、もてぎ7時間耐久レースを無交換で優勝するという、「鈴鹿8耐の約2倍のブレーキ負荷」とも評されるコンセプトのもとに開発されたモデルです。その耐摩耗性は市街地使用ではオーバースペックとも言われるほどで、サーキットから公道ツーリング、雨天走行まで、あらゆるシチュエーションで安定した性能を発揮します。初期から全域にかけてスムーズかつリニアな効きが特徴で、コントロール幅が非常に広いため、ビギナーライダーでも扱いやすいパッドです。


次に「レーシングシンタードPROⅡ」は、スーパーハイブリッドの「過剰な耐久性」を少し削り、その分を制動力強化に振ったモデルです。コントロール性の高さはそのままに、握り込んだ際の制動力の立ち上がりが全体的に底上げされています。メーカーは「筑波サーキットで1分切りが見えてきたライダー」への使用を推奨しており、サーキットライダー向けのモデルと考えてよいでしょう。ただし、耐摩耗性はスーパーハイブリッドより劣るため、残量の確認をこまめに行う必要があります。


そして最新モデル「レーシングシンタードEVO」は、新摩擦材「YZ590」を採用し、PROⅡの制動力とスーパーハイブリッドの耐久性を兼ね備えた最上位モデルです。200馬力を超える現代のリッタースーパースポーツが酷使するもてぎサーキットや耐久レースを想定した設計のため、「通常使用ではオーバースペックになる場合がある」とメーカー自身が言うほどの性能です。厳しいですね。


以下に3モデルの特徴をまとめます。


| モデル名 | 制動力 | 耐摩耗性 | コントロール性 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|
| スーパーハイブリッドシンタード | ◎ | ◎◎ | ◎ | 公道〜サーキット全般 |
| レーシングシンタードPROⅡ | ◎◎ | ◎ | ◎ | サーキット重視 |
| レーシングシンタードEVO | ◎◎◎ | ◎◎ | ◎ | 高負荷サーキット・耐久 |


適合する車種については、ホンダCBR1000RR-R、ヤマハYZF-R1、カワサキNinja ZX-25R、BMW M1000RR、ドゥカティなど幅広い国内外のスポーツモデルに対応するラインナップが揃っています。


🔗 ENDLESS国内代理店(ワイルドハウス):開発ストーリーで3モデルの違いを詳しく解説


エンドレス バイクパッドのシンタード技術がもたらすコントロール性の秘密

エンドレスパッドが他のレーシング系パッドと大きく異なる点は、「効くだけ」ではなく「コントロールできる」という設計思想にあります。これが原則です。


シンタード(焼結合金)パッドとは、銅を母材にカーボンやセラミックなどの摩擦向上材を混合し、高温・高圧で焼き固めた摩擦材のことです。一般的なレジン系パッドに比べ、耐熱性・耐摩耗性・雨天時の安定性に優れており、高負荷のスポーツ走行に適しています。


エンドレスがとりわけこだわったのは「マイルドセラミック」と「ハードセラミック」の最適なバランスです。この配合によって、ローターへの攻撃性を抑えながら制動力とコントロール性を両立する独自の特性を実現しました。


モーターサイクルのブレーキは単に「止まる」だけではなく、前後輪の荷重バランスをコントロールするツールでもあります。ブレーキング時にフロントフォークをしっかり沈め、リリースのタイミングでフォークを伸ばして車体の姿勢を作る。この一連の動作がスムーズにできるかどうかで、コーナリング速度は大きく変わります。


唐突な初期制動力のパッドは、フォークが一気にボトムアウトしてしまいサスペンションが機能しなくなります。その補正のために「サスペンションを硬くする」という悪循環に陥る場合も少なくありません。痛いですね。エンドレスパッドは初期の立ち上がりが穏やかでリニアなため、フロントフォークに「仕事をさせやすい」という点でサスセッティングへの好影響も見込めます。


また、シンタードパッドは水分を吸収しないため、レジン系パッドで起こりうる「ウォーターフェード(雨天時の制動力低下)」が発生しません。雨天でも制動力のコントロール性が高い状態を保てることは、公道ライダーにとって大きな安心材料と言えます。


🔗 ワイルドハウス:ENDLESSパッドが高性能な理由を詳しく解説するページ


エンドレス バイクパッドを装着するときの当たり出しと注意点

エンドレスのシンタードパッドを装着したあと、いきなりフルブレーキングをするのはNGです。これだけ覚えておけばOKです。


シンタードパッドはディスクローターとの間に「シンタード被膜」を形成することで、本来の制動力とコントロール性を発揮します。この被膜が形成される前は性能が安定しないため、適切な「当たり出し(慣らし)」が必要です。


当たり出しの基本的な流れは以下の通りです。


  • 最初の100〜200kmは、急制動を避けてゆっくりとブレーキングを繰り返す
  • 中程度のブレーキングで温度をある程度まで上げてから、自然冷却を繰り返す
  • サーキット走行での慣らしは「ハードブレーキを避けながらローター温度を400〜500℃程度まで上げる→クーリングラップ→自然冷却」の手順で行う
  • 雨天時の当たり出しは、パッド本来の性能を引き出せない場合があるため避けるのが望ましい


特に注意が必要なのが「他社パッドからの乗り換え」です。前のパッドのシンタード被膜がディスクローター表面に残っている場合、エンドレスパッドとの相性が悪くなることがあります。被膜が混在した状態での走行はジャダー(振動)の原因になることもあります。


乗り換え時にはサンドペーパーでディスクローター面を軽くクリーニングするか、念入りに慣らし走行を行うことが大切です。また、ブレーキパッドは「重要保安部品」に分類されるため、作業に自信がない場合は信頼できるショップへの依頼を強く推奨します。


サーキットを頻繁に走行するライダーは、キャリパーのシール類の劣化や、ブレーキフルードの沸点低下にも注意が必要です。エンドレス純正のスーパーブレーキフルード「RF-650」はドライ沸点323℃以上と世界トップクラスの性能を持ちながら、500mlで税別3,000円と比較的手が届きやすい価格です。500mlというのはペットボトル飲料と同じサイズ感のイメージです。ブレーキフルードの定期交換とあわせて導入を検討する価値があります。


🔗 ワイルドハウス:交換時の注意点・Q&Aを詳しくまとめたページ


エンドレス バイクパッドを公道ライダーが選ぶ理由と独自の視点

「レーシングパッドは公道では使いにくい」という先入観を持っているライダーは多いです。意外ですね。しかし、エンドレスパッドはむしろ公道での扱いやすさを強みのひとつとして打ち出しています。


公道で問題になりやすい「急制動時の唐突な効き」や「低速域でのコントロールしにくさ」は、初期から過大な制動力を発生させるタイプのパッドで起こりやすいです。エンドレスのスーパーハイブリッドシンタードパッドは、ブレーキレバーへの入力に「比例して」制動力が立ち上がるよう設計されているため、混合交通の公道でも不意な飛び出しに対して慌てることなく対処できます。


ランニングコストの観点から見ると、エンドレスパッドは耐摩耗性が高く、ディスクローターへの攻撃性も低いため、パッドだけでなくローターの消耗も抑えることができます。1セット13,500円(税別)は純正パッドと比べると割高に感じるかもしれません。しかし、交換サイクルが延びることとローターへのダメージが少ないことを考えると、長い目で見たトータルコストは競合製品と大きく変わらない、もしくはむしろ低くなるケースもあります。つまりコスパに優れた選択肢です。


通勤やロングツーリングなど走行距離が多いライダーにとっては、コントロール性の高さが「疲労軽減」にも直結します。毎回のブレーキングで余裕を持って操作できるため、長距離移動後の疲れの蓄積が違ってきます。


重量車やメガスポーツにお乗りのライダーにとっても有力な選択肢です。200kg超のマシンを安定して制御するためには、制動力の「量」だけでなく「コントロール幅の広さ」が特に重要になります。エンドレスパッドの特性はまさにここで生きてきます。


適合車種の確認は、ENDLESS公式代理店「ワイルドハウス」のウェブショップから車種別検索が可能です。YZF-R25/R3をはじめとした国内人気車種から、BMW R1300GSやハーレーダビッドソン X350といった2025年以降の新型車種向けラインナップも順次追加されています。自分の愛車が対応しているかどうかは、まず車種検索で確認するのが確実です。


🔗 ワイルドハウス:実際のライダーによるエンドレスパッドの使用インプレッションまとめ




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