2024年に入ってから、新型C-HRの日本発売を示唆する重要な動きが複数確認されています。最も注目すべきは、日本の通常ナンバーを装着した新型C-HRが公道で目撃されたことです。
読者からの提供写真によると、確認された車両は明らかに右ハンドル仕様で、これは日本市場向けのテスト車両である可能性を強く示しています。従来、トヨタは海外専用モデルについて日本でのテスト走行を行わないため、この目撃情報は日本発売への具体的な準備が進んでいることを意味します。
さらに興味深いのは、目撃された場所が東京都渋谷区という都市部であることです。これは単なる輸送中の車両ではなく、実際の日本の道路環境での性能テストや適合性確認を行っている可能性を示唆しています。
トヨタの過去の事例を見ると、海外専用モデルが後に日本市場に導入される際には、必ずこのような公道テストが実施されています。新型C-HRについても、同様のプロセスを経て日本発売に向けた準備が進められていると考えられます。
新型C-HRの日本発売を裏付ける重要な証拠として、2024年2月頃に日本の特許庁への意匠登録が完了していることが確認されています。
意匠登録は、製品のデザインを法的に保護するための手続きで、日本で販売する予定のない製品について登録を行うことは通常ありません。この登録により、新型C-HRの外観デザインが日本国内で保護されることになり、これは明らかに日本市場での販売を前提とした動きです。
特に注目すべきは、登録されたデザインが欧州で販売されている現行の新型C-HRと同一であることです。これは、欧州仕様をベースとした車両が日本に導入される可能性を示しています。
また、意匠登録から実際の販売開始まで通常6ヶ月から1年程度の期間が必要とされることから、2024年後半から2025年前半にかけて発売される可能性が高いと予想されます。
トヨタの法務部門がこのような手続きを進めているということは、経営陣レベルで日本発売の決定がなされていることを強く示唆しています。
2025年3月に欧州で発表された新型「C-HR+(プラス)」は、完全なBEV(バッテリー電気自動車)として設計された革新的なモデルです。一部報道によると、このC-HR+が2025年秋から日本でも生産開始される予定となっています。
C-HR+の最大の特徴は、電動モデル専用のe-TNGAプラットフォームを採用していることです。これにより、従来のガソリン車やハイブリッド車とは異なる、BEV専用の最適化された設計が実現されています。
主要スペック(欧州仕様):
特に注目すべきは、77.0kWh版のAWDタイプで、システム最大出力252kW(約342ps)という高性能を実現していることです。0-100km/h加速は5.2秒という俊足性能を誇り、これまでのC-HRとは一線を画すスポーツ性能を備えています。
このC-HR+が日本に導入されれば、トヨタのBEVラインナップにおいて重要な位置を占めることになります。特に、2030年までにEV350万台の販売を目指すトヨタの戦略において、コンパクトSUVセグメントでのBEV展開は不可欠な要素となっています。
新型C-HRが日本で発売される場合、価格設定とグレード構成は重要な関心事項です。海外での販売価格と日本市場の特性を考慮すると、以下のような構成が予想されます。
予想グレード構成:
この価格設定は、競合するヤリスクロスやカローラクロスとの差別化を図りつつ、プレミアムコンパクトSUVとしてのポジショニングを明確にするものです。
パワートレイン別の予想価格:
特に注目すべきは、豪州モデルで設定されている4WD(E-Four)システムです。これが日本仕様にも採用されれば、雪国のユーザーにとって大きな魅力となるでしょう。
燃費性能については、豪州での公表値を参考にすると、1.8Lモデルで25.0km/L程度、2.0Lモデルでも24.4km/L程度の優秀な数値が期待できます。これは現行のヤリスクロスやカローラクロスと同等以上の性能です。
新型C-HRの日本復活は、単なる車種追加以上の意味を持つと考えられます。特に、日本の自動車市場における「デザイン重視SUV」という新たなカテゴリーの確立に大きな影響を与える可能性があります。
初代C-HRが2017年にSUVカテゴリーで販売台数1位を獲得した背景には、従来のSUVにはない斬新なクーペスタイルがありました。新型モデルでは、この特徴をさらに進化させ、ポップアップ式ドアハンドルや一文字テールライトなど、より先進的なデザイン要素が採用されています。
市場への独自の影響:
🎯 デザイン志向の若年層取り込み: 従来のトヨタSUVとは一線を画すスタイリッシュなデザインにより、20-30代の新規顧客獲得が期待されます。
🔄 ブランドイメージの刷新: C-HRの復活により、トヨタの「保守的」というイメージから「革新的」なブランドイメージへの転換が加速する可能性があります。
⚡ 電動化戦略の加速: C-HR+のBEV仕様導入により、トヨタの電動化戦略における重要な役割を果たすことが予想されます。
また、興味深い点として、新型C-HRの内装デザインが「昔のスープラ並みに運転席にオフセット」されているという報告があります。これは、単なる実用車ではなく、ドライビングプレジャーを重視したスポーツカー的な要素を持つことを示しています。
このような特徴により、新型C-HRは日本市場において「実用性とスポーツ性を両立したプレミアムコンパクトSUV」という独自のポジションを確立する可能性が高いと考えられます。特に、現在のSUVブームにおいて差別化が困難になっている中で、デザインとドライビング体験の両面で新たな価値を提供することが期待されています。