新型センチュリーロイヤル価格内装防弾仕様と比較詳細

皇室御料車として製造された新型センチュリーロイヤルの価格内訳と仕様全貌、防弾性能や内装匠技を海外御料車と比較しながら徹底解析する記事はいかがでしょうか?

新型センチュリーロイヤル価格

新型センチュリーロイヤル概要
🚗
標準車5250万円

全長6.2mの伸長ボディと特注インテリアを備えたベース仕様[1]

🛡️
特装車9450万円

防弾・装甲を追加し国賓接遇に用いられる最上級仕様[1]

🔧
V12搭載

5.0L V12エンジンで静粛性と余裕のトルクを実現[1]

新型センチュリーロイヤル 価格構成の詳細

センチュリー・ロイヤルの価格は標準車5250万円、防弾・装甲を加えた特装車では9450万円に達する[1]。これは通常の3代目センチュリー(約1960万円)[2]と比べて約2.7〜4.8倍に相当し、価格差の大部分を以下の要素が占める。

  • ボディ延長・観音開きドア・ルーフ補強などの車体改造費
  • 厚さ50mm級の強化防弾ガラス、装甲パネルの追加コスト
  • 皇室専用装備(神器台座、御影石ステップ、国章金具)
  • 極小ロット(計5台のみ)のため部品単価が跳ね上がる
項目 コストへの影響度
車体延長加工 ★★★★★
防弾・装甲仕様 ★★★★★
内装特注素材 ★★★★☆
開発・試験費 ★★★☆☆
台数限定効果 ★★★★☆

予算は1台あたり8000万円以内という政府調達基準でもあった[3]。結果として特装車のみが上限を超えているが、これは防弾レベルの強化に起因する特例とされる。

新型センチュリーロイヤル エンジン性能と燃費

ロイヤルは2代目センチュリーのV型12気筒5.0L(1GZ-FE)エンジンを継承し、静粛性と振動対策において国産最高峰の水準を維持する[1]。最高出力は280kW、最大トルクは480N·m級と推定され、2.7t超の重量でも余裕の加速を示す。
燃費は公表されていないが、同エンジンを搭載する先代センチュリーで平均5–6 km/L前後とされており、ロイヤルでは車重増加の影響でさらに1割程度悪化する可能性が高い。
なお現行(3代目)センチュリーはV8 5.0Lハイブリッドへ移行したため、量産車でV12を味わえる国内モデルはロイヤルのみとなった。維持コストの観点では燃料税・重量税・自動車税(6L区分相当)に加えて、専用部品の供給体制をトヨタ東日本が長期支援する形で確保している。

新型センチュリーロイヤル 内装・装備の職人技

インテリアは日本の伝統工芸を随所に盛り込む。天井へ岐阜県産の手漉き和紙を貼り、後席にはイギリス製メリノウールをベースに京都の染織技術で仕立てた特注ファブリックを用いる[1]。対してフロントシートは拘束力の高いナッパレザーを採用し、乗員区分を明確化。

  • 御影石ステップ:雨天でも滑りにくい粗面仕上げ。
  • 肥松(こえまつ)インパネ:黒い油分が年を追うごとに艶を増す希少材。
  • 桃山蒔絵の象嵌:車室内アクセントパネルに採用。
  • AV装備:24スピーカー・フルデジタル音響で雅楽の再現性を追求。

これらは「量産を前提にしない開発」であるため、型紙から家具職人が一台ごとに採寸し、寸法誤差は0.1 mm単位で管理される。

新型センチュリーロイヤル 防弾・安全装備の実相

特装車はNIJレベルIII+の多層装甲ガラスに加え、ボディ外板裏へセラミック複合装甲を組み合わせる[1]。ドア一枚で90 kg超の重量となるが、電動アシストヒンジにより開閉荷重を軽減。タイヤはミシュランPAXシステムをベースに、80 km/hで30 km走行可能なランフラット仕様だ。
耐爆性能については明確に公開されていないが、フロア下に700 g TNT相当の爆破試験をクリアしたとされる。さらに車体前後にはケブラー織布製スプラッタライナーが敷設され、破片貫通を防ぐ。
事故時の退避を想定し、燃料タンクは難燃樹脂とセルフシーリングゴムで二重保護。加えて車載火災抑制の自動消火装置をトランクに備える。

新型センチュリーロイヤル 世界皇族御料車との比較

下表は主要皇族御料車の比較だ。価格は多くが非公表だが、参考値として推定額を掲載する。

モデル 全長 排気量 装甲 推定価格
センチュリーロイヤル 6155 mm[1] 5.0L V12 防弾・装甲(特装車) 9450万円[1]
Bentley State Limousine 6390 mm 6.75L V8 防弾 非公表(10億円級)
Rolls-Royce Phantom IV 6040 mm 5.7L 直8 非装甲 非公表
Mercedes-Maybach S680 Guard 5469 mm 6.0L V12 VR10装甲 2億円超
  • ロイヤルは寸法で世界上位だが、装甲仕様でも車高を抑えて乗降性と視認性を両立。
  • 観音開きドアはBentleyと共通だが、後席床面高さを極限まで下げた設計はロイヤル独自。
  • 内装は和紙天井に代表される「和モダン」方向性で、欧州御料車のクラシカル路線と差別化。
  • コスト効率は極めて高く、同等の装甲を備えたMaybachと比較しても半額以下。

これら比較から、ロイヤルは「皇室用」という用途に最適化された結果、豪華さ・安全性・コストバランスを高次元で成立させたことが見えてくる。
【参考リンク:観音開きドアの機構解説】
Kuruma-newsの記事ではドア構造と防弾ガラス厚の技術的背景を詳細に説明。
【参考リンク:V12エンジンの整備体制】
BestCarWebではV12搭載2代目センチュリーのメンテナンス事例とコストを解説。