トヨタが2023年10月のジャパンモビリティショー2023で発表したKAYOIBAKO(カヨイバコ)コンセプトカーは、かつて人気を博したbBの復活を強く示唆するモデルとして大きな注目を集めています。
このコンセプトカーの最も注目すべき点は、フロントグリル部分に「bB+CONCEPT」という文字が光る演出が施されていることです。これは単なるデザイナーの遊び心ではなく、トヨタがbBブランドの復活を本格的に検討していることを示す重要なサインと考えられています。
KAYOIBAKOのボディサイズは以下の通りです。
このコンパクトなサイズながら、室内長は3,127mm(運転席側は2,141mm)を確保しており、これは全長4.7mのハイエース並みの広さを実現しています。
新型bBとして期待されるKAYOIBAKOは、完全電気自動車(BEV)として設計されています。薄型バッテリーを床下に配置することで、従来のエンジン車では実現できなかった空間効率を達成しています。
電気自動車化による主なメリット。
BEVパワートレインの特性を活かし、ドライバーの乗車スペースを極限まで前方に配置することで、驚異的な室内空間を実現しています。これにより、商用利用から個人利用まで幅広い用途に対応できる多目的車両として設計されています。
KAYOIBAKOの市販化については、業界関係者の間で「意外と早い時期に実現する可能性がある」との見方が強まっています。2024年12月時点で、すでに量産化に向けた具体的な動きが報告されており、市販型のデザイン予想も公開されています。
市販化に向けた変更点として予想されるのは。
特に注目すべきは、次期ルーミーのフルモデルチェンジと連動して、「ルーミー bBスタイル」のような形でbBブランドが復活する可能性が指摘されていることです。
KAYOIBAKOコンセプトの最大の特徴は、「好きなときに・好きな場所で・好きなことができる」をコンセプトとした多用途性です。トヨタは以下のような様々な用途を提案しています。
商用利用
個人利用
福祉・バリアフリー
この多様性こそが、かつてのbBが若者を中心に支持された「カスタマイズ性の高さ」を現代的に進化させたものと言えるでしょう。
新型bBの市場投入は、トヨタの電気自動車戦略における重要な位置づけを持つと考えられます。特に注目すべきは、従来の自動車メーカーが見落としがちな「若年層向けEVカスタムカー市場」への参入です。
市場分析のポイント
初代bBが129万円~173万円という価格設定で大ヒットしたように、新型bBも「つくりが良く、しかも安い」EVとして市場に投入される可能性が高いと予想されます。
また、自動運転技術との組み合わせにより、将来的には完全自律走行による配送サービスや、シェアリングエコノミーでの活用も視野に入れた設計となっていることが特徴的です。
現在の軽自動車EV市場では、日産サクラや三菱eKクロスEVが先行していますが、KAYOIBAKOはそれらとは異なる「コンパクトカーサイズのカスタマイズ可能なEV」という新しいカテゴリーを創出する可能性を秘めています。
トヨタの電気自動車戦略において、bZシリーズが高級志向であるのに対し、新型bBは若年層や商用利用者向けの実用的なEVとして位置づけられ、トヨタのEVラインナップの幅を大きく広げる戦略的モデルになると予想されます。