赤色灯パトカー以外の緊急車両と回転灯の色分け

赤色灯を装備するのはパトカーだけではありません。消防車、救急車、ガス会社の緊急車両など、様々な車両が赤色灯を使用しています。また、黄色、青色、緑色、紫色の回転灯にもそれぞれ重要な役割があることをご存知でしょうか?

赤色灯パトカー以外の緊急車両

赤色灯を装備する車両の種類
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救急車・消防車

最も身近な緊急車両として、人命救助や火災対応に活躍

ガス・電力会社の緊急車両

ガス漏れや漏電などの応急作業で緊急出動する特殊車両

🩸
輸血運搬車両

生命に関わる輸血用血液を緊急搬送する医療関連車両

赤色灯を装備する消防車と救急車の特徴

消防車と救急車は、最も身近な赤色灯装備車両です。これらの車両は道路交通法施行令第14条により、緊急の用務のため運転するときは、サイレンを鳴らし、かつ赤色の警光灯をつけなければならないと定められています。

 

消防車には様々な種類があり、ポンプ車、はしご車、化学車、救助工作車など、それぞれ異なる役割を持っています。しかし、すべての消防車に共通するのは、緊急出動時には必ず赤色灯とサイレンを使用することです。

 

救急車についても同様で、患者の搬送や現場での応急処置のため、一刻を争う状況で出動します。救急車の赤色灯は、他の車両に緊急車両の接近を知らせる重要な役割を果たしています。

 

赤色灯を使用するガス会社と電力会社の緊急車両

意外に知られていないのが、ガス会社や電力会社も赤色灯を装備した緊急車両を保有していることです。これらの車両は、ガス漏れや漏電などの緊急事態に対応するため、特別に認可を受けています。

 

ガス会社の緊急車両は、都市ガスやプロパンガスの漏洩事故に対応します。ガス漏れは爆発や火災の危険性があるため、迅速な対応が求められます。そのため、これらの車両には赤色灯の使用が認められているのです。

 

電力会社の緊急車両も同様で、停電や漏電事故、電柱の倒壊などの緊急事態に対応します。特に台風や地震などの自然災害時には、電力インフラの復旧作業で重要な役割を果たします。

 

これらの車両は、通常時は一般車両と同じように走行しますが、緊急事態が発生した際には赤色灯を点灯し、サイレンを鳴らして現場に急行します。

 

赤色灯装備の輸血運搬車両と医療関連車両

医療分野では、輸血運搬車両も赤色灯を装備しています。輸血用血液は、患者の生命に直結する重要な医療資源であり、緊急時には迅速な搬送が必要です。

 

輸血運搬車両は、血液センターから病院への血液製剤の配送や、病院間での血液の緊急搬送を行います。特に稀な血液型の患者や大量出血の患者に対しては、時間との勝負となるため、赤色灯による緊急走行が認められています。

 

また、臓器移植に関わる車両も、場合によっては赤色灯を装備することがあります。移植用臓器の搬送は、ドナーからレシピエントへの移植手術のタイミングが極めて重要であり、一分一秒を争う状況となります。

 

これらの医療関連車両は、人命救助という崇高な使命を担っており、赤色灯の使用が社会的に認められています。

 

赤色灯以外の回転灯の色分けと用途

赤色灯以外にも、車両用回転灯には黄色、青色、緑色、紫色があり、それぞれ異なる用途で使用されています。

 

黄色回転灯は道路維持作業用自動車に使用されます。NEXCOや首都高速道路のパトロールカー、除雪車、清掃車などが該当します。高速道路でよく見かける黄色い回転灯の車両は、道路の安全を守る重要な役割を担っています。
青色回転灯は自主防犯活動用自動車、いわゆる「青パト」に使用されます。ただし、誰でも自由に使用できるわけではなく、警察に届け出を行い、証明書の交付を受ける必要があります。
緑色回転灯は、幅3メートルを超えるトレーラーをけん引するトラクターに取り付けられます。これらの大型車両は道路上で特に注意が必要なため、緑色回転灯で周囲に存在を知らせています。
紫色回転灯は故障車両の停止時に使用され、個人でも購入・使用が可能です。三角停止板の代わりとして機能し、後続車への追突防止に役立ちます。

赤色灯の法的規制と一般車両での使用制限

赤色灯の使用には厳格な法的規制があります。道路運送車両法により、車両の種類に合わせて使用する色が定められており、一般の個人や企業が勝手に赤色灯を使用することは法律で禁止されています。

 

緊急車両として赤色灯を使用するためには、所管官庁への申請と認可が必要です。警察車両は警察庁、消防車両は消防庁、救急車両は厚生労働省といった具合に、それぞれの管轄で厳格な審査が行われます。

 

ファッション目的や装飾目的で一般車両に赤色灯を取り付けることは、道路交通法違反となり、罰則の対象となります。また、赤色灯を点灯させて走行する場合は、必ずサイレンも鳴らさなければならないという規定もあります。

 

興味深いことに、高速道路の管理車両の中には、通常は黄色回転灯を使用しているが、緊急時には赤色に切り替えられる車両も存在します。これは、事故や異常気象などの緊急事態に対応するための特別な措置です。

 

このように、赤色灯の使用は単なる装飾ではなく、社会の安全と秩序を守るための重要なシステムの一部として機能しています。適切な使用により、緊急車両の円滑な通行と、それによる迅速な救助活動や事故対応が可能となっているのです。