3人家族にとってコンパクトカーは理想的な選択肢の一つです。特に市街地での運転が多い家庭では、その機動性と経済性が大きなメリットとなります。
トヨタ パッソは全長3650mmという国産2ボックス車の中でも最もコンパクトなサイズでありながら、室内空間は思いのほか広く設計されています。前席はベンチシートでゆったりと座れ、後席も頭上・足元ともに余裕があるため、3人での移動でも窮屈さを感じません。
スズキ スイフトも3人乗りに適したコンパクトカーとして人気があります。全長3.84〜3.85m、全幅1.69m、全高1.50mというサイズで、WLTCモード燃費は19.6〜23.0km/Lと優秀な燃費性能を誇ります。新車価格は154万円からとリーズナブルで、中古車なら9万円から購入可能です。
ホンダ フィットは全長3.99〜4.09m、全幅1.69〜1.72m、全高1.51〜1.57mで、燃費はWLTCモードで16.1〜30.2km/Lという幅広いレンジを持ちます。特にハイブリッドモデルでは30km/L超えの低燃費を実現しており、長期的な維持費を考えると非常に経済的です。
3人家族でも荷物が多い場合や、将来的な家族構成の変化を考慮するなら、小型ミニバンが最適な選択となります。
トヨタ ルーミーは全長3.7m、全幅1.67m、全高1.73mというコンパクトなボディサイズながら、ミニバンらしい室内の広さを確保しています。燃費は16.8〜18.4km/Lで、新車価格は187万円からとなっています。チャイルドシートの取り付けや荷物の積載にも十分対応できる仕様で、夫婦と乳幼児の3人家族には特におすすめです。
トヨタ シエンタやホンダ フリードは、市街地をメインで走る4人家族向けとして紹介されることが多いですが、3人家族にとっても魅力的な選択肢です。3列シートモデルを選べば、一時的な乗車人数の増加にも柔軟に対応でき、3列目は収納もできるため、普段は家族3人だけという使い方にもぴったりです。
スズキ ソリオも3人家族におすすめの小型ミニバンです。コンパクトなボディサイズでありながら、室内の広さは確保されており、取り回しがしやすく燃費も良好です。
予算を抑えて3人乗り小型車を購入したい場合、中古車市場には魅力的な選択肢が豊富にあります。
マツダ プレマシー(3代目)は、総額50万円ほどから狙うことができる格安3列シートミニバンとして注目されています。2010年7月〜2017年12月まで生産されていたモデルで、全高が1615〜1650mmと比較的低いのが特徴です。そのため、背の高いミニバンと比べて乗用車的な走り味となっており、全高の低い車から乗り替えても違和感を覚えにくいという利点があります。
シートレイアウトは2-3-2の7人乗りとなっており、3列目シートは床下格納タイプのため、通常は格納した状態でステーションワゴン的に使用して、いざというときにシートを起こすという使い方に最適です。
中古車市場では、レトロなデザインをはじめ、新車では珍しい2人乗りや超小型、3人乗りなどの車も出回っています。新車価格では手が届きにくい車種も、中古車であれば手に入る可能性があるので、車選びの選択肢を広げることができます。
日産 フィガロのように、1991〜1992年まで販売されていた車種でも、発売から長い年月がたった現在でも中古車市場で人気を集めている例もあります。
個性的なデザインの車が欲しい人には、輸入車の小型車がおすすめです。
フォルクスワーゲン up!は、全長3.54〜3.61m、全幅1.5m、全高1.49mというドイツ生まれのコンパクトカーです。コンパクトでありながらパワーがあり、操作性が高いので快適なドライブを楽しめます。up!には2ドアタイプと5ドアタイプがあり、5ドアタイプであれば大人4人が座って荷物を積んでも程よいゆとりがあります。2020年に販売終了しているため、現在は中古車での購入となりますが、14万〜250万円という価格帯で見つけることができます。
ルノー トゥインゴは、全長3.64m、全幅1.65m、全高1.54mのフランス生まれの車で、丸みを帯びたレトロなデザインが魅力です。一見2ドアに見えますが、リヤのドアハンドルがサッシュに隠された5ドア仕様で、後部座席からの乗り降りもしやすくなっています。0.9Lターボエンジン搭載で坂道や高速道路でもパワフルな走行が可能で、WLTCモード燃費は20.7km/Lを実現しています。
MINI(3ドアタイプ)は、全長3.83m、全幅1.72m、全高1.43mで、輸入車のコンパクトカーの中でも特に人気の車種です。上質かつ個性的でおしゃれさもあり、街で見かけて憧れる人も多い車種です。新車価格は298万円からと高めですが、中古車なら20万〜640万円という幅広い価格帯で選択できます。
一般的な3人乗り車とは全く異なるアプローチとして、ホンダが過去に製造していたエディックスという車種があります。この車は前後それぞれに3人掛けのシートを設置するという挑戦的なパッケージングを採用していました。
エディックスの最も特徴的な点は、ただ3人を横並びで配置するのではなく、窮屈にならないよう中央のシートを運転席・助手席よりも少し後ろに設置する「3by2」という独自の配列でした。さらに、フロント中央のシートは前に畳めば大きなアームレストとしても使えるなど、従来のクルマでは味わえない斬新な機能を持っていました。
前後それぞれに3人ずつ座れると聞くと「さぞかし全幅が大きいんだろう」と思われがちですが、全幅は1795mmと一般的なミニバンと同等サイズに収まっていたのも見事な設計でした。
このような革新的なアプローチは、現在の自動車市場では見ることができませんが、3人乗り車の可能性を示す興味深い事例として記憶に留めておく価値があります。現在3人乗り車を検討している方にとっても、固定観念にとらわれない柔軟な発想の重要性を教えてくれる例と言えるでしょう。
現代の3人乗り小型車選びにおいても、従来の「運転席・助手席+後席1名」という固定概念にとらわれず、シートアレンジの自由度や多目的性を重視した選択肢を検討することで、より満足度の高い車選びができるかもしれません。