vブレーキフロント用リア用違いと選び方のポイント

vブレーキのフロント用とリア用は本当に違うのか、互換性や取り付け時の注意点を解説します。愛車のブレーキ選びに迷っていませんか?

vブレーキフロント用リア用違い

この記事のポイント
🔧
本体は前後共通

vブレーキ本体は前後で全く同じ構造。違いはブレーキシューの取り付け向きだけ

🔄
互換性が高い

フロント用をリアに、リア用をフロントにも使用可能。シューの向きを変えるだけでOK

📏
アーム長に種類あり

107mm前後の標準タイプと90mm前後のコンパクトタイプが存在

vブレーキ本体の構造は前後共通


プロマックス(PROMAX) PRMX MV-85 BLK BRA21700 Vブレーキ本体 ブラック

 

シマノのvブレーキをはじめ、多くのメーカーのvブレーキ本体は、フロント用とリア用で構造的な違いはありません。商品パッケージには「F(フロント)」や「R(リア)」の表記がありますが、アーム部分、付属のネジ類、リードパイプ(バナナ)などすべて同一のパーツで構成されています。
参考)【シマノVブレーキ】フロント用とリア用の違いとは?

実際にALIVIOグレードのBR-T4000の前後用を比較した事例では、外箱に手書きでチェック印が入れられているものの、中身は完全に同じものでした。型番をよく見ると「EBRR573FX11SLP」と「EBRR573RX11SLP」のように、FとRの一文字だけが異なるケースもありますが、これは便宜上の区別に過ぎません。
参考)Vブレーキ前用と後ろ用の違いって何?

車に乗っている方がクロスバイクやMTBのメンテナンスを始める際、このフロント用とリア用の表記に戸惑うことが多いのですが、基本的に本体自体は同じものと理解しておけば問題ありません。​

vブレーキシューの取り付け向きの違い

フロント用とリア用の唯一の違いは、ブレーキシューの取り付け向きです。ブレーキシューには方向性が指定されているモデルがあり、「FORWARD(前方)」「L(左側)」「R(右側)」といった表記がシューに刻まれています。この向きは、ホイールの回転方向に合わせて、制動時にかかる力を効率的に受け止めるために設定されています。
参考)ライトウェイ-自転車メンテ Vブレーキシューの交換方法 36

前輪と後輪ではホイールの回転方向は同じですが、ブレーキをかけた時にホイールが受け止める力の方向が異なるため、ブレーキシューの取り付け向きが逆になります。例えば、Vの字型の溝があるブレーキシューの場合、Vの字が開いている方を進行方向に向けて取り付けるのが基本です。
参考)自転車の溝がVの字のブレーキシューの取り付ける向き - 自分…

ただし、すべてのブレーキシューに方向性があるわけではありません。方向性の決まっていないブレーキシューの場合は、フロント用とリア用で完全に同一となり、どちらにでも使用できます。​

vブレーキの互換性と前後入れ替えの方法

フロント用のvブレーキをリアに使いたい場合、またはその逆の場合でも、ブレーキシューの向きを変えるだけで全く問題なく使用できます。左右のブレーキシューを入れ替えて取り付けることで、フロント用をリア用に、リア用をフロント用として活用できるのです。
参考)自転車のVブレーキの特徴や種類について - ESCAPE A…

実際の作業では、ブレーキシューを固定しているナットを緩めて、左右を入れ替えて取り付けるだけです。見た目が少しかっこ悪くなる可能性はありますが、機能的には全く問題ありません。これにより、在庫の都合でフロント用しかない場合でも、リアブレーキとして使用することができます。​
車のブレーキパーツのように前後で完全に別物という概念とは異なり、自転車のvブレーキは高い互換性を持っているのが特徴です。​

vブレーキのアーム長による種類の違い

vブレーキにはアーム長による種類の違いがあり、主に107mm前後の標準タイプと90mm前後のコンパクト(ミニ)タイプの2種類に分類されます。標準タイプのアーム長107mmのvブレーキは、MTBのような太いタイヤに適しており、高い制動力を発揮します。
参考)自転車のブレーキの種類をわかりやすく解説!それぞれの特徴とは…

一方、90mm前後のコンパクトVブレーキは、クロスバイクやミニベロでよく使用されるタイプで、軽量かつブレーキシューの調整がしやすいという特徴があります。アーム長が短いとワイヤーの引き量が少なくなるため、ドロップハンドル用のブレーキレバーとの組み合わせにも対応できます。
参考)Vブレーキを図解で解説!ブレーキシューの交換方法から片効き調…

シマノの製品では、BR-T4000が107mmアーチ、BR-R353が90mmアーチという具合に、同じシリーズでもアーム長の違いがあります。交換の際は、現在使用しているvブレーキのアーム長を測定し、適合するタイプを選ぶことが重要です。
参考)ドロップハンドルとVブレーキ - サガミサイクルセンター〈w…

vブレーキ選びのグレードと価格差の理解

シマノのvブレーキには、XTR、XT、DEORE、ALIVIO、TOURNEYといった複数のグレードが存在します。グレードによる主な違いは、使用される素材、重量、そして価格です。上級グレードのXTRやXTは、軽量で高精度な素材を使用しており、制動力やコントロール性に優れています。
参考)サイクルショップ金太郎 大阪 堺でGIANTと自転車のメンテ…

中級グレードのDEOREは、BR-T610といったモデルがあり、価格と性能のバランスが取れた選択肢として人気です。初級グレードのALIVIOは、BR-T4000が代表的で、価格は2,500円程度と手頃ながら、日常使用には十分な性能を持っています。
参考)シマノ DEOREグレードのVブレーキ「BR-T610」の制…

実用性を重視するなら、DEOREやALIVIOグレードで十分な制動力が得られます。車のパーツ選びと同様に、使用頻度や走行環境に応じて適切なグレードを選ぶことで、コストパフォーマンスの高いメンテナンスが可能になります。
参考)クロスバイクのVブレーキを交換したいのですが、DEOREAL…

vブレーキシューの交換時期と寿命の見極め

ブレーキシューの交換時期は、溝の深さが1mm以下になったタイミングが目安です。走行距離で言えば、フロントブレーキで3,000~4,000km程度、リアブレーキはそれより長持ちする傾向があります。新品のブレーキシューには、あたり面に凸凹の溝がありますが、使用を続けるとこの溝が完全にフラットになります。
参考)クロスバイクのVブレーキシューを交換。交換目安は溝の深さ。

溝がなくなった状態で使い続けると、内側の金属フレームが露出し、ホイールのリム面を削ってしまう危険があります。リムが削れると最悪の場合、走行中にリムが割れて重大な事故につながる可能性もあるため、早めの交換が推奨されます。
参考)Vブレーキシューの交換時期とポイント

定期的な点検としては、500~1,000km走行ごとにブレーキシューの状態を確認することをお勧めします。車の車検のように、自転車も定期的なブレーキチェックが安全走行の基本です。
参考)ブレーキの消耗品交換の時期は? | ENJOY SPORTS…

vブレーキの調整方法と片効き解消テクニック

vブレーキの調整は、ブレーキシューの位置調整、ワイヤーの引き代調整、片効き調整の3つのステップで行います。まず、ブレーキシューがリムのブレーキあたり面からはみ出さず、かつ平行になるよう固定ナットを緩めて位置を調整します。
参考)MTB・クロスバイクのVブレーキ調整

片効きの調整は、ブレーキアームの根元にあるスプリングテンション調整ネジを操作して行います。ボルトを締めると締めた側にブレーキが移動し、緩めると反対側にブレーキが移動する仕組みです。左右が均等に動くよう微調整することで、効率的な制動力が得られます。​
上級者のテクニックとして、ブレーキシューを「トーイン」と呼ばれる内また状態(ブレーキシューの下側が内側)にセットする方法があります。これにより、ブレーキング時の鳴き音を抑え、より滑らかな制動が可能になります。車のブレーキ整備と同様に、細かな調整が乗り心地と安全性に大きく影響します。​

vブレーキ交換時の付属パーツと取り付けの注意点

vブレーキ本体を購入すると、ブレーキシュー、リードパイプ(バナナ)、各種ワッシャー、固定ナットなどが付属しています。これらの付属パーツは、フロント用とリア用で全く同じものが使用されています。​
ブレーキシューの取り付けには複数のワッシャーが使われており、その順番を間違えると正しく機能しません。通常、パッケージには正しい順番でワッシャーが並んでいるため、取り外す際にその順番を写真に撮っておくか、メモしておくと安心です。​
vブレーキの取り付け台座は前後で同じ規格のため、取り付けに使うネジ類も共通です。これは、ロード用のキャリパーブレーキが前後で取付ネジの長さが異なるのとは対照的な特徴です。車のパーツ交換に慣れている方にとっては、自転車のvブレーキの方がシンプルで扱いやすいと感じるかもしれません。​

vブレーキと他のブレーキシステムとの比較

vブレーキは、カンチブレーキと比較してアーム部分が長いため、テコの原理で多くのブレーキング力を生み出せます。軽い力でレバーを引くことができ、制動力が非常に高いのが特徴です。構造がシンプルでメンテナンスがしやすく、調整も比較的容易です。
参考)ブレーキの種類について 【通販モノタロウ】

一方、ディスクブレーキと比較すると、雨天時や悪路での制動力では劣る面があります。また、vブレーキ専用のブレーキレバーが必要で、ロードキャリパーブレーキ用やカンチブレーキ用のレバーとは互換性がありません。
参考)Vブレーキってどんなブレーキ?特徴と注意点を分かりやすく解説…

街乗りや軽いサイクリングであればvブレーキで十分な性能が得られますが、悪天候下での走行や山道を頻繁に走る場合はディスクブレーキの方が安心です。車の用途に応じてタイヤを選ぶように、自転車も走行環境に合わせたブレーキシステムの選択が重要になります。​
シマノのvブレーキについて、より詳しい技術仕様や互換性情報はメーカーの公式サイトで確認できます。

 

サイクルベースあさひのVブレーキシュー交換ガイド - ブレーキシューの詳しい交換手順と必要工具が写真付きで解説されています
サイクルベースキューベイのVブレーキ調整マニュアル - 片効き調整やブレーキシュー位置調整の詳細な方法が記載されています

 

 


Ruler(ルーラー) Vブレーキ ガイドパイプ シルバー LY-VBP08