センチュリーミニバンには主に2つの系統が存在します。トヨタ系のセンチュリーとビュイックのGL8センチュリーです。
ビュイックGL8センチュリーの基本仕様
トヨタアルファードとの比較
ビュイックセンチュリーはアルファード(全長4,995mm×全幅1,850mm×全高1,945mm)と比較して、全長が235mm、全幅が130mm大きく、より堂々としたサイズ感を実現しています。ホイールベースも130mm長く設計されており、これにより後席の居住性が大幅に向上しています。
トヨタセンチュリー新型の仕様
トヨタの新型センチュリーはSUV風のボディを採用しており、従来のセダン型から大きく変化しています。
ビュイックGL8センチュリーのパワートレイン
2025年モデルでは、2.0リッター直列4気筒ターボエンジンに48Vマイルドハイブリッド(MHEV)システムを組み合わせています。
さらに高性能な1.5リッターターボPHEV仕様も存在し、最高出力約392PS、EV航続距離約140kmという驚異的な性能を実現しています。
トヨタセンチュリー新型のパワートレイン
V型6気筒プラグインハイブリッドシステムを採用しています。
ビュイックセンチュリーの外装デザイン
新世代デザイン言語「PURE Design」を採用し、アジア文化と現代的な美意識を融合させたデザインが特徴です。
内装の豪華装備
ラグジュアリーさを追求した豪華な装備が満載されており、富裕層や文化人、政財界リーダーといった新時代の上級ユーザー層をメインターゲットにしています。
トヨタセンチュリーの室内空間
これらの数値からも分かるように、十分な居住空間を確保しています。
ビュイックGL8センチュリーの中国市場価格(2025年モデル)
この価格設定は、中国の超高級ミニバン市場において最上級クラスに位置しています。
市場での位置づけ
ビュイックセンチュリーは、ビュイックMPV(多目的乗用車)ラインナップの最上級モデルとして存在しており、GMと中国メーカーの合弁会社「上汽通用汽車」が販売するフラッグシップミニバンです。
2022年11月に発売されて以来、中国の富裕層から高い評価を受けています。一方、トヨタのセンチュリー新型は日本市場を中心に展開されており、レクサスLMとは異なるポジショニングを取っています。
インタラクティブ照明システム
ビュイックセンチュリーの2025年モデルでは、各ランプに組み込まれた90個以上のLED素子と7つのプロジェクターにより、インタラクティブな照明演出を実現しています。これは単なる照明ではなく、車両の状態や周囲の環境に応じて光のパターンが変化する先進的なシステムです。
トヨタ車体のコンセプトカー「ハイエース プラチナムラウンジ」
実は、トヨタ車体が2015年の東京モーターショーで発表した「ハイエース プラチナムラウンジ」という興味深いコンセプトカーが存在します。このモデルは全長5.4mという大型サイズで、「艶やかな夜の世界を美しく走り抜け、都会のパーティへの移動が似合う、最大級の空間を贅沢に味わうナイト エクスクルージブ ワゴン」として開発されました。
このコンセプトカーは、センチュリーブランドの豪華さをミニバンに応用した先駆的な試みとして注目されており、現在のセンチュリーミニバンの発想の原点とも言える存在です。
48Vマイルドハイブリッドの効果
ビュイックセンチュリーに搭載される48Vマイルドハイブリッドシステムは、従来の12Vシステムと比較して約4倍の電力を供給できます。これにより、エンジン始動時のスムーズさ、アイドリングストップからの復帰速度、燃費性能が大幅に向上しています。
レクサスLMとの技術的差異
トヨタグループ内でも、レクサスLM(全長5,125mm×全幅1,890mm×全高1,955mm、ホイールベース3,000mm)とセンチュリー新型では明確な差別化が図られています。センチュリーはより長く、低く、幅広いボディを採用し、SUV風のスタイリングを取り入れることで、従来のミニバンとは一線を画したデザインアプローチを実現しています。
これらの技術革新により、センチュリーミニバンは単なる移動手段を超えた、ライフスタイルを演出する高級車として進化を続けています。特に中国市場では、ビジネスシーンでの威厳ある移動手段として、また富裕層のプライベート使用においても高い評価を獲得しており、今後の高級ミニバン市場の方向性を示す重要なモデルとなっています。