2024年9月のマイナーチェンジで大幅な価格改定が行われたシビックセダン新型は、従来モデルから約20万円の値上げとなりました。現在のグレード構成と価格は以下の通りです。
1.5Lガソリンターボエンジン搭載車
2L・e:HEV(ハイブリッド)搭載車
注目すべきは新設定されたRSグレードで、「ロード・セーリング」の略称として初代シビックにも採用されていた歴史あるグレード名が復活しました。RSは速く走るのではなく、ドライバーの操作に対して忠実かつ上質に走ることを表現したグレードとして位置づけられています。
価格面では、マイナーチェンジ前のEXグレードが359万400円だったことを考えると、約20万円の値上げは装備充実を考慮しても決して安くない設定となっています。
シビックセダン新型に搭載される1.5リッター直列4気筒VTECターボエンジンは、同じエンジンを搭載するステップワゴンと比較して大幅にチューニングレベルが向上しています。
エンジン性能比較表
車種 | 最高出力 | 最大トルク | 燃料 | 燃費 |
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シビックセダン | 173馬力 | 22.4kg-m | レギュラー | 19.4km/L |
シビックハッチバック | 182馬力 | 22.4kg-m | プレミアム | 18.0km/L |
ステップワゴン | 150馬力 | 20.7kg-m | レギュラー | - |
興味深いのは、同じ1.5Lターボエンジンでありながら、シビックセダンとハッチバックで出力特性が異なる点です。セダンは173馬力でレギュラーガソリン仕様、ハッチバックは182馬力でプレミアムガソリン仕様となっており、用途に応じた最適化が図られています。
自然吸気エンジンに換算すると、セダンは約2.3リッター相当、ハッチバックは約2.5リッター相当の性能を発揮します。これは同クラスの競合車種と比較しても十分に競争力のあるスペックといえるでしょう。
2025年型シビックセダンには、CR-Vやアコードに搭載されている第4世代の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」が新たに採用されます。このシステムは従来のハイブリッドシステムと比較して、応答性の向上によりスポーティな走行フィールを実現するとともに、高速道路でのよりリラックスした走行環境を提供します。
e:HEVシステムの特徴
このハイブリッドシステムの採用により、シビックセダンは環境性能とドライビングプレジャーの両立を実現しています。特に都市部での燃費性能向上は、ランニングコストの削減に大きく貢献するでしょう。
アメリカやカナダ、タイなどの海外市場では既にセダンモデルが展開されており、日本市場への導入も期待されています。
新設定されたRSグレードには、スポーティな走りを支える専用装備が数多く採用されています。価格は419万8,700円と高額ですが、その分充実した装備内容となっています。
RSグレード専用装備一覧
特に注目すべきは、滑らかなシフトダウンを容易にするレブマッチシステムの採用です。これにより、6速MT専用グレードとしてのスポーティな走りがより楽しめるようになっています。
シート生地にはプライムスムース&ウルトラスエードを使用し、運転席・助手席には電動調節機能も標準装備されています。これらの装備を考慮すると、EXグレードとの価格差40万円は妥当な範囲といえるでしょう。
シビックセダン新型のデザインは、従来のハッチバックモデルとの見分けが困難なほど統一されたデザイン言語で作られています。これは「マン・マキシマム・メカ・ミニマム」思想に基づいた設計哲学の表れです。
外観の主な特徴
興味深いのは、セダンの生産が日本、ハッチバックの生産がイギリスという異なる生産拠点でありながら、デザインの統一性が保たれている点です。これはホンダのグローバル品質管理の高さを示しています。
リア部分ではマフラーの違いが最も分かりやすい見分けポイントとなっており、セダンもハッチバック風なライン処理のため、一見では判別が困難です。
内装では、シビック初のオールデジタルメーターパネルが採用され、機能的で左右方向の広がり感を強調したインパネデザインが特徴的です。すべての乗員に充分な室内空間を追求した設計により、クラストップレベルの居住性を実現しています。
シビックセダン新型は、伝統的なセダンの概念を覆すモダンなデザインと、実用性を両立した次世代のファミリーセダンとして位置づけられています。特に若い世代のユーザーにとって、スポーティでありながら上質な移動空間を提供する魅力的な選択肢となるでしょう。