ヴェルファイアが覆面パトカーとして採用される最大の理由は、一般車両との見分けがつきにくい点にあります。高級ミニバンとして街中に多く存在するため、警察車両であることを悟られにくく、隠密性の高い任務に最適です。
さらに、車内空間の広さも重要な採用要因となっています。従来のセダン型覆面パトカーと比較して、ヴェルファイアは以下のような利点があります。
警視庁本部周辺では、黒色のヴェルファイアが捜査車両として実際に目撃されており、SNSでもその存在が話題になっています。これらの車両は、追尾性能や加速力よりも、目立たず任務を遂行できる「利便性」を重視する場面で活用されているのです。
ヴェルファイア覆面パトカーには、一般車両とは異なる特徴的な外観要素があります。最も注目すべきはボディカラーの選択で、ブラック、パールホワイト、シルバーといった控えめな色合いが採用されています。
外観で確認できる主な特徴。
特に新型ヴェルファイアでは、2023年以降のモデルが覆面パトカーとして目撃されるケースが増加しています。「Z Premier」グレードなど上級仕様も対象となっており、漆黒メッキやスモークガラスなど、通常のカスタムカーに見える構成で違和感を持ちにくくなっています。
ヴェルファイア覆面パトカーの内装には、一般車両にはない特殊な装備が施されています。最も特徴的なのはルームミラーの二段構造で、通常のミラーに加えて後方監視用の専用ミラーが設置されています。
内装で確認できる主な装備。
後部ガラス周辺には、交通違反をビデオ記録するためのカメラや、無線通信用のアンテナが設置されている場合があります。特に後部ガラス上部中央部に装着された短い棒状アンテナは、警察無線や無線データ通信に使用される特徴的な装備です。
これらの装備は外部からは見えにくく設計されていますが、注意深く観察することで一般車両との違いを見分けることが可能です。
実際の運用では、ヴェルファイア覆面パトカーは主に要人警護と捜査活動に使用されています。交通取り締まり用としての使用は限定的で、従来のクラウンなどのセダン型が主流を占めています。
運用される主な場面。
首都高速道路では実際に交通取り締まり用として使用されている事例も報告されており、「後ろからの圧がすごくて、車間を取って速度を上げたら赤灯が回った」という体験談もあります。
ただし、すべてのヴェルファイアが交通取り締まり用ではなく、多くは捜査用や警護用として運用されているのが実情です。そのため、見た目だけで判断するのは困難ですが、「ヴェルファイア=覆面の可能性がある」という意識を持つことが重要です。
ヴェルファイアを覆面パトカーとして採用することには、従来のセダン型と比較して異なる経済的メリットがあります。初期導入コストは高額ですが、多目的使用による運用効率の向上が期待できます。
経済的な観点から見た採用メリット。
一方で、燃費性能や維持費の面では従来のセダン型に劣る部分もあります。しかし、任務の特性上、隠密性と機能性を重視する場面では、これらのデメリットを上回る価値があると判断されています。
特に要人警護においては、車両の格式も重要な要素となるため、ヴェルファイアの高級感は大きなアドバンテージとなっています。今後も特殊な用途での需要は継続すると予想されます。