スバルは2024年4月23日、北米専売のセダン「レガシィ」の米国生産を2025年春に終了すると正式発表しました。インディアナ工場で生産されるレガシィセダンは、1989年に米国生産車の最初のモデルとして製造開始されて以来、約35年にわたって販売されてきた歴史あるモデルです。
2023年の販売台数は25,510台で、同社の米国販売に占める比率はわずか4%程度にとどまっていました。この数字は、セダン市場の縮小とSUVやクロスオーバー車への消費者の嗜好変化を如実に表しています。
日本では既に2020年7月にセダンの「レガシィB4」の生産を終了しており、これにより世界的にスバルのセダンラインナップはスポーツモデルの「WRX」のみとなります。
興味深いことに、2025年に入ってから2026年モデルのレガシィセダンに関する情報が複数のソースから発信されています34。これらの情報によると、新型レガシィセダンは以下のような特徴を持つ可能性があります。
パワートレイン関連
安全・快適装備
ただし、これらの情報は公式発表ではなく、スバルからの正式なアナウンスは現時点でありません。
レガシィB4は2019年の国産セダン安全性能ランキングで第2位に評価されていました。その高い安全性能の要因として以下が挙げられます。
標準装備の充実
他社との比較優位性
レガシィB4の特徴は、多くの安全装備が標準装備化されていることでした。トヨタ車の多くがオプション設定としている安全装備も、レガシィB4では標準装備として提供されていました。
この安全性能の高さは、スバルが「安全にこだわるメーカー」として培ってきた技術力の結晶といえるでしょう。
北米市場におけるレガシィセダンの存在意義は、日本市場とは大きく異なっていました。北米では複数台所有が一般的で、セダンも依然として重要なボディタイプの一つとして認識されています。
北米仕様の特徴
現行の7代目レガシィセダンは2019年2月にシカゴオートショーで世界初公開され、「フルインナーフレーム構造」をスバルとして初採用するなど、技術的な進歩も見られました。
レガシィセダンの生産終了は、単にスバルの問題にとどまらず、日本の自動車業界全体のセダン離れを象徴する出来事といえます。
日本市場でのセダン縮小の現状
セダン離れの要因
しかし、セダンには独立したトランクによるボディ剛性の高さや静粛性の優位性があり、これらの特徴を活かした新しいアプローチが求められています。
スバルの今後の戦略として、2028年までに8車種のEVを生産すると発表されており、電動化への移行がセダン終了の大きな要因の一つとなっています。レガシィアウトバックは継続販売される予定ですが、伝統的なセダンボディの復活については不透明な状況が続いています。
レガシィセダンの35年間の歴史は、スバルの技術革新と市場変化への対応の軌跡でもありました。今後、スバルがどのような形でセダンファンの期待に応えるのか、業界全体の動向とともに注目が集まっています。