トヨタ・アルファードの9人乗りモデルは、2023年6月のフルモデルチェンジを機に廃止されました。現行の4代目アルファードは7人乗りのみの設定となっており、これまでの8人乗りモデルも含めて多人数乗車仕様は完全に姿を消しています。
この変更の背景には、アルファードの市場ポジショニングの明確化があります。開発陣は「良いクルマづくり」ではなく「売れるクルマづくり」を重視し、顧客の望みをかなえた結果として高級感と快適性を最優先に設計しました。
具体的な廃止理由として以下が挙げられます。
アルファードの9人乗りが廃止された現在、大人数での移動を必要とするユーザーには以下の選択肢があります。
国内販売車種
海外専用モデル
プロエース ヴァーソは欧州市場専用モデルで、アルファードを上回る全長5.3m超のボディに最大9人が乗車可能です。前列3人乗りという斬新なシートレイアウトを採用していますが、日本での販売予定はありません。
現行モデルに9人乗りが存在しない以上、中古車市場での入手を検討する必要があります。しかし、実際にはアルファードの9人乗りモデルは過去にも正式には存在していませんでした。
過去モデルの乗車定員
8人乗りモデルは2024年12月の改良で一部グレードに復活しましたが、9人乗りは一度も設定されていません。これは日本の道路事情や駐車場環境を考慮した結果と考えられます。
中古車市場では30系アルファードの8人乗りモデルが人気で、相場は26万円〜1169万円と幅広い価格帯で流通しています。
トヨタがアルファードに9人乗りを設定しない理由は、単純な技術的制約ではなく戦略的判断によるものです。
市場分析による判断
実際に、過去には他メーカーで9人乗りミニバンの開発が検討されましたが、「実際は9人乗りのミニバンなんで、そうそう売れない」という市場判断により実現しませんでした。
トヨタは代わりに、用途別の車種展開で対応しています。
将来的にアルファードに9人乗りモデルが登場する可能性は極めて低いと考えられます。これは以下の理由によります。
技術的制約
市場戦略上の理由
むしろトヨタは、電動化技術の導入やさらなる高級化に注力しており、2023年モデルではプラグインハイブリッド車も追加されました。
今後の方向性
9人乗りを必要とするユーザーには、グランエースやハイエースといった専用車種の選択が現実的な解決策となります。アルファードは今後も「大空間高級サルーン」としての地位を確立し続けることが予想されます。
トヨタ公式サイト - アルファード製品情報
https://toyota.jp/alphard/
カーセンサー - アルファード中古車検索
https://www.carsensor.net/usedcar/bTO/s009/