継ぎ足し給油フルサービスで可能な理由とセルフとの違い

ガソリンスタンドでの継ぎ足し給油はセルフでは禁止されているのにフルサービスではなぜ可能なのでしょうか。両者の違いと安全な給油方法を詳しく解説します。

継ぎ足し給油とフルサービスの関係

この記事で分かること
フルサービスで継ぎ足し給油が可能な理由

危険物取扱者の管理監督下で安全に実施できる仕組みを解説

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セルフスタンドで禁止されている理由

吹きこぼれや引火の危険性と消防庁の注意喚起について

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オートストップ機能の仕組み

給油ノズルのセンサーが満タンを検知するメカニズム

継ぎ足し給油がフルサービスで認められる理由

ガソリンスタンドにおける継ぎ足し給油は、フルサービススタンドでのみ認められている特殊な給油方法です。フルサービススタンドでは、危険物取扱者・乙種第4類の免状を持つ管理者や経営者の指揮・管理・監督のもとで、スタッフ自らが給油作業を行うため、継ぎ足し給油が可能となっています。これは専門的な知識と技術を持った有資格者が安全管理を徹底できる環境が整っているためです。
参考)満タン後の「継ぎ足し給油」はhref="https://kuruma-news.jp/post/759631" target="_blank">https://kuruma-news.jp/post/759631quot;絶対NGhref="https://kuruma-news.jp/post/759631" target="_blank">https://kuruma-news.jp/post/759631quot;!? ほかにGSで「…

フルサービスでは、スタッフが給油の際に燃料の状態や給油口の様子を常に監視しており、吹きこぼれのリスクを最小限に抑えることができます。ただし、継ぎ足し給油を希望する場合は、事前にスタッフへ確認することが推奨されており、吹きこぼしなどの注意喚起も行われています。実際には給油口ギリギリまで満タンにすることは可能ですが、安全性を考慮した対応が取られています。
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一方で、フルサービススタンドは人件費が含まれるため、セルフスタンドと比較して燃料価格が高めに設定されています。地域によって差はありますが、リッターあたり3円から10円以上の価格差が生じることもあります。しかし、窓拭きや灰皿清掃、簡単な点検などのサービスが含まれるため、価格差に見合った付加価値があるとも言えます。
参考)ワンオペガソリンスタンド日誌6~セルフ給油とスタッフ給油の比…

継ぎ足し給油がセルフスタンドで禁止される理由

セルフスタンドでの継ぎ足し給油は、消防庁からも厳重に注意喚起されている危険行為です。オートストップ機能が作動した時点で、給油ノズルの先端まで燃料が満たされており、継ぎ足し給油を行うと燃料が溢れたり吹きこぼれる可能性が非常に高くなります。セルフスタンドでは顧客自身が給油を行うため、ガソリンスタンドの管理業務者からの指揮・管理・監督から外れることになり、安全管理が困難になるためです。
参考)302 Found

継ぎ足し給油による吹きこぼれは、単に燃料を無駄にするだけでなく、引火の危険性を大幅に高めます。ガソリンが地面や車体に溢れると気化しやすくなり、目には見えないガソリン蒸気が発生します。このガソリン蒸気は非常に引火しやすく、タバコやライター、さらには静電気などの小さな火花でも引火する可能性があります。実際、給油取扱所で発生した火災のうち、危険物に関連する火災事故に係る着火原因の35%が静電気火花であることが消防庁の調査で明らかになっています。
参考)セルフガソリンスタンドでの”継ぎ足し給油”はNGです。どうい…

また、継ぎ足し給油を繰り返すことで給油ノズルを何度も出し入れすることになり、静電気が発生しやすくなるという別の危険性も指摘されています。給油口をスタンドから出し入れする動作や、複雑な操作を繰り返すことで静電気が発生し、引火の危険が高まります。さらに、燃料の水面まで適切な距離を確保することも引火を防ぐために重要とされており、継ぎ足し給油はこの安全距離を損なう行為でもあります。
参考)満タン後「継ぎ足し給油」は「絶対NG」! 禁止の理由は? 「…

継ぎ足し給油のオートストップ機能と満タンの仕組み

セルフスタンドの給油機には、満タンになると自動的に給油が止まる「オートストップ機能(満量停止装置)」が搭載されています。この機能は1998年に消防庁が「満了停止制御装置」として導入を通達したもので、セルフ給油所の普及に伴い事故を防ぐために義務化されました。給油ノズルの先端には、燃料が出てくる部分とは別に「検知口」という小さな穴が開いており、給油中はこの穴からノズル内に空気が吸い込まれる仕組みになっています。
参考)ガソリン給油時のオートストップ機能 - 木内油業株式会社

満タンになると、タンク内の燃料が検知口に触れて塞がり、ノズル内部のセンサーが空気の流れが止まり真空状態になったことを検知します。この真空状態を検知すると、持ち手のレバーを支えていたパーツが負圧に引っ張られて解除され、レバーは「カチン」という音とともに力を失い、給油が自動的にストップする仕組みです。この機構は流体力学のひとつである「ベンチュリ効果」という現象が関係しており、ノズル内を十分な量の燃料が流れていなければ正常に作動しません。
参考)セルフ給油「満タンで自動停止」どういう仕組み? 「まだ入るじ…

ただし、オートストップ機能が正常に作動するためには、適切な給油方法が必要です。給油ノズルを奥まで差し込んでいなかったり、レバーの引きが甘かったりすると、センサー内が真空状態にならず、オートストップ機能が反応しないことがあります。また、車両の給油口付近や燃料タンクまでの配管の配置、給油ノズルの角度や位置によって、満タンに達していないのに給油が停止してしまうこともあります。これは燃料の跳ね返りや泡が検知口を塞いでしまうためで、給油の不具合ではなく安全機能の一部として理解しておく必要があります。
参考)「なぜ満タンが分かるの!?」セルフ給油時に自動で止まるhref="https://kuruma-news.jp/post/535411" target="_blank">https://kuruma-news.jp/post/535411quot;仕組…

継ぎ足し給油以外のセルフスタンドでの危険行為

セルフスタンドでは継ぎ足し給油以外にも、多くの危険な禁止行為が存在します。最も重要なのが静電気対策で、給油前には必ず給油機に設置されている「静電気除去シート」に触れて、体に溜まっている静電気を取り除く必要があります。特に空気が乾燥している冬場は静電気が発生しやすく、車両から降りた後にドアの金属部に触れずに給油キャップを開けると、人体に帯電した静電気が放電し、給油口から噴き出す可燃性蒸気に引火する危険性があります。
参考)消防危第95号 顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所における静…

給油中のスマートフォンや携帯電話の使用も厳禁とされています。携帯電話が発する電磁波や静電気によって引火の恐れがあるだけでなく、スマートフォンを操作しながらの給油は注意力が散漫になり、吹きこぼしなどのトラブルにつながる可能性も高まります。セルフスタンド内は全面禁煙であり、喫煙やライターの使用は火災の直接的な原因となるため絶対に禁止されています。
参考)満タン後の「継ぎ足し給油」は“絶対アウト”なぜ!? 他にも危…

さらに、給油中は給油ノズルのレバーから手を離さないことも重要です。給油ノズルを差し込むと、1秒あたり約0.58リットルのガソリンが給油されるため、意外と勢いよく燃料が流れ込みます。レバーから手を離すと、ガソリンの勢いやバランスを崩してノズルが外れ、ガソリンがこぼれる恐れがあります。このような基本的な安全ルールを守ることで、セルフスタンドでの火災事故を防ぐことができます。
参考)https://www.fdma.go.jp/laws/item/laws013_49_self_atten.pdf

継ぎ足し給油とフルサービスの価値を見極めるポイント

フルサービススタンドを選ぶべきかセルフスタンドを選ぶべきかは、利用者のニーズと価値観によって異なります。フルサービスの最大のメリットは、車から降りずに給油から支払いまで完了できる利便性です。夏の暑い日でもエアコンの効いた車内にいられますし、冬の寒い日でも暖かい車内で待っていられます。窓拭きや灰皿清掃といったサービスも受けられるため、月に数百円の価格差であればフルサービスを選ぶという利用者も少なくありません。​
フルサービススタンドのスタッフは、窓拭きをしながら車検期日や窓の撥水状況、油膜の状態などもチェックしており、タオルから伝わる感覚を介して車両のメンテナンス状態を確認しています。洗車の頻度やメンテナンスの必要性についてアドバイスを受けられることもあり、車両管理の面でもメリットがあります。また、店舗によってはフルサービス限定の特典としてスタンプカードやティッシュなどがもらえるところもあります。
参考)窓拭きサービスで安心運転を!

一方で、価格を重視する場合や、自分のペースで給油したい場合はセルフスタンドが適しています。データによれば、地域によって差はあるものの、セルフスタンドはフルサービススタンドよりもリッターあたり2円から16円程度安く給油できます。特に新潟や広島のように10円以上の価格差がある地域では、年間の給油量によっては数千円から1万円以上の節約になることもあります。季節によって使い分けるという選択肢もあり、夏場はセルフを使い、冬場はフルサービスを使うといった工夫をしている利用者もいます。
参考)【まだフルサービス?と思っている方へ】セルフスタンドと比べた…

給油の際には、少量の継ぎ足し給油を頻繁に行うよりも、ある程度まとめて給油する方がスタンドにとっても効率的で、フルサービスの場合は特にスタッフの手間を考慮すると望ましい利用方法です。ただし、燃料を満タンにすると車重が重くなることから、燃費を考慮して少量ずつの給油を好む方もいます。このような場合、セルフスタンドの方が気兼ねなく自分の希望する量を給油できるため、利用シーンに応じた選択が重要です。
参考)ガソリンスタンドの『フルサービス』とは?メリット・デメリット…

フルサービススタンドの将来性については、油外商品の販売や付加価値サービスの充実により、単なる給油だけではない総合的なカーライフサポートの拠点として進化している店舗も増えています。継ぎ足し給油だけでなく、車両のトータルケアを考えた場合、フルサービスとセルフのそれぞれの特性を理解し、状況に応じて使い分けることが賢明な選択と言えるでしょう。
参考)【ガソリンスタンド比較】セルフVSフルサービス。あなたはどっ…
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